売り転換の匂いのする週末、クジラは3ヵ月売りまくり!

売り転換の匂いのする週末、クジラは3ヵ月売りまくり!

さてさて、恐らく投資家ならほとんどの人が気付いていると思うけれど、いま、というか今年になってから日本株をずっと売り続けてる投資主体がいるよねぇ・・・。そう、GPIF(クジラ)だよね。ここ、本当に性悪というか、どうして情報をもう少し早く開示出来ないのだろうといつも思う。そのくせ日経辺りはGPIFの損失が7兆円になったとか、という情報を出してくる。どうして日経ばかりそういう情報を掴めるんだ!ってことだよ。

東証は個別企業に対しては、情報開示の徹底を要求していて、特定のソースにのみリークすることを嫌ってる。それはそうで、インサイダー取引の温床になりかねないわけで、証券監視委員会もその辺りは注意しているはずなんだけど、個別取引ばかり文句を言うくせに、システムによる見せ板は野放し!ふざけてるよ、まったく。

でも今回はそんなことではなくて、そのクジラが年初から日本株のポートフォリを軽くしてるんだよ。クジラのポートフォリオの方針は、国内株、国内証券(国債)、海外株、海外証券(ソブリン債)をそれぞれ25%ずつ保有して運用するというものだけど、昨年12月(3Q)時点ではそれほど変動は感じられないんだよ。

【GIPF 3Qポートフォリオ】
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にもかかわらず年初から、じゃなくて昨年の11月頃からずっと売りっぱなしなんだよね。理由は定かではないけれどとにかく売りまくってる!それが下図の赤線の信託銀行の部分になる。

一方このところの地合いで、個人投資家は相場の反転気配を感じたのか、「いまだ!」とばかりに急落相場の中で鬼のごとく買い向かったわけだよ。凄いなぁ・・・と感じるよ。勿論高配当だから権利も取りたいというのもあるだろうけどね。とにかく米国発の金融危機が落ち着いたと見たのか、がっちり買い向かったのが青線の部分だよね。

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ところが金融危機と言うこともあったけれど、それでも2月の最終週から売り始めて、3月は大幅な売り越しでここまで来てるのが海外勢と言うことになる。それがオレンジ線の部分。ヤバいから主力銘柄を中心にバシバシ売ってきたんだろう。そして同時に大きく膨らんでた先物買いのポジションもメチャメチャ売って来てたしね。

しかしクジラが3カ月以上連続して売りまくったって今までにあったかなぁ・・・。ちょっと記憶にないよ。もしも景気後退を意識してリスク資産を縮小しようとしてるなら、大したものだと思うし一応の安心感はあるよね。何といっても年金資金だから、世界の経済環境の変化に応じて機動的に運用してもらいたいよ。みんな(証券関係者など)は強い、大丈夫、独歩高と言ってる中でのこの売りは立派だと思うけどね。でも、所詮ロングファンドなのだから、景気後退して株価が下がればどの道損失は出ることになる。それは世界中どんなロングファンドでも同じだろう。そして債券投資を増やすというのも常套手段だろうし。ただし、金利上昇と読んでたんじゃないかと思うよね。黒田総裁が嫌々ながらYCCの上限引き上げをやった裏には、こんな事情もあったのかもしれないけどね。

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まぁ、いずれにしてもこの国内事情を海外勢が見逃すはずもなく、もしかしたらこの辺りから強烈にショートしてくる可能性もある。配当調整金のこともあるけれど、売るとなったらそんなのはお構えなしに売ってくると思う。もしもそういう展開になってしまったら、買い向かった個人投資家は焼かれまくるってことだろう。この状況では30日の権利落ちで配当唯どりはないだろうと思ってるけどね。地合いにもよると思うけど、配当落ち分以上にやられて、投げさせられる、みたいな最悪の状況も考えないといけないかも。

この週末幸いにも何も出てないけれど、WSJあたりは今度はMBS(不動産ローン担保債券)が危険かも、なんて記事をだしてきてるしねぇ・・・。FRBが利上げしたもんだから当然MBSに対する警戒感は増すけれど。そんな関連ニュースが月曜の晩とか出なければいいけれど。

なんか、明日は売り玉手仕舞いするかもう一日我慢するか・・・考え処だなぁと。もちろん場合によっては調整金も覚悟して向かわないといけないかもしれんけどね。さて、来週どうなるか、見物だね。(投資は自己責任でお願いします)