中国の領土戦略が顕著化 香港・台湾・朝鮮半島

中国の領土戦略が顕著化 香港・台湾・朝鮮半島

米中が貿易問題から、新冷戦と言われる本格的な対立関係に突入したいま、中国共産党は第二次大戦以降の領土拡張主義をさらに加速しようとしています。

南沙諸島のサンゴ礁の島々を実効支配の上要塞化し、台湾の軍事的侵攻を否定しないと宣言し、香港での「逃亡犯条例」制定で支配力を強化するなど、中国の領土拡大は「海側」へとシフトしています。

来週G20の前に習近平は北朝鮮訪問を発表し、いよいよ触手を韓国を含む朝鮮半島へと伸ばしてきました。

そしてすでに60日以上連続で接続水域に侵入している尖閣諸島や思想的・経済的な介入を続ける沖縄、さらには韓国資本に買い占められた対馬やすでに静岡県の面積を買い占められていると言われる北海道へと迫っています。

モンゴル、チベット、新疆ウイグル占領

第二次大戦で満州国が瓦解したのち、ソ連と中国で内モンゴルの主導権を争った結果、内モンゴルに対し漢人入植を行い実効支配して占領、第二次大戦後の1950年にチベットを侵略、1955年東トルキスタン共和国を占領と中国は周辺地域に領土を拡大してきました。

そしてチベットではチベット仏教の迫害と弾圧を繰り返し、また新疆ウイグルではウイグル人の200万人にも及ぶ強制収容と再教育と称した洗脳教育、さらには処刑や臓器移植のための強制ドナー化など、現在でも弾圧と虐殺が行われているという事実は、形容の仕様がありません。

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さらに中国は支援していたカンボジアのポル・ポト政権を滅ぼした制裁と称して1979年にベトナムに侵攻(中越戦争)し、占領した内モンゴルでは大量のモンゴル人を虐殺するなど、共産党政権になってから中国の領土拡張主義は現在でも続き、南沙諸島の島々の要塞化を行っています。

2019年念頭に習近平は実力での台湾併合に言及しました。台湾は中国の一部なので当然という考え方で、それは1997年「一国二制度」を約して英国から主権委譲を受けた香港でも同様な動きを表面化させています。

香港の金融センターを吸収?

現在中国では国内からの資本流出に歯止めがかからない状況になっていますが、アジアの金融センターである香港は海外資本の窓口であるだけでなく、資本流出の拠点であることで、「一国二制度」を排除して完全な中国化を推し進めています。

香港の経済的なウエイトは年々低下していて、株式市場の時価総額は上海と同等なまでになっています。

しかし、経済的な苦境のいま、香港の金融センターを吸収することは中国にとって大きなメリットになることは明白です。

そのために、香港支配で決定的な「逃亡犯条例」の制定を目指したわけですが、それに敏感に反応した香港市民は大規模なデモを繰り広げています。

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現在香港で逮捕された犯人は香港で裁かれるわけですが、この条例は中国本土へ移送して裁判となるわけで、無差別に拘束される危険に対し、香港市民は最後の抵抗を試みている、と言えます。

台湾の企業・先端技術を吸収?

Taipei, Taiwan downtown skyline at the Xinyi Financial District.

 

現在の台湾総統は独立派の蔡英文ですが、本年秋の台湾総統選挙には、ホンハイの郭台銘会長が立候補を表明しています。

台湾占領に対し武力行使も視野に入れている習近平は、反中の蔡英文総統に対し、強力な候補を擁立したということですが、現時点での支持率は郭台銘が圧倒していることから当選になれば、ほぼ台湾経済は実効支配下となります。

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ホンハイはその生産拠点の大半が中国本土にあり、また米国工場の建設も表明していることから、明らかに米中対立のキーパーソンです。

郭台銘は今回の立候補に際し習近平と取引したとされていて、それに対し米国議会は矢継ぎ早に台湾(蔡英文総統)支援を表明しています。

具体的には台湾を国家と認定し米国要人の渡航制限を廃止するとともに、新たな兵器売却等軍事支援などですが、本音は総統選挙への介入でしょう。

トランプ政権の対中政策で台湾・香港は譲れない

2018年のペンス副大統領の歴史的な中国批判演説以来、米国は中国の領土拡張主義を真っ向から否定する意向を明らかにしています。

そして、米中対立において経済面、領土面の両面で台湾・香港の地位を維持したいのは明白です。

香港は米国企業にとって、中国本土への投資の窓口的な役割を果たしており、中国が資本の自由化をある程度許容する場合、重要な金融センターとなります。

また、台湾のハイテク技術の中でもとりわけ半導体技術や関連した人材を、無条件で中国に渡すわけにはいかないという米国の思惑があります。

韓国軍の吸収に照準?

中国東北部の朝鮮半島寄りの地域は、多数の韓民族が居住する地域であり、朝鮮半島を併合することは、長く続いた柵封時代からの自然な流れと中国は理解しています。

しかし、北朝鮮は金一族の支配体制の廃止に抵抗していて、核武装をしてしまったことから、金正恩は日米への圧力の役割とともに中国に対しても、様々な主張を始めています。

中国は韓国大統領選挙の介入し、文在寅大統領を誕生させ、南北統一を推し進めることで半島そのものを支配下に置くことを画策しました。

中国にとって半島を併合することは、経済的な意義もさることながら、軍事的な意味が非常に大きいわけです。

日米韓の同盟関係で軍事的な共有が非常に多く、これを一気に取得することで、アジアでの中国軍の地位は盤石なものとなりかねません。

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尖閣、対馬、そして沖縄・北海道

現状、中国の領土拡張主義は、時間を掛けながらも着々と進行しています。

尖閣諸島

尖閣諸島は第二次大戦以前、日本人が入植し最盛期には240名以上の日本人が生活していました。しかし1940年に太平洋戦争の可能性が浮上したために引き揚げ、以後無人島となっています。

しかし、国際法上では明らかに日本の領土として認められているにも関わらず、無人で実効支配が及んでいないと言う解釈で、中国は虎視眈々と実行支配のチャンスを伺っているわけです。

対馬

また、九州と朝鮮半島の中間に位置する対馬ですが、文大統領就任後は土地の買収が急激に進み、現時点では全島の半分以上の地域が韓国資本に買収されています。

つまり竹島はすでに問題とはならず、長い間領有権を主張してきた韓国は、対馬の侵食を開始して以来島にはコリアンタウンができ、年間40万人近い韓国人旅行客が訪れることで、経済的な占領を行いつつあります。

つまり、中国の朝鮮半島政策を考えると、対馬は韓国、そして沖縄、北海道は中国という役割分担も見え隠れしています。

沖縄・北海道

沖縄問題は、米軍の基地移転問題の裏で、かつての琉球王朝が日本の帰属していなかったと主張し、民族の独立を画策する中国の政治的介入が大きな問題です。同様に北海道でも、すでに静岡県の面積に匹敵する土地を買い占め、さらにはアイヌ問題を取り上げて独立機運を高めようと画策しています。

残念なことに、親中派が多数をしめる政府与党によって、こうした極めて自虐的な売国行為が現在進行形で行われているという事実をみれば、中国の領土拡大主義はすでに日本を侵食していると言えます。

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それでも親中の日本人

こうした危機的状況にもかかわらず、日本企業は中国市場を求めて中国へ進出してゆきます。

そして理由は定かではないですが、与党でさえ過半数の国会議員が親中派であることを考えると、米国を侵食したのと同様に中国マネーは日本を相当に犯していると考えざるを得ません。

そうした状況を知る立場として安倍首相が日米同盟の強化を最優先しているのだとすれば、安倍首相こそが日本の橋頭保なのかもしれません。

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