岸田首相の命運はマイナンバーカード次第!?

岸田首相の命運はマイナンバーカード次第!?

まさに荒れに荒れ捲ってる日本の政治情勢・・・という言い方がピッタリだと思うけれど、岸田首相が突如、「今国会会期中の解散はしません」とぶら下がり会見で表明した。これには正直ビックリしたというか、何をこの首相は言ってるのか!?と思ったよね。

何故ならば岸田首相は昨日(14日)まで、衆議院解散に対する質問に対し「会期末の情勢を良く見極めたい」と返答し、これは実質的な「YES」と受け止められていたわけで、その条件として立憲が内閣不信任案を提出することを上げていた。これは自民党幹部の総意と伝えられていたし、立憲もそこまで言われて逃げられないと泉代表も腹を括って16日提出を決定したばかりだった。

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ここまでくれば、解散はほぼほぼ100%決定で、その場合衆議院を通過したLGBT法案の参議院での採決は出来なくなるということで廃案が決定的だったわけだが・・・。

だからと言って岸田首相がLGBT法案成立のために、解散を断念する、と言うこともあり得ないし、この人はLGBTに対してそこまで思い入れがあるわけでもない。エマニュエル米国大使の圧力と言うことで強引にここまでやってしまっただけで、それはサミットにバイデン大統領出席とバーターだった可能性が高い。しかし御身大事となれば話は別なのだと思う。

だが、そもそも「解散しない」と先手を打てば立憲も内閣不信任を出さない可能性が高くなるのは確かで、何しろLGBT法案は全会派一致の議員立法法案なのだから、それを立憲が無暗に否定することも問題があるのでね。

そう考えると、岸田首相が急転直下で解散を否定した理由はLGBT法案の成立を期したことのように思えるけれど、実は他にあるのかもしれないという憶測が流れているのだ。それはズバリ、マイナンバーカードの運用に致命的なトラブルが生じていることが発覚した(首相の耳に入った)というもの。

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一部の報道機関が、国内の社会保険労務士の多くが利用している業務支援システムがハッキングされ、800万人分のマイナンバーを含めた個人情報が流出した可能性があると報じた。政府はこのマイナンバーカードの運用にあたり健康保険証の紐づけ、運転免許証の紐づけ、銀行口座・証券口座の紐づけ、そして納税履歴等のすべての情報をリンクさせて運用することを決定しているわけだが・・・。

そもそも数人、数十人規模の紐づけ手違いが出た、他人名義の口座に紐づけられた、他人の口座を閲覧できた、という人為的なトラブルではなくて、システムをリンクさせることでハッキングリスクが極めて高くなるという事前の懸念を、報道が事実とすれば証明する形となってしまった。そして、とにかく、現状のマイナンバーシステムは、番号の暗号化も出来ておらず、さらにはカード自体に番号そのものが刻印されてしまうというお粗末なもので、スキミングの餌食になると思われるばかりではなく、各関係省庁、自治体、医療現場、等々運用時の自動ログアウトも設定されていないというセキュリティの甘さ、さらにはQRコード利用の際に番号そのものが表示されてしまうというお粗末さも露呈したシステムなのだ。

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現実問題としてマイナンバーカードをIDとして運用するには、本人確認が必須であるというのが現場の鉄則で、そうなると運用現場での目視による番号確認も必要になる場面が増える。そのために強引に運用の導入をはかるプロセスで、そうしたセキュリティ上の対応が全くできていないという、極めて不安定なシステムと言わざるを得ない。

このシステム開発を受託しているのは富士通で、よくもまぁ、こんなシステムを納入したものだ、と感心するよ。そもそもこうした国内システムに対するセキュリティの甘さは日本の場合信じられないレベルであることは以前から延々と指摘されてきたこと。けれどもこれは日本だけの問題ではなくて、導入する先進国全体の問題となっていて、イギリスの導入断念、米国のトラブル多発による代替案検討、ドイツの各種データリンクの断念、等々世界はマイナンバーシステムの運用に苦慮していて、利用の制限や代替案や廃止の検討を行っている。

これらはハッキング技術のレベルが年々高度化して、またログインコードの解析等もコンピュータの高度化が進んでいるために現実の運用に適さないほどの複雑さが要求されているのが現実で、対策すればするほどに現場の負担が重くなるばかりでどうにもならない状況になっている。

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さらに日本の場合も年々進む高齢化がシステム運用の障害になることは明らかだと思われるわけで、そもそもマイナンバーの運用には、解決しなければならない問題点が山積しているし、そもそも基幹システムが問題を克服できたとしてもデータを共有する行政機関や省庁のシステムが同レベルのセキュリティを確保していなければ意味がない。

その明らかな欠陥が今回報道された社会保険労務士が利用する民間システムからの漏洩、と言うことになるのではないか。

そうしたマイナンバーカードに関するいまだ表面化はしていないけれど、極めて重大事態が発生していることが、今回の岸田首相の解散しない発言に繋がっているのではないか?と推測する。もちろん、息子の秘書官としての不祥事やLGBT法案の強引な手法に対して、岸田内閣の支持率は危険水域まで低下しつつある。加えて公明党との選挙協力がなければ50名以上の落選が想定されると言った自民党独自の事前調査結果も原因だろうと思うが、その前にマイナンバーカードを巡る不祥事が噴出するということなのかもしれない。

そうなれば岸田内閣も年貢の納め時が意外に早いのかもしれない。内閣総辞職は臨時国会を召集しても可能なわけだから。