この3日間の下げが中東情勢の影響でないとすると・・・

この3日間の下げが中東情勢の影響でないとすると・・・

帰宅してから、少しでも感覚のずれを取り戻そうと思っていろいろ調べてみたんだが・・・ちょっと今回の米国三指数の下げ方は尋常ではない気がするんだよね。三指数ともに3日続落となっているけれど、チャートを見るとどれもが非常に悪い形の下げになってるのが気になる。どれも3日続落の下げ足が大きくなった陰線なんだよね。

こういう下げ方は原油先物をやってると結構頻繁に出くわす下げ方なんだけど、原油なんかは完全に需給で下げるわけだから、そういう意味からすれば、今の米国三指数って需給で下げてると思わざるを得なくて、それも日を追うごとに悪化してるという形だから相当に警戒する必要があるんじゃないかと。

日経辺りはブラックマンデー当時に状況が似てるなんて書き方をしてるらしいけど、その根拠は金利急騰と株高が共存する形になってたから、と言うのだけど、個人的にそれは正しい見方だと思うんでよね。だからと言って月曜に相場が暴落するとは思わないけれど、金利高と相場高は相反する要素であって、昨年10月辺りから米国市場は反転上昇に転じたことの意味は?というと消費が強いこと、雇用が強いこと、という2つのファクターに企業業績がまぁまぁついてきていたという事になるけれど、今年の8月以降は米国経済に対する警戒感が出てきてる。

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FRBも財務省もしきりにソフトランディングを強調していることも見逃せないんだよね。特に財務省のイエレンはさしたる根拠もナシに単にソフトランディングすると言い切ってる。FRBの地区連銀総裁達はマチマチだけど、長期金利が上昇するからFRBがこれ以上利上げしなくてもいい、という無責任な発言をする総裁までいるんだからね。いくら長期金利はFRBの制御下ではないとは言っても、だとすれば今の長期金利の上昇はメチャクチャ不自然なわけだから・・・。

そのことを指して、バンカメ辺りは米国債不安と言い出してるけれどね。バイデン大統領はウクライナとイスラエル支援に15兆円とか予算請求してるし、そういうことを見ても今は下院議長が決まらなくて、予算どころじゃないにもかかわらず、相変わらず大型予算を通そうとするわけだから、仮に11月の期限までに予算成立したとしても、その後にはハイペースの国債発行が待ってるわけで・・・。

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第一、下院議長がきまるのか?という根本的な問題も含めて、マーケットは逆イールドの解消を想定しているのかもしれないと思うんだよ。そうなると、当然10年物国債金利は今の2年債の水準からして、6.000p以上を計算しないといけない。ただこの水準は米国経済がアウトという水準であるとともに、金融システムもアウトの可能性が濃厚な水準だから、それを警戒するのはもっともなことだと。

それはかなりヤバイことで、どこかで警戒感が一気に株式市場を揺さぶるというのは、十分すぎるほど可能性がある。それがブラックマンデーだとは言わないけれど、でも可能性はしっかりと頭の片隅に留め置かないといけない付箋だろう。

そこで注意しないといけないのは株式市場においては需給の悪化だと思うんだ。NASDAQとS&P500は下げ幅拡大で直近下値と面合わせ、ダウは金融の好決算でとどまってはいるものの3日続落と需給はすこぶる厳しい状況になってる。仮にここを割れてくると今年6月以降の買い玉は全て含み損になるわけで、3月に一度は底を付けているけれど、同時にそれは今年の買い玉の大半が含み損になるという事でもあるからね。

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問題はもしも割り込んだ時、押し目買いが入るのか?ということ。押し目買いが入る前程と言うのは、先高感がある程度あるのか否か。ダウにしても$1000くらいは簡単に落ちるからねぇ・・・。とにかく金曜の下げは、下げ方が良くなかった。一旦は戻ろうとしたけれどそれを全消ししての下げだから。

その分を日経CFDは喰らったってことだと思う。で、日経平均で言うと9月は海外とGPIFが爆売りして10月(今月)は海外が配当取り後の買戻しと証券自己の配当取り後の売りで需給は拮抗しているように見えるけど、9月に個人が思い切り買ってて10月も買い越してるのが気に入らない。みんなアノマリーを信じてるみたいだけどね。

というわけで、10月の海外勢の買い越が、株主名簿に記載されたくない買だとすれば、足腰は強くないしね。ここらで売り仕掛けられたら日本株は強いと言ってられなくなるかも。何だかんだと言いつつも日本株は米株と連動するからなぁ・・・。

なので、このところの下げが、中東情勢の影響ではないとなると、話は俄然怖くなると思うんだよねぇ・・・。