日本株のサプライズ・シナリオを予想してみた

ではなぜそんなことを考えているかと言うと、やはり曲者なのは米国金利とドル円なんだよね。まぁ、素人考えなんだけど、2月の第二週金曜というと決算発表の後半の山場なんだよね。だからそんな時に、グチャグチャ仕掛けてくるのか？というと普通はそう考えないのだろう。けれど、何も根拠もなくてそういう推測をしているわけでもなくて、ここまで地合いが混沌として矛盾をはらんでくるともう何があってもおかしくないという、疑心暗鬼が膨らんでくるし・・・。

まず、今米銀の状況が極めて悪いです。特に中小なんだと思うけど、去年のSVB破綻の時よりもはるかに銀行の財務は脆弱になってるのは間違いない。それを救済して金融システム不安を防止しようとしてFRBは、BTFPという国債担保の緊急貸し出し制度を大慌てで作った。その貸出金額が半端なく上昇しているのは、次のグラフを見ればわかる。これは累積ではなくて週単位の貸出金額で、直近の週では約2400億円の貸し出しになってます。

FRBはこの3月11日にBTFPという制度が完全に終了と発表していて、それまではこの貸し出しペースを落とすために徐々に貸出金利を上昇させますと発表している。つまりもうこれ以上借りてくれるな、と言ってるわけで、そうなると銀行は不足しているキャッシュを何とかしないと、経営が成り立たなくなるので残りの手持ち債券を市場で売却することになる。

ここがマーケットがFRBの3月利下げ開始を予想している根本的な理由だと分かる。要するにすでに1年間で90兆円もの貸出を続けてきていて、毎週2400億円足りなくなっていて、このキャッシュ不足を埋めるためには債券を売るしかないけれど、それってSVBの時と全く同じ状況ということ、つまり今の金利水準からすると完全に逆ザヤで売るしかないということになる。勿論担保の国債は売れないのでFRBにとっては担保割れはないけれど・・・。

3月11日までに徐々に金利を引き上げると、国債金利は上昇するだろう。そしてもしかしたらそれまでに銀行は一定額（必要額）の国債売りに出るかもしれない。仮にそういう行動に出るとすれば、2月SQまでにドル円はもしかしたら￥150オーバーと言う事にもなりかねないんじゃないか？日本企業の決算も思ったよりは良くないかもしれないけれど、それでも悪いということもないだろうし、日経平均EPSは何だかんだと上昇傾向かも。

現時点では日経平均は調整局面になっていて、どれほどの深押しになるのか？と身構えてる投資家が多いみたいで、実際にTOPIX入れ替えなど月末のリバランスも想定されているから、週初は弱いかもしれないけれど・・・。なんかこういう状況って海外短期筋がSQに向かって買い仕掛けをするにはもってこいなんじゃないか？と言う気がしてきた。

日経CFDが金曜に￥122戻してるのも気に入らないしね。

1月SQのあの値動きでは、国内証券は独立系も銀行系もほぼほぼ（野村以外）大きな損失になった。もう外資に根こそぎ持っていかれたわけだけど、今のこの雰囲気からすると、またまた同じ罠に嵌るんじゃないか？って言う気がしてきた。もちろんオプションだけでなく現物株市場だって、ショートで大きなポジションなんか建てていたら、今度こそ大火傷しかねないという可能性も十分にあるんじゃないかって思う。

ということで、個人的には今の押し目は思ったより浅くて、日経平均株価は節分天井じゃないけれど、「2月SQ天井」くらいに考えておいた方がたとえ間違ったとしても大怪我しないで済みそうな気がするんだよ。なんとなくだけど、押しても￥35,000～￥35,500止まりで、ドル円が￥148.152まで来てることを考えるとこれ以上押さないということもあり得るわけで、狙いはバブル高値とか￥40,000とか、あり得ない話ではないと感じてる。

そうなると米国市場はいいところまで来てる（または天井！？）と思うし、3月に向かって徐々に下落するような動きが出始める。日本株はこのシナリオが正しいとするならば、高値を獲った後に急落と言うことになるかもしれない。今度こそ2月SQは「幻のSQ」になることになる。

ちょっと頭の片隅にこのシナリオを入れておいてもいいんじゃないかな？