米国1月PPIとNVIDIA決算期待と・・・

米国1月PPIとNVIDIA決算期待と・・・

昨夜の米国市場はPPIの上昇に伴って、僅かな押し目を作った。それに対応し日経CFDも上げ幅に比較して申し訳程度に▲¥242と押したことは押したという格好・・・。この程度の押し目は、ノイズにもならないほどだ。

22:30 (米) 1月 卸売物価指数(PPI) [前月比] -0.1%
(-0.2%)
0.1% 0.3%
22:30 (米) 1月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比] 1.0% 0.6% 0.9%
22:30 (米) 1月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前月比] 0.0%
(-0.1%)
0.1% 0.5%
22:30 (米) 1月 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く) [前年同月比] 1.8%
(1.7%)
1.6% 2.0%

1月CPIに続き1月PPIも予想外に大幅上昇となってしまい、インフレは下げ止まり反発の気配になっている上に、原油価格の上昇傾向もあって、本来であれば極めてネガティブなニュースのはずなのだが、大した押し目にはなっていない。

これが週末の米国市場模様だったけれど、市場はそんなことは微塵も見ていない感じ。見るのはただ一点、水曜のNVIDIA決算だけなんだよね。PER400倍台のこの恐ろしい銘柄が、今回どんな決算を出してくるか。今の市場を支えてるのは、ただひたすらに生成AIを筆頭とする先端半導体と、莫大なデータベース拡張のためにデータセンター拡張需要にかかってるからね。

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いま、AIの未来を語る人は大勢いて、チャットGTPのアルトマンとか時流に敏感な孫正義とかが、大規模かつ積極投資に乗り出そうとしてて、自動車、コンピュータ、ネットテックと続いてきた時代の主役の座を奪おうとしてるよね。半導体業界は生成AI用の先端半導体の開発に現時点ではしのぎを削ってて、もやは従来型半導体ではなくて、ダイヤモンド半導体のような決定的に構造の異なるGPUが必要になってくるという事。

いまのところ従来型ではNVIDIAの天下で、AMDでは力不足という状況。だから圧倒的な引き合いを背景に今回NVIDIAが何処まで業績を伸ばすのだろう?っていう期待があるのは当然だ。

NVIDIAと言えば昔からTSMCに生産委託しているファブレスメーカーなのだから、泣いても笑ってもTSMCの清算キャパ以上は販売できないんだよ。なので、供給が限定されている分だけ価格も暴騰しているという好循環がある。先日アーム株が大暴騰したけれど、アームもまたファブレスメーカーで研究開発や設計が主な業務と言う点で、NVIDIAと同様という連想が働いたのだろうけどね。いまのNVIDIAは1個300万する生成AI用のGPUに対して万単位で注文が入るという恐ろしいビジネスになってます。

AIと言えば膨大なデータ解析やデータ蓄積によって最適解を導き出しす、と言う時代から学習機能を能動的に持たせる時代へと移行しつつあり、その次はまるで意思を持つかのように判断を下すという疑似的な価値観を持つ世代に移行する。その時には量子コンピュータのような次元の違うキャパシティが必要とされるけれど、いまはNVIDIAのGPUが最も拘束に情報を処理し、生成するような、過度的なGPUが大量に必要というわけだ。




でもこれも過渡期の一面にしか過ぎないわけで、何れは個々のクライアントPCに生成AI機能を搭載する方向も出てくるはず。そのステージではアームも非常に有力な企業になる。けれど結局のところNVIDIAはいまのGPUの能力を格段に引き上げる方向なんだと思うし、そうなるとGPU1個で1億円などと言う時代が来るかもしれない。というか株式市場はそう読んでるからこそ、PER400倍台まで買われてるという事だろうけどね。

そうした目論見も含めてNVIDIAの決算は全世界のマーケット関係者が固唾をのんで見守ってるんだろうね。けれど流れからして今回NVIDIAがどんな決算を出そうとも、恐らく市場はノイズ程度にしか見ないと思う。個人的には夢をみたり、将来を語ったりすることは、良いことだと思ってるので、投資家が熱狂するのはよく分かる。

でも実際の物づくりは・・・、例えばTSMCの場合でも、対応した先端半導体を作るのは極めて困難な仕事なんだよね。さりとて他社が急激に先端半導体を作る技術やら投資が出来るとも思えないし、そうなると、インテルのCPUモデルと同じように毎年僅かな性能アップでバージョンを更新するという苦しいビジネスにも陥りかねない怖さはある。いまインテルがダメなのは長年そういうビジネスに胡坐をかいていた結果なんだと思うし。

はたしてそういうビジネスモデルを良しとするか否か、つまりNVIDIAの売り上げが毎年20%成長でいいのかどうか、そろそろそういう視点で判断されてもいいような気もするけどね。エレクの製造装置でもアドバンテストの検査装置でも、PER40倍台だからね。やはり半導体は結構バブってると言えるのかな。

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