植田新総裁就任会見:金融政策決定会合が2回あるも同然!?

植田新総裁就任会見:金融政策決定会合が2回あるも同然!?

これは全く予想できなかった!いやいや参った。昨日の俺の売りポジションは全滅だ。同時に明日の米国3月CPIに対する予想も一段と難しくなってきた。これね、もしも明日米国がCPIを受けて軟調に動いたとして、それでも日本株が凌げたなら、これはもう米国企業業績とのの比較論になってくるのでね、日本株独歩高の目も出てきちゃったかもしれない。

米国市場はこれはもう5月の0.250p利上げを織り込み始めてるし、そうなったら米国経済の状況はますます悪化するだろう。米国債金利は一転して上昇に転じているし、それは米銀の含み損を一層増加させることになる。今夜きっちり見ておかなくてはいけないのは、仮想通貨がさらに急上昇を始めてること。これって、銀行預金金利が上がらずにインフレに負けると思った個人投資家が、仮想通貨を買い始めてるという意味だと思うんだよ。とうとうビットコインは390万を突破した!

米国の雇用が堅調だからという理由らしいけれど、だって4月の雇用統計の発表は5月FOMCの後なんだよ。ここで仮に大きなミスが出たら、米国市場は一気に急落するかもしれない。で、そうなったときがリセッションの本格的な起点になる気がするんだよ。セルインメイでもあるし、これは決定的になる。

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一方何が予想できなかったと言って、昨日の植田日銀総裁の就任会見で、YCC維持、マイナス金利維持、当座の付利維持、という現行の黒田路線(量的・質的金融緩和)が妥当であるとしたこと。この就任会見は日銀の金融政策決定会合を待たずに当面は、現状の金融政策を維持すると宣言したことになる。

もちろんその裏には、植田ー岸田会談があって、新年度予算が成立して今後は着々と増税を目論む岸田首相が、金融緩和路線の継続を望んだからという意味もあると思う。岸田首相がその意味を分かっているわけではないので、植田総裁は財務相の意向と受け取る。

米国が5月利上げを織り込んで、日本は金融緩和路線維持、となればこれはもう鮮明に日米金融政策が真逆の方向のあるというインパクトを持つ。だからこそドル円は一気に¥133.6~¥133.8と急激な円安になった。そしてこれが日経平均CFDを上昇させるエンジンになってしまったと言うことだよ。

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【植田日銀新総裁就任会見語録】

〇現在の大規模な金融緩和について「続けていくのが適当だ」

〇さらに緩和が必要な場合には、「副作用に配慮しつつ持続的な枠組みを探っていく」

〇「物価の安定というミッション(使命)の総仕上げに努力していきたい」

〇持続的、安定的な物価上昇率2%を目指す考えも示したが、「そう簡単な目標ではない。有限の時間内で達成する強い見通しは申し上げられない」

〇短期金利マイナス0.1%、長期金利0%について「副作用が目立っているから導入がまずかったという結論にはならない」

〇日銀が20年以上にわたって金融緩和策を続けていることを念頭に、「全体を総合的に評価して、今後どう歩むべきかという観点からの点検や検討があってもよいかと思う」

〇岸田ー植田歓談について「考え方は適切で、直ちに見直す必要はないという点で一致した」

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結局経済学者として今以上の手法は見当たらないというスタンスなのだと思う反面、物価安定はいいけれど、雇用に言及しないのはちょっと解せない。2%のインフレターゲットの論拠が「雇用の安定的最大化」にあるはずなのだから、期間ばかりに拘っていても仕方ないんだけどね。

そしてこの会見の内容ってFRBパウエル議長とは真逆の内容であることは言うまでもないし、問題は外資がこれをどう受け止めたかってことになるよね。米国はあれだけ2月、3月の景気指標が悪化してて、その割に雇用統計が強かったという理由だけで5月利上げが織り込まれるというのもどうかと思うしね。それだけに明日のCPIは本当に重要になってきた。CPIが明確な低下を示せなかったら5月利上げは決定的だろうけど。

あ~あ、これじゃ日銀政策決定会合が2回あるのと一緒だな。

今日はとにかくロスカットするしかないと思うし、後は金融株がどんな反応をするのかなって事。ファストリ、ソニーはボロボロだろうし・・・。いやいや、参ったよ。