日本市場、半導体、買いは続くよ何処までも!?

日本市場、半導体、買いは続くよ何処までも!?

この週末は・・・「今の株価上昇はバブルなんかじゃない!」という意見やコメント、「何処何処の有名人がバブルじゃないと言ってます」みたいな記事が多くなってきたけどね。今日なんか、あのブリッジーウォーターのレイ・ダリオまでが、高すぎるとは思わない、と言いだしてます。

株価が上昇してくると、みんな一様に夢を見るようになる。はっきり言ってポジショントークになるんだよね。恐らくみんな大なり小なり買持してるんだろうなって思ってしまいます。一方弱気派の意見はほとんど取り上げられなくなってきて、さわかみ投信の設立者である澤上篤人氏なんかは「バブルで危険」とはっきりコメントしてますけどね。澤上氏は長期投資家なので、その視点から見ると今の株価上昇確度は非常に危険と感じているのだろうと思うけど。

株式相場が上昇すれば、ポジションのある人はみんなハッピーですよ。気分的にハッピーになれる。でもそれは気分だけ。実際には換金してナンボなんだけど、夢見心地は長く続いてほしいという願望があるので、なかなか売れません。

日経平均は半導体バブル!?

週末の日本株CFDは、¥40,174と現物からさらに¥263上昇して終わってるので、PER16.91まで来てます。この調子ならPER17.0は越えるかもしれないなぁ・・・なんて誰でもが考えるのは当然です。ちなみにPER17.0だと日経平均株価は¥40,375とかなりいいところまで、と言う感じだけどね。

この日経平均株価の上昇の裏付けは?というと、いつも書いてるように日経平均寄与度の高い銘柄が買われることによってもたらされてるってこと。日経平均構成比率は、

1位 10.8% 9983 ファストリ    PER43.9 PBR7.23
2位 6.4% 8035 東京エレクトロン PER52.3 PBR11.36
3位 3.9% 6857 アドバンテスト  PER81.5 PBR13.07
4位 3.6% 9984 SBG       PER   PBR1.34
5位 2.9% 6367 ダイキン     PER23.7 PBR2.53
6位 2.8% 9433 KDDI        PER14.0 PBR1.84 
7位 2.6% 6954 ファナック     PER34.4 PBR2.57
8位 2.4% 4063 信越化学     PER25.3 PBR3.09
9位 1.9% 4543 テルモ      PER41.9 PBR3.62
10位 1.8% 6762 TDK       PER25.2 PBR1.88 

上位10社はこんな感じ。まぁだいたい想像できるけれどね。そして日経平均株価が大きく上昇するときには当然構成比率上位銘柄が、バシバシと買われることになる。事実3月1日大引け時点での日経平均寄与度はこんな感じだった。

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1位 8035 東京エレクトロン PER52.3 PBR11.36 ¥150.85
2位 9983 ファストリ    PER43.9 PBR7.23 ¥110.89
3位 6857 アドバンテスト  PER81.5 PBR13.07 ¥55.68
4位 4063 信越化学     PER25.3 PBR3.09 ¥32.80
5位 9984 SBG       PER   PBR1.34 ¥23.38
6位 6098 リクルート    PER27.4 PBR4.98 ¥21.68
7位 6762 TDK       PER25.2 PBR1.88 ¥17.18 
8位 6954 ファナック    PER34.4 PBR2.57 ¥12.99
9位 4543 テルモ      PER41.9 PBR3.62 ¥11.72
10位 6920 レーザーテック  PER75.1 PBR30.75 ¥11.32
11位 4519 中外製薬     PER   PBR6.18 ¥10.89
12位 9735 セコム      PER25.1 PBR2.00 ¥10.66
13位 7203 トヨタ      PER11.0 PBR1.52 ¥9.82
14位 4704 トレンドマイクロ PER30.2 PBR4.94 ¥9.59
15位 7735 スクリーン    PER28.8 PBR5.65 ¥9.12
16位 6758 ソニーG      PER17.7 PBR2.23 ¥8.99 
17位 6971 京セラ      PER31.5 PBR1.00 ¥8.92
18位 2801 キッコーマン   PER37.9 PBR4.22 ¥8.79
19位 3659 ネクソン     PER   PBR2.39 ¥8.46
20位 6988 日東電工     PER20.0 PBR2.11 ¥8.33
21位 4901 富士フイルム   PER17.4 PBR1.32 ¥8.06
22位 7741 HOYA       PER42.1 PBR7.93 ¥7.49
23位 6367 ダイキン     PER23.7 PBR2.53 ¥6.66
24位 7832 バンダイナムコ  PER19.9 PBR2.79 ¥6.44
25位 8058 三菱商事     PER14.2 PBR1.55 ¥6.29
26位 9107 川崎汽船     PER17.4 PBR1.21 ¥5.94
27位 9766 コナミ      PER27.2 PBR3.41 ¥5.83
28位 6506 安川電機     PER32.1 PBR4.33 ¥5.79
29位 8031 三井物産     PER10.6 PBR1.42 ¥5.33
30位 7267 ホンダ      PER9.10 PBR0.73 ¥4.70

株価上昇で日経平均寄与度上位30社と言うわけだ。言うまでもなく先週末の日経平均株価は¥39,910で¥744.63上昇したわけだけど、そのうち上位3社で¥317.42、上位5社で¥373.6を占める。

また現在の株価は、寄与度1位エレクの株価は¥38,380で今後52.3年分、2位ファストリ(¥44,370)は43.9年分、3位アドバン(¥7,119)は81.5年分の純利益を織り込んでる水準まで買われてるということになる。ちなみに現在のNVIDIAのPERは69倍、PBRは47.9倍なんだけどね。



半導体買いをファストリで煽る!?

そもそも、前回のバブルの時には日経平均がPER60まで買われたってことだけど、まだ日経平均はPER17までしか買われたないからバブルじゃない!?っていうのは、この上位3社の買われっぷりを見ると違和感がある。比較論は意味ないけれどちなみに人気のS&P500の2024年末の予想EPSは248~260ドルらしいので、現状はPER20.7~19.75だからPER20前後というところらしい。

こういう特定銘柄が牽引してる日経平均株価というインデックスがどれくらい正当性があるか?というと、もちろんそれは見方に寄るけれど、今の日経平均株価は「半導体バブルに乗じて半導体関連とファストリを使った吊り上げ」ってことだよね。なぜ「吊り上げ」と言うかと言えば、アパレルのファストリが買われてるから。なぜ買われるかというと日経平均構成比率が高いからとなる。その上、ファストリは日銀やGPIFがETF買いでシコタマ玉を押さえているので、浮動株がほとんどない。そういう浮動株は恐らく外資が相当に抑えているだろうからね。(こういうからくりで、柳井氏は世界の大富豪になってるんだけど。)

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余談になるけれど、「半導体」ということを考えると、青色の信越化学、スクリーンは他銘柄と比較してまだ安いと言えなくもない。けれど信越は半分以上は化学だから厳密には言えないけれど。それと緑色のトヨタ、商事、物産、ホンダは異常に安いけれど、商社と自動車はそれぞれ、背景があるから買われないんだね。商社はバフェットが買っても今のところここまでだし、自動車はEV懸念もあって将来不安が払しょくできずにいる、と言う事かもね。

その他225主力の中には全く変われてない銘柄も多いし、割安放置の銘柄も多数ある。バブル相場になれば、なるほどそういう銘柄も「安い」というだけで容赦なく買われるんだろうけど、そうなってはいないからバブルじゃないとも解釈できるとは思うけど。

けれど今の日経平均の前提は「半導体」と「ファストリ」だってことは覆せない。ファストリの硬直性だけは如何ともしがたいけれど、やはり半導体が売られたら日経平均は持たないよね。半導体人気が続く限り、米国発の金融危機も跳ね返すかもしれない。じゃそんな半導体に、生成AIに死角はないのか?というと、これがそうでもないんだよね。

米国企業トップは持ち株を売りまくり!?

そういう情報を知ってるというか、可能性を見てる米国テック企業のトップとかは持ち株を売りまくってる。マスク、ベゾス、ザッカーバーグ等々軒並みだ。バフェットとか、JPモルガンのジェイミーダイモンとか、投資家や銀行トップも悲観的だ。何故!?

マクロソフトは生成AIの覇権を狙ってGOOGLEと凌ぎを削ってるけど、水面下では生成AIがどんなデータベースをどれだけ集めて使っているのか、またどういう意図をもっているのか、米国当局が相当警戒しているんだよね。それで、大手に対して生成AIに関するデータベース情報の提出を求めてる。もちろん日々、生成AIに関する通常ではあり得ない稚拙な結果が報告されていて、それはつまり、情報の変更が非常に大きいことも意味しているからだ。生成AIは万能、みたいな空気が漂っているけれど、ちょっとどうなんだろう?と感じるしね。なぜならAIの解答は人の心を大きく左右するからね。

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もう一つ、NVIDIAという企業はもちろん米国企業なんだけど、中国系の創業者が中国系の資金を使って米国に上場した企業でもある。CEOのジェンスン・ファンは台湾系で米国籍を取得した人物だけど、資金的な繋がりはもとは中国です。だからこそ、米国商務省がNVIDIAに対し先端製品の中国への輸出規制をかけているけれど、NVIDIAはスタンダードと偽って輸出を続けている。なぜなら中国資金を使って大きくなった関係上、断れないからだ。GPUの作動ソフトを書き換えることで先端品になるという仕掛けまで作って・・・。

ではなぜ米国当局が対中規制に躍起になっているかと言えば、米軍の維持が難しくなってきてて、これ以上中国に先端兵器開発をされたくないからです。言うまでもなく米国は、もはや財政的にこれ以上軍事予算を増やせないところまで来ていて、ウクライナ、イスラエルに肩入れした関係でミサイルや弾薬さえもままならなくなっている。その上兵士の人数は年々減少していて、その上でいやでも中国を抑え込まなくてはいけない状況・・・。

生成AIで最も怖いのは軍事兵器への転用であって、今後は無人兵器が山ほど開発されることになる。そしてすでにドローンや戦車、歩兵なども自律型兵器の目途はほぼついている米国で同じような兵器を中国に開発されることが一番嫌なわけです。

なので規制破りを行ってるNVIDIAに対して何らかの沙汰があるという懸念があるみたいだよね。米国としてはやはり、NVIDIAよりもINTELやAMDなんだと。自動車の自動運転も有望だけど、同時に軍事兵器はとんでもないことになるだろうからね。イーロン・マスクがNVIDIAの大口顧客だということも気になるんだけど・・・。

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やはり半導体バブルでしょ!?

と言うわけで、今の生成AIや半導体はまだしも、NVIDIA祭りが何事もなく行くとは考えられないんだよね。そうなると株式市場を吊り上げるネタが無くなってくるしね。その上景気が悪化してくるならば、株は買えないし、大企業トップが今のうちに売っておこうと思って当然なのかもしれないね。

長くなってきましたけど、今の相場は単純に生成AI・半導体バブルなのであって、PERを何処まで容認して買うか、だけの相場だと思う。そういうことをアナリストや評論家が意識してるとは思えないけどね。

あと2年もすればトヨタがPER30かもしれないけどね(笑)

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