日本社会:既得権を宙吊りにすることの意味
- 2024.03.30
- 放言
昨年の自民党パー券問題が、裏金疑惑に発展し、東京地検の捜査を受けて、自民党の政治家たちは、政治資金報告書の訂正によって、「禊」は済んだと思ってる。その後の政倫審とか国会での追及とかはのらりくらりかわせばいいということ。議員も支持者も「喉元過ぎれは熱さ忘れる」という言葉通り、恐らく従来から脈々と肘されてる既得権構造が脅かされることなどあり得ないと思ってる。
いくら世間が騒いでも、一回総選挙をやれば、「国民の信任」という御旗もとに何もかもが水に流されるというのが、政治の世界だろうし、結局はごたついたところで何も変わらない、と思っているのはまず間違いない。
衆議院、参議院の予算委員会の中継と見ていても、とにかく野党の追及が甘すぎる、というか頭が悪いのか、勉強不足なのか、はたまた自分も同じ穴の狢ということなのか、本当に国政を正そうという気概が微塵も感じられないよね。国会は「言論の府」とか言うけれど、本当に、真剣にやろうとするならば、時として罵り合いや乱闘になることだってあるだろう。
「途上国じゃないのだから」と言われそうだけど、何言ってるの?日本はもやは途上国だよ、と言い返したくもなる。特に政治支配や官僚支配と言う点では、もはやG7各国ともにまともな民主主義なんかはとうの昔に崩壊してます。それが去年から今年にかけて、一気に表面化し始めたのが日本と米国だという事。
と言うか、とにかく昨今の米国は本当に酷いことになっていて、それは新型コロナのパンデミックや前回の大統領選挙で、一気に暗部が噴出した形で、もうちょっとこのままでは修復の仕様がないというところまで来てしまった感じ。
そしてその壊れた民主主義下の米国に盲従してきた岸田政権も、昨年のLGBT法から、いやそれ以前に首相就任当時から新しい資本主義という造語を駆使して、所得倍増計画を打ち出したときから、その一月後には金融所得課税を打ち出して馬脚を現したことで、こいつは財務相の犬ならず、奴隷だなと思った。そして半年後には取得倍増計画が資産倍増に置き換わり、新NISAを餌にして国民の注意を引き付け、増税のやり放題。その挙句にLGBT法だった。
以来今日まで岸田政権は何一つ、国民のための政治をしてこなかったと断言する。何も変わってないし、可処分所得は減る一方。自らが外務大臣だったことを誇示するかのように、日本の財政を海外にばら撒きまくり。三菱重工製のパトリオットは米国を経由してウクライナに供与され、ロシア兵を殺害するために使われる。パトリオットはもともと米国からライセンス供与された兵器にもかかわらず逆輸出するってどういう意味なのか?そんなことは追及しなくても容易に想像できる。
日銀は金融正常化の名の下にマイナス金利を廃止して、ついでにYCCとETF買を撤廃した。これで世間では、日本はようやく経済正常化に向かって動き出す、と歓迎してるけれど・・・。日銀はインフレファイトのために金融政策変更をしたわけじゃない。日本のインフレは円安によるコストプッシュインフレなのだから、本来ならばゼロ金利にしました、と自慢してる場合じゃなくて、米国債を売却するとか、金利をプラスに誘導するとか、そうした根本的な金融政策でないと意味がない。
問題はそうすることで腰折れてしまう日本経済のぜい弱さにあるのであって、その要因は間違いなくG7各国と比較して断トツに高い国民負担率にある。そういう政策を続けてきたのが政権であり財務省であることは言うまでもない。
日本の生産性はアセアン諸国の中でも極めて低いと言われるけれど、そんなくだらない話はこれ以上持ち出す必要もないはず。なぜならば、すべてはドル換算をしての統計だからだ。異常な円安が続いている限り、日本の生産性は低下し続ける。でも、実感としていまでも世界最高水準のインフラを持ち、サービス基準をほこる日本の生産性が低いはずがない。そういうことは低生産性の下では絶対に実現できるものじゃないからだ。様々な意見はあるけれど、医療サービス、介護サービスの水準は断トツで世界一です。
けれども、そういうことは勤勉さや責任感も含めた国民の努力によって実現していることなのであって、その強固な基盤があることが分かっているから、政治家や官僚は出鱈目放題をしてる。多少国益を損ねても、保身の方が大切なのであって、親中でも親米でもやって懐を肥やしておいて次期選挙に勝利することが第一義的な目的になる。
けれども、自民党は余りにも出鱈目をやり過ぎた。財務省の政治支配も政治が崩れたら機能しなくなる。そうなったら、日本中の既得権者は、既得権防衛に必死になって、信じられないことだけど、自民党を従来よりも強力にプッシュし始める・・・。
と言うことは、もはや日本全体が既得権の塊のようになってしまってるということ。企業はもちろん、農林水産業も、既得権の塊となっている。田舎でも下水に使われるどぶ川にさえ水利権、漁業権がついている。そうした既得権の上にさらに狂った政治家が、ソーラーパネル義務化とかEVだけ、とか言い出すし、新たな利権を生み出すことしかやらないという、狂った行政。
こんな国が変わるには、もやは革命しかない、という極論さえ現実味を帯びかねないよね。
ただ、少なくとも、まずは自民党をなんとかしないと足がかりが掴めない。いずれある総選挙で国民の怒りをぶつけないと。既得権なんか関係ないという国民一人一人が意思表示することから始めないとね。立憲や国民民主、維新、共産、みなだめだということではなくて、まずは大連立でもしなければ政権ができない、くらいのカオスを作り出すことが重要なんだと思う。票が偏らないで、バラバラでいいから、政治的なカオスを作り出すことが最も重要なんじゃないかな。
そうなってくると既得権の守護政党が無くなるからね。
別に俺は左翼でも極左でも、もちろん右翼でもないけれど、既得権を宙吊りすることが最も重要と考えてます。
-
前の記事
後場の落とされ方が気になる週末の日本株:3月29日(金)前場・後場 2024.03.29
-
次の記事
日本市場は短期トレンド転換か!?:4月1日(月)前場 2024.04.01