遂にイランの報復攻撃が開始された!
- 2024.04.14
- 世界情勢
やはり予想通り・・・遂にイランがイスラエルへの報復攻撃を開始した!中東は強度の緊迫状態に陥ったと言ってもいいし、同時に世界経済への影響は計り知れない事態となった。
この局面は我々日本人が考えているよりも、遥かに深刻な事態だと思う。今日本での論点は、昨年10月7日の音楽フェスでのハマス・テロを起点とし、ハマス支配下にあるガザ地区におけるイスラエルの報復侵攻を議論するものばかり。けれども、何故ハマスが音楽フェスでイスラエル人を標的にテロを起こしたかを見ないと話しにならないはずなんだ。
イスラエルは国連の分割決議によって決められたエルサレム周辺のパレスチナ自治区に対し、常に入植と称した占領を拡大し、パレスチナ人を排除しようとしてきた。イスラエルの成り立ちからして少なくともパレスチナ人自治区を尊重することが最低限の義務のように感じるけれど、結果として現在はガザ地区とヨルダン川西岸地区と呼ばれる地域を占領しようとしている。つまりパレスチナ自治区を排除する動きを継続していたわけで、そこにはパレスチナ人の数々の悲劇と犠牲が長年にわたって続いていたんだよね。
ハマスがパレスチナ自治区のPLO(パレスチナ解放機構)の流れをくむファタハに対抗する政党から、過激な武装集団に変貌していったのは、様々な議論があるにせよ、イスラエルの武力による入植侵攻に対抗することが目的だった。昨年の音楽フェスのテロ直前まで、イスラエルは入植による占領を継続していたわけで、住民(パレスチナ人)に対し問答無用で追い出し、抵抗すれば虐殺するという行為を繰り返していたんだよね。
その流れのなかで、起きたのが音楽フェスでのテロということになると見ないといけない。そして音楽フェスでは、ハマスよりもはるかに多くの人命を奪ったのがイスラエル軍であった事実や、最近ではガザ地区における民間人犠牲者が3万5千人に迫る、という報道もほとんどされていないことが、問題なのだと思う。
イスラエルが軍事力でパレスチナ自治区を奪おうとすれば、軍事的にはるかに劣勢のパレスチナ人は、テロに訴えるというのは、むしろ当然のことで、ヒトラーが侵攻したフランスでレジスタンスがあったのは誰でもが英雄視しているよね。理屈は同じことなんじゃないか?
イスラエルは米国の同盟国であり、西側諸国はイスラエルを支援する立場をとる。一方イスラム諸国は、パレスチナ人を虐げるイスラエルに対し反感を持つ。そして双方ともに莫大な軍事援助、資金援助をするから、ますます情勢が拗れてくる。
以前このブログでも書いたけれど、サウジとイランの国交回復は、まさに歴史的な転換点であって、中東のイスラム教徒間の対立(シーア派とスンニ派の対立)は、両大国の国交回復によって一応沈静化したけれど、イスラムの矛先はイスラエルに集中することになったと思う。
イランはイスラム革命を標榜し、イスラム革命防衛隊を組織してイスラエル排除を目指す。一方イスラエルは昨年からイランの核保有を警戒してイラン本土の爆撃を周辺各国に公言していた・・・。
それだけ考えても、今回のイラン報復は中東情勢を極めて危険な状態に追い込むことになる。金融ジャブジャブで拝金主義に染まった世界は、事態の重大さに気付かされることになるんじゃないか?と思ってます。
相当ヤバイですよ。
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