日本保守党大敗!選挙戦略が間違っていたかも

日本保守党大敗!選挙戦略が間違っていたかも

日本保守党が結果として大敗した東京15区衆院補選。国政選挙初陣で、負けたことは、保守とは言いながら、ポピュリズムをバックに戦った選挙戦であったことや、小選挙区での選挙戦で「日本を守る」というビッグ・シューを全面に押し出した選挙戦略は選挙民にとっては大き過ぎて消化しきれなかったということだと思う。

普通に生活をしている人達にとって、既存政治を改革する、日本を守ると力説しても、響かない。ベストセラー作家と政治ジャーナリストという知名度で集めた党員がいくら多くても、それはYOUTUBEのチャンネル登録者数と大きな違いはなく、百田氏、有本氏は小選挙区での選挙戦略を考える前に、知名度で押し切れると過信していた側面もあるだろう。

今回の15区補選を見る限り、有権者は立候補者を見て投票などはしていない。まして立候補者の掲げる政策を見て一票を投じているわけでもない。多分、有権者は相当に賢いし、もっと言えば「自分にとって有利な政党を選んでいる」という事なのだと思う。

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自民党は裏金にまみれて淀んでいる、と考えるよりも「増税ばかりで生活がきつくなるばかり」という意識が、最大野党である立憲民主党を選ばせる。岸田はだめだから、飯山陽を選ぶ、という投票行動はしない。自民党を一つの政治家の塊とみて、代替勢力の立憲民主党に入れた。

さらには楽しいGWの初日に投票へ行くなんてあり得ない、という有権者もいただろう。政治家になろうという人のためにわざわざ時間と労力をかけて投票所に足を運ぶことに、休日のプライオリティはないんです。候補者がマイクを片手に大音量で街宣して政治批判、裏金批判を繰り返すことは、普通に生活をしている人々、普通に仕事をしている人々、一般住宅やマンションはもちろん、飲食店でもオフィスその騒音に辟易しているに違いない。

若いお母さんは、やっと子供を寝かしつけた途端に、街宣がきて子供が泣きだしたりすると、子育てを投げ出したいくらいの気持ちになるものだ。当然で子育てというのは、本当に大変な仕事であって、大音量で子育てを支援します!と言われても「いい加減にしてよ!」と叫びたくなるよ。だから「不利な政治団体」を強調しながら街宣しまくった日本保守党よりも静かに選挙運動をした須藤元気氏の方が得票が多かった。

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議員報酬が高すぎるというのなら、私が当選したら1/3で結構です、と言えなかったことにも矛盾を感じるし、一人が当選しても何もできない、何も変わらないという悲哀を味わい尽くしているのがいまの日本人でもある。作家やジャーナリストの仕事は大いに日本を語ることでもいいけれど、江東区民は、「言いたいことは分かるけど・・・」と腰が引ける。小選挙区というのはそういう選挙でないと有権者に響かないのかもしれない。

以前に書いたことだけど、百田代表と有本事務総長が、まずは選挙に出て勝たないと日本保守党は先に進めないのではないか?党務は信頼できる事務方に任せて、まずは本当に政治をやって見せないと信頼感は得られない。有権者は現実の中で生きている。実社会の厳しい現実に直面しながら、懸命に働いている。

作家や評論家が、その枠の中でいくら物を言っても、所詮は外野というよりもフェンスも向こうの観戦者の域を出ない。まずは「日本のために」を標榜するなら、自らが政治の世界に飛び込んでもがいて見せないと、有権者には覚悟など伝わるはずがない。その部分で考えると、何もかも投げ捨てて覚悟を決めて国政選挙に打って出た飯山陽氏だけが有権者の心を動かした。

だからこの政治団体が本物ならば、次は代表と事務総長が腹を括って選挙に出たときが、試金石になるのだろうし、出られなければそれで終わる。

それにしても既存政党はろくな候補者を立てられないねぇ・・・。これじゃ政治はダメだというのも十分に納得が出来るよ。