レーザーテック騒動を客観してみる

レーザーテック騒動を客観してみる

個人投資家はレーザーテックに関しては擁護派が多いみたいだね。何を擁護するかと言えば自図から建てたポジションを守りたいということ、つまりはポジショントークで、その気持ちは十分に分かるし、自分も度々ポジショントーク的な記述をしてると思うから偉そうなことは言えない。何せレーザーテックは10年で100倍以上になったという化け物銘柄なので、人気がないはずがないけれど。(ちなみに10年前の株価はだいたい¥350だった!)

けれど、こういうところが株式投資の重要なポイントで、元来弱気派(ショーター)の自分には、こういう事態になって買い持ちしてるということが、ちょっと信じられないというか、もう少し株式投資に対して警戒感があってもいいと思うんだけどね。

あくまでも俺の個人的な意見だけど、こんな時は、もう少し今回の騒動を客観的に考える必要があるんじゃないか?って思うけどね。敢えてポジトークでなくて、他山の石、対岸の火事、みたいに眺めてみることが絶対に必要だと思う。それでこういう騒動をどう思うかというと、人間関係のもつれなんじゃないかって思うんだよ。

だいたい、相当な確率で、こういう騒動の原因は内部からのリーク、取引先からのリークということが多い。今回のスコーピオンのレポートを見ると、というかまずは先にショートしてるという事実があるわけで、もたらされた情報の信頼性を確信してるということ。そうでなければ決して仕掛けてこないと思うのよ。ただでさえショートするのは人気銘柄だけに難易度が相当に高い。だから、確実に勝てる、みたいな確信がないとやれないと思うよ。

いくら個人投資家が擁護しようと、スコーピオンの指摘にレーザーテック自体はほとんど何も答えていないと思う。最先端装置ということでテクニカルな部分は秘密、というのは分かるけど、財務に関する情報開示はここまで来たらするべき。1年間の打ち上げが前年度1520億円あった時の在庫が同じくらいある。でも完成品でなくてそれらは仕掛品であるという・・・。ということは完成品にするといくらで評価されるの?みたいな部分をひとつとっても全く分からない。数字で示せば、同社の言う仕掛品の意味がよく分かって来るのにね。

Advertisement

同社はユニット単位で外注に発注し、自社でアッセンブリして納品し、調整して検収してもらえたら完成品だという。なので手元には完成品はないと言ってる。しかも通常は国内メーカーに発注・納品・設置調整・カスタマイズ・合格・研修までに1年、2年かかると説明しているけれど、するととんでもなくキャッシュが先行することになるはずで、どういう支払方法なのかは分からないけれど、普通そんなサイクルでは国内メーカーは干上がっちゃうよ。

まぁ、そういう流れの中で、様々な人間関係に軋轢を生むから、そういう部分から情報がリークされている可能性はかなり高いんじゃないか?って普通は感じるよね。それは個人投資家だけでなく大株主の信託銀行も同様だろうから、今レーザーテック経営陣は大株主に対する詳細な説明に追われているのだろうと思うし、そう時にはペラペラな2枚程度の説明では済むはずがない。

その説明に納得できなければ、日本マスタートラスト信託銀行とか日本カストディ銀行は、売らざるを得なくなる。要するにスコーピオンというヘッジファンドはそれを狙ってるんだろうけどね。そもそもここの監査法人はあの中央青山のながらを組む。あまりに不祥事が多すぎて、信用が無くなったから海外大手のPWCの系列となって青山から分裂した京都あらた監査法人と合併して新会社(PWC JAPAN)になってますけど・・・。あまり信用ないからね。そもそもPWCってあの恒大集団のインチキに加担してた監査法人なのでね。

まぁ、メーカーで倍々ゲームのような成長するって、ちょっとあり得ないというか、NVIDIAのように製造がTSMCというのならちょっと別と思うけど。もしも今の財務状態なら、この会社の資金繰りは相当苦しいと思うんだけどね。なので楽観し過ぎるのは危険だと・・・。

(まぁ、俺も売り持ちなのでポジトークに聞こえちゃうか・・・苦笑)