次期大統領がカマラ・ハリスでは日本は・・・

次期大統領がカマラ・ハリスでは日本は・・・

予定通り、大統領選挙出馬から引き摺り降ろされたバイデン大統領。そして自分の後継候補に副大統領のカマラ・ハリスを指名し、早速クリント夫妻が全面支持を表明した。民主党と言えば政権与党で、党内は穏健左派と極左派に分断されていて、勿論カマラ・ハリスは勢力が強まりつつある極左派とのバランスをとるという意味で党内事情によって副大統領に起用されたという経緯がある。なので政治的な実績を買われた人事ではなかったし、現時点での政治的評価も芳しいものではない。つまり経験値がまったく足りないのだ。

民主党内の勢力図は単純に穏健左派と極左という分類ではなく、バイデン後継選びがここまで混乱した背景にはもう一つオバマ派とクリントン派の対立構造がある。9.11テロ後の大統領選挙で黒人初の大統領になったバラク・オバマは2期8年の就任後民主党内に院政を敷くとともに着々とミッシェル・オバマ路線を構築していた。一方トランプに敗れたヒラリー・クリントンは民主党を財政面で支えてきたのは、クリントン財団であるという自負がある。なので党内への影響力を維持するためには、自らの息のかかった候補を支持して勝利する必要がある。

カマラ・ハリスにしてもミッシェル・オバマにしても、女性初の大統領という、民主党が主張する多様性の象徴のような候補であって、確かに女性初、新鮮さと言う点でトランプ有利となった大統領選挙の局面を変える影響力があるかもしれない。ニクソンを打ち破ったJFケネディやパパブッシュを破ったビル・クリントンのような例もあるように、新鮮さは大きな武器となる。

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けれども、今の極めて難しい世界情勢、経済情勢のなかで、米国という巨艦の舵をとる存在としては、余りに役不足な人選であることは間違いなく、たとえ当選したとしてもヒラリークリントン一派の院政になるのは間違いない。カマラには何も出来ないことは十分承知の上の選択なのだから。

いずれにしても、共和党も民主党も新たな有力候補者で出来てこれない土壌というのは、いかがなものか、と言う気がするし、世界の流れはリベラル政策に嫌気がさした国民が保守的政策を志向し始めている。EU議会しかり、フランスしかりイギリスしかりだが、カナダのトルドーの支持率も急低下し始め、言うまでもなく日本の岸田首相も終焉を迎えつつある。

だが、有力な後継候補が出られない土壌が、リベラリズムの嵐の中蔓延していることも事実で、今後ますます分断が深まるのではないか?と思うけどね。

そういう意味では投資家達の右往左往も続いて行くことになるわけで、マーケットは新たな局面の突入したような、そんな気がするけどね。前回の大統領選挙を見ても分かる通り、カマラ・ハリスが勝つかもしれないし・・・。でも勝ったら、日本の将来は・・・。