只今株式市場はリスクオフ、暴落中!

只今株式市場はリスクオフ、暴落中!

さて、お膳立ては整った!

21時30分に発表された米7月雇用統計によって、米国債10年物利回りは一気に3.792pまで突っ込み、ドル円は¥147.01となった。これで、9月18日のFOMCでは確実に利下げになるだろうし、8月雇用統計の数字次第では、0.500pの利下げという声も聞かれるかもしれない。

21:30 アメリカ

アメリカ・雇用統計 07月

[非農業部門雇用者数・前月比]

+25.0pips 20.6万人(17.9万人) 17.5万人 11.4万人
21:30 アメリカ

アメリカ・雇用統計 07月

[失業率]

+25.0pips 4.1% 4.1% 4.3%
21:30 アメリカ

アメリカ・雇用統計 07月

[平均時給・前月比]

+25.0pips 0.3% 0.3% 0.2%
21:30 アメリカ

アメリカ・雇用統計 07月

[平均時給・前年比]

+25.0pips 3.9%(3.8%) 3.7% 3.6%

失業率4.3%と言う数字は、2021年5月以降急激に上昇したインフレに対応する意味で、FRBは2022年3月から利上げを開始したわけだが、その時のFRBの見通しでは2022年末までに失業率4.3%程度に誘導するというものだった。そして高金利政策を継続して遅れること1年8カ月余りで、ようやく到達したわけだが・・・。

Advertisement

もしも米雇用統計が、毎回まともな数字であるならば・・・、つまりダブルワークのカウントをやめて、意味不明の季節調整という修正行為をやめていたならば、恐らく半年前には到達していたのかもしれない。年が明けて2024年になった頃には大手企業のリストラが相次いで行われたからだ。

今年5月になってから、パウエル議長がインタビューで「雇用統計は信用できない部分がある」と漏らしたことを、メディアはさほど重要視しなかった。けれどもFRBが直接、米労働省労働統計局の統計を名指しで批判することなど、異例中の異例であって、「こんなことでは金融政策は出来ない」と言いたかったことは明らかだった。

9月にFRBが利下げを開始すれば、結果的に実体経済から数か月遅れ、と言うことになるけれど、そのこと自体は決して間違ってはいないし、むしろ当然だということ。十分に数字の裏付けを確認してから金融政策を変更するというのは「手遅れ」という意見も多いけれど、極めて正常である。なぜなら足元の変化で金融政策をコロコロ変えると、統計のノイズを拾うことになり必ずミスをするからだ。

かつて日銀の福井総裁時代に、利上げを無理やり行って、数か月後に「間違いでした」と利下げ転換したことがあったけど、FRBはそういう馬鹿なことをするわけには行かないからね。その意味では日銀は今回もまた、実質賃金がマイナスであるにもかかわらずインフレ対策と称して利上げを行ってしまった。中央銀行の金融政策として確固たる裏付けもなく動いたことは、福井総裁のように同じ失敗を繰り返すことになるだろう。

Advertisement

今日、昨日の三菱UFJに続いてみずほFGと三井住友も短プラを引き上げた。これで住宅ローン金利は上昇することになり、平均的に20万前後/年間の負担増となる。日本では政府、日銀、銀行はみな財務省側で一体となっていて、国民を苦しめる、というか消費を冷やしにかかっている。「金利の正常化」と言えば聞こえはいいけれど、金利に正常化もクソもないのだ!

さてちょっと横道に反れたけれど・・・、24時の時点での米国市場は・・・

ダウ ▲$856(-2.14%)
ナスダック ▲550p(-3.20%)
S&P500 ▲139p(-2.55%)
SOX指数 ▲278p(-5.72%)
VIX指数 28.54(+53.52%)
10年物国債金利 3.822p
ドル円 ¥146.673
WTI原油価格 $73.82(-4.54%)
ビットコイン ¥9,255,723(-3.04%)

となって完全にリスクオフの状態だ。そして日経先物はさらに▲¥1,410(-3.93%)となっている!日本市場にとってこの下げはキツイ、余りにキツ過ぎる!

Advertisement

これで、問題なのは大引けでどうなるか?引け後も続くCFDやドル円がどのレベルで週末の取引を終えるか?ということ。特に来週はSQ週となって、外資が日本市場を引っ掻き回すことが必須だから、あまりに行き過ぎた相場を引っ張り上げるのか、はたまた今回の暴落を一過性と見ずにさらに下に落とすのか、そこを十分に考える必要があると思う。

個人的には、VIXがここまで一気に急騰するということを結構気にするよね。そしてこうなってくるとどんなノイズが入ってくるか分からなくなるから。中国か、中東か、はたまた金融事故か・・・。特に大洪水で統治不能になりかけてる中国あたりを全面的に話題にされると厄介なことになってくる。

いずれにしても大引けの数字を見るまでは、これ以上何とも言えないけどね。

最後にチャラ過ぎるアナリストや評論家に一言あるんだけど、少し下落したからと言って安易に「絶好の買い場」「いい株が安く買えるチャンス」とか言うべきじゃないと思うんだよね。谷の深さが分からないのに、チャンス到来ってよく言えるな!いい加減な奴ばかりで本当に困るよ。ロープの長さが足りるのを確認してからだよね。