雇用よりも金融システム懸念!?何かが起こりそうな予感
- 2024.09.07
- トレード雑感
相変わらず米労働省が発表する雇用統計の数字は、信用に足るものではないということが改めて露呈した!
今夜発表の8月雇用統計は、案の定前月比で「横這い」的なものだったけれど、7月分、6月分は大幅に修正されていて、今回の数字もまた来月修正されるのだろうと誰しもが感じたに違いない。なので今回発表された失業率4.2%(予想4.2%、前月は4.3%)、雇用者数14.2万人(予想16.5万人、前月は8.9万人)は、額面通りには受け取れない。
特に雇用者数の増減に関しては、今年3月までの1年間のデータが大幅下方修正された直後にまた6月分、7月分のデータが修正されたことで、市場は疑心暗鬼になっていた。そこにニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁、FRBウォラー理事の「利下げ支持」の発言が、市場のセンチメントを悪化させた。
この時期、FRBの利下げは「米国経済の悪化」を意味すると思うし、決して「雇用低下に対する予防的措置ではない」と言う事。実際FRBは差し迫っている個人ファイナンスのデフォルトの急増や、中小金融機関やノンバンクの不動産関連融資の多額の借り換え、そして米国債金利の急騰に対応しなければ、米国金融システムの混乱が再度発生するという危機感があるのではないか。
中国やメキシコの経済状況からも、米国でインフレが再燃する気配はなし。原油価格も世界需要低迷から$60台に突っ込んだまま。そうなるとむしろ高水準の物価高を維持しているのは現実にはFRBの金利高止まり政策のせいではないのか?となってくる。
イエレン財務長官は、雇用統計発表前にわざわざ「雇用は安定している」と発言した。政権側の財務長官が雇用統計発表前に雇用に言及するというのも、意図的なものを感じざるを得ない。「(何があっても)雇用が安定しているので大丈夫・・・」と言いたのかもしれない。
と言うわけで今夜の米国市場は、雇用統計を好感する形で寄り付いたものの、だったら9月利下げが0.500pにはならないかもとなって市場の期待値を裏切る形になった。そこにウイリアムズ総裁やウォラー理事のコメントが伝えられ、混乱しているということだと思う。
そうなってくると米国経済というよりも米国株式市場の先行き懸念が台頭し、今の株式水準を修正する方向に動くのはある意味当然と言えるのではないか?0.500pの利下げをしなければいけない局面で、0.250pの利下げしかでき無くなれば、ちょっとまずいことになる、と言う感覚だろう。
バフェットは何故アップルやバンカメを売りまくっているのだろう?という疑問の答えを米国投資家は欲しがっているのかもしれない。何かが起こりそうな予感があるのかねぇ・・・。ブラックロックは株式を売りまくってるし・・・。
と言うわけで米国三市場は、それぞれに大幅下落となっている。3時36分現在、ダウは▲1.06%、S&P500は▲1.80%、そしてNASDAQは▲2.61%。ついでにSOXは▲4.81%。
これを受けて日経CFDは▲¥1,000を超える大幅下落となっていて、しかもドル円は¥142.350と結局¥142台前半だ。やはり日本株に対する下落要因としてはドル円なんだよね。
今のところ、週末の大勝負は月曜には大幅GDとなりそうなので完勝はほぼほぼ決まった格好だけど、まだ週末要因で何が出るか分からないのでね。このまま行けば、月曜は投げ売り合戦になるかもしれないし・・・。原油は$67台、ビットコインは760万台に突っ込んでるし・・・。
いやいや、スルスルと上昇した相場は怖いねぇ・・・。来週はMSQなので、ボラが・・・。
(アイキャッチはNY連銀ウイリアムズ総裁)
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