やっちゃえ日産!?しでかす日産!?ヤバイ日産!
- 2024.11.09
- 放言
「お客様のニーズにお応えする商品をタイムリーに供給できないというのが課題」と業績不振の要因を分析した内田社長。業績不振にあえぐなかで「9000人のリストラと生産能力2割削減」という、カルロス・ゴーンと全く同じことをするしかないという皮肉な結果になった一方、社員は「4年も社長をしているのだから内田さんの責任」と言い放つ。
これが日産の体質なんだと思うし、こういう責任のなすり合いをしている以上、日産は没落する一方だと思う。EV大国の中国でBYDに押されて販売不振、ドル箱のはずの北米でも所詮EVの航続距離ではレースにならない。国土の広い国では、バッテリー切れは即死活問題になるという考えは頭の片隅にもない。
EV不振の要因を充電ステーション不足とする向きがあるけれど、そもそもEVが急激に普及いて大量のEV充電ステーションを作るには、発電能力があまりに心もとないし、そもそも送電インフラを徹底的に整備できなければ所詮は机上の空論になるのは明白。その上で、充電時間という不便さを消費者が甘受するはずがないということは、誰しもが考えること。
またメーカーは、放電量が増す冬場に暖房をつけて走ったときの航続距離の減少を正しく消費者に伝えてもいない。先進的に見えるデジタルな部分を強調しつつ、自動運転のイメージを持たせつつ、ネガティブファクターを覆い隠す・・・。それが時とともに消費者に分かってきてしまったというのが、現実なのにもかかわらず、それを見ようとしなかったという経営者の責任はあるだろう。
けれども本質はそこにはない。そもそも、地球環境を守るという名目で温室効果ガス削減という御旗を掲げた欧州の本音は、世界市場から日本車を駆逐することにあった。特にドイツとフランスは自国の自動車産業を守るために、レシプロエンジン技術で圧倒的に差を付けた日本メーカーをEU市場から排除したかった。そこにルノーとの権力闘争に明け暮れた日産経営陣は気付けなかっただけ。
依然、日産が労働組合との闘争の末に経営実権を組合側に握られて、倒産寸前まで追い込まれ、今度はルノー側との経営実権を巡るゴタゴタからカルロスゴーンを追い出し、資本問題に一定の目途を付けるということに奔走した。今回の経営不振は、いわば日産の体質、お家芸といってもいい権力闘争の末路と言える。
さてさて、問題はここからで、ハイブリッドを持たない日産が生き残るためには、恐らく脱レシプロ宣言というとんでもないことをしでかしてしまったホンダと経営統合するしかないと思う。ホンダは2040年目標で全車種EV化という経営目標を三部敏宏社長が2021年に宣言し、大失態と言われている。
その後のホンダはEVは鳴かず飛ばずの状況。いまだに稼ぎ頭はレシプロ車で、ハイブリッドでさえ満足な実績は残せないでいる。それでもハイブリッドがあるお陰で北米販売が何とかなってるのも事実で、財務体質は無借金のホンダと有利子負債7.5兆円の日産とは月とスッポンであることは間違いない。
有り得ない話と言えばそれまでだが、両社が経営統合すれば実質的に無借金の巨大自動車メーカーが誕生することになるわけで、その上で統合会社が両社とも前言を撤回し、レシプロ、ハイブリッド、EVの新たな指針を打ち出すことで、生き残りを賭ける必要があるはず・・・。
もしも今後の混迷に立ち向かい、未来を考えられる経営者ならば、当然そうした大胆な選択肢を志向してもいいのではないかと思う。
企業文化や伝統を考えると、まさに水と油の選択かもしれないけれど、そのくらいのことが起きない限り、日本企業そのものの未来はない気がする。
もしもトランプ大統領になって、自身の発言通りドル安を志向した政策を強引にやってくるとすれば、円安に安住する日本企業はほぼ全滅だからね。
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