トランプ大統領は目的達成のために手段は選ばない!?
- 2025.02.05
- トレード雑感
今夜日経CFDは爆上げ!つい先日暴落したと思ったら昨日達成できなかった半値戻しを今夜再現してるという状況。対中関税が発動されたけれど、10日までにトランプが習近平と電話会談が予定されていて、その席である程度の合意を見るんじゃないかと市場は思ってる。だから今夜も戻り継続という恰好になってるわけだけど。
けれども、そうは思ってない市場もある。大きく戻したビットコインをはじめとする仮想通貨は、きつい反落に見舞われてる。ここはやはり米中の貿易対立を大いに懸念しているという事らしい。また米国債金利も低下して、ゴールドは青天井相場入り。それでも株式市場は上昇しているというある意味矛盾に満ちた展開になってるわけだ。
トランプはメキシコとカナダに25%関税をかけると脅しつつ、国境の取り締まりをちゃんとやれ、といい、両国は「はい、わかりました」ということで、ならば1ヵ月延期してやる、と。問題は医療用鎮痛剤のオピオイドから合成される鎮痛効果が100倍とも言えるフェンタニルが、カナダ、メキシコから流入しているという事実で、これを何とかしないと米国社会はゾンビだらけになるという危機感がある。
だが、フェンタニルの多くは中国製であって、それがカナダ・メキシコの中華系移民の手で米国内に運ばれているということが分かっているわけで、経済もいいけれど、とにかくこれを何とかしないと大変なことになると。かつて中国をアヘン漬けにした英国のやり口を今度は中国が米国に対してやっているようなもの。
この20年、米国で蔓延したフェンタニルは、常に米国の社会問題になっていたし、米国には製薬業界の官民癒着の闇が存在していて、新型コロナワクチンを始め様々な利権が存在しているわけだが、なぜかフェンタニルは店頭からも市場に出回っている。これを放置すれば、市民は簡単にオーバードースすることで麻薬と同様の快感に浸れるわけだ。なぜ米国はこの流通を厳格に管理しないのか?という疑問もあるけれど、実際には厳格な取り締まりをする警察予算がないし人員もいないという実情があるからね。連邦政府が出来ることは、今回トランプのように流入を押させることくらいなんだろうけど。
またカナダに対しては、51番目の州にならんか?と滅茶苦茶言ってるけれど、地政学的にもこれは相当に重要なことで、グリーンランドを買いたいということと含めて、これが実現すれば米国は新たな成長フェーズに突入出来る可能性がある。実際米国は欧州の隣国、ロシアの隣国となるだけでなく、カナダに眠る莫大な未開発の資源を手に入れることになる。これはトランプの描くグランドラインなのだろうけど、そうなるとMAGAは実現するかもしれない。
だがそうは言っても、米国はすでに財政破綻しているといってもいい状態。米国債利払いが軍事費を上回って来て、歳入不足は危機的な状況にある。けれども経済を考えると、増税をして立て直すという選択肢はすでにない。そんなことをすれば、米国経済は一気にリセッションに突入することは確実だからだ。
そこで考えうる手段は二つ。一つは利下げやQEをしてインフレを加速させること。そのために所得減税をしてなんとか消費を維持する。そしてもう一つは、関税を賦課して国庫収入を拡大させる。長期金利が上昇しても構わない、というか敢えてそうすることで、意図的なドル不足を演出し、さらに100%関税を振りかざし、ドル一極集中の状況を作り出すことで、財政破綻を回避する。
もうすでに米国の財政は、これくらいの荒療治をやらないと立て直すことは不可能だという危機感がビジネスマンのトランプにはあるのではないかと思う。領土と市場を拡大し、資源を獲得するとともに、グローバリズムを否定して閉鎖的な経済を作り出すことで、とにかく米国社会そのものを立て直し、財政を立て直さなければならないという使命感があると思う。
そのためのスタートラインである2025年は、株式相場が荒れないわけはなく、米国市場も大いに荒れるだろうけど、日本市場も常に上下¥2,000くらいはとりあえず想定しておいた方がよさそうだ。もっとも財政立て直しの手段は増税しかないと考えてる馬鹿な国なので、米国が閉鎖的な政策に転換すれば、日本経済は即死するので、下を見ておいた方がよさそうだけどね。
さていよいよ今日はトヨタの場中決算だね。三菱UFJや三菱重工の値動きと相まって、日本市場にとっては非常に重要な一日になりそうだ。
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