大幅反発の米国市場と決裂したホワイトハウスでの会談
- 2025.03.01
- トレード雑感

1月PCEが全てコンセンサス通りの数字となり、米国株式市場は何故かこれを好感して大幅な上昇になった。「何故か」と書いたのは、株式市場の動きがかなり微妙で、個人消費支出が予想通り大幅減だったことを言焚けする可能性もあったわけだし、むしろその確率の方が高かったと思う。それでも徐々に買いが優勢になってくると、関税発動を控えているのにもかかわらず、勢いが付いてしまって・・・。
こういう展開は株式市場ではよくあること。大きく下げた後だけにショートカバーが主導して戻し始めると、それにつられて個人の資金が追従する。何とかマイナスを埋めたいという意欲満々だからね。そうして気が付くと大幅高となっているという寸法だよね。
でも、こんな時に買いを入れたのならば、当日に手仕舞いしておくのが鉄則のような気がしないでもない。そういう判断は非常に微妙だから、どういう投資行動が正解ということはないのだろうけど、少なくとも短期で考えると上昇の仕方にあまり納得できるような要因が無ければ、その後の値動きに関わらず手仕舞いすべき、というのが俺の考え方でもある(時々失敗するけれど)。
さてそうした米国市場の値動きを受けての日経CFDだったけれど、結果的には米国追従で△¥450と大幅な上昇になったけれど、米国債10年物金利が低下しているにもかかわらずドル円が¥150.545と堅調だったのでね。これには全然納得できないけれどね。
3月もまた食品を中心に多くの値上げが控えていて、物価は下がる気配がない。なのでますます日銀の利上げ期待が強まるだろうしね。そうなれば¥150台の為替水準はなかなか難しいはずなんだけど。なので、昨夜の株式市場、為替市場の動きは一時的な戻りと言えると思う。
日銀の植田総裁は、長期金利が突発的な動きをして上昇した場合、「買いオペの増額をする」とか言ったけれど、どの道利上げをすれば長期金利は上昇の方向だから、結局やることは黒田総裁時代と同じ。極めて財務省的政策しかできないということだろう。とは言え、今となってはもう、日銀には何も期待できない気がするけど。金利政策にしてもオペレーションにしても、全くポリシーが感じられないので、日本経済の将来を誘導する、という感じじゃなくて、景気指標に追従するだけ。なんか情けないけどね。
というわけで、ポジションはばっちりと担がれました。週明けはリカバーからスタートとなるんだろうけど、悪いことに月曜は癌の定期健診が入っていた!これはちょっとピンチかも。
話は変わるけれど、ウクライナのゼレンスキーとトランプのホワイトハウスでの会談は、前代未聞の激しい口論になって、結局決裂してしまった。
なんか見ていると副大統領のヴァンスが火をつけたような、そんな感じだよね。ヴァンスはかなり権威主義的な人なんだと。それに対しゼレンスキーもまた、ロシアの脅威に晒されてきたウクライナを米国を中心とした世界が支援するのは当然だ、みたいな態度も良くないね。
そしてトランプだけど、「あなたはカードを持っていない!」っていう言い回しも良くないかも。ゼレンスキーはウクライナの安全保障を担保したいのは分かるし、そういう主張に対して、ビジネス交渉を全面に出してくるトランプには、ちょっとがっかり。
ウクライナのレアメタルを差し出せとは言うけれど、差し出すけれどその代わり、安全保障を確約してくれと。それに対し、米国は「お前は今、そんなことを交渉できる立場じゃない」みたいな米国の態度は、今後の米国の立場を孤立化させるに十分かも。
色々な意味で懸念ばかりが残った会談だったね。やはり此の先が思いやられそうだ。
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