ドイツがヤバイことに。軍拡の時代が来るのか!?
- 2025.03.12
- 放言

ドイツと日本。敗戦からともに世界を代表する工業国、技術大国にのし上がってきたんだよね。実はそのことが、ある意味戦後の世界の脅威であり続けたことは否定できない。所謂大戦の戦勝国にとってはヤバい国だったわけ。だからこそ、終戦と同時に国家解体のような仕打ちを受けて、工業生産力と技術力は封じ込められたと言ってもいい。
そのドイツが、とうとうウクライナ紛争をきっかけにして、長い眠りから覚めてしまったと。具体的には先日のゼレンスキーとトランプの喧嘩騒ぎで、トランプが調子に乗ってNATOから抜けるような示唆をしたことで、欧州側は色めきだった。そりゃもしも米国が抜けるとなると、ロシアや中国と対峙できる核保有国はフランス、イギリスというお世辞にも強いとは言えない国力しかなくなってしまう・・・。核でなくて通常戦力でも、NATO軍の主力は米軍で、予算も65%が米国負担なのだから大騒ぎにもなる。
実際、欧州はプーチンのロシアが怖くて仕方ない。エネルギーも天然ガスという首根っこを押さえられてるし、特にドイツは独ソ戦で膨大な犠牲を払って負けたという経緯もあるのでなおさらだ。フランスにしてもナチスの占領された暗黒時代があったしね。
何というか、NATO軍がワルシャワ条約機構が解体されても、なお存続して勢力を当方に伸ばしてきたのは、過去のロシア(旧ソ連)とのトラウマがあるのかも。とにかくロシアはヤバイという認識で一致しているわけだよ。そんな時ウクライナにロシアが武力侵攻した。あの阿呆の子ブッシュがウクライナをNATOに加盟させると表明して以来、こうなることはある意味時間の問題だったのかも。
そして、ホワイトハウスでのゼレンスキーとトランプの大喧嘩となって、NATOでは米国の腰が引けていると確信した欧州勢はすぐさま首脳会議を招集し、結束を図った(後日イタリアは脱退した)。米国が出張って来なくなるなら、自力で防衛するしかないという結論で、NATOなのに有志連合を結成するという・・・。
そこで長い沈黙を破ったドイツは均衡財政から緩和財政へと舵を切ると宣言し、なんと軍備増強のための13兆円の基金を作ること、そして国防費(軍事予算)をGDP2.1%まで拡大し、さらに10年間で約80兆円の軍事インフラ投資を行うと発表した!これはまさに、全世界に向けて堂々と軍事力の強化(軍拡)を宣言したのも同然で、完全に第二次大戦後の連合国スキームを否定する宣言でもあった。
もちろん、NATOから米国が引いてしまったら、ドイツも核武装という選択をするだろうと思うし、そう決めたなら1年足らずで核弾頭は製造可能だと思う。
これが世界の債券市場を揺さぶったのはつい2日前の出来事。けれどもそれ以上に世界にとってドイツの宣言はインパクトがあったと思う。日本もGDP2%から3%へ、という米国の要請があって防衛産業の株価はぶっ飛んだわけだけど、同様にイギリス、フランスも何らかの動きをせざるを得ないし、またトランプ政権も軍事費の増強を表明している。
これって何やら世界中がおかしな方向に走り出したと思わないか?あのアホの中国もバカみたいな予算を軍事費に計上し毎年増加させているし・・・。
この流れの中で、日本の防衛3社や、防衛関連に関わる三菱電機や日立、NECの株価はどうなってゆくのだろうね。
トランプーゼレンスキー会談で、怒ったトランプが何度も「第三次世界大戦にするつもりか!」と言葉をぶつけていたけれど、あの時トランプは本気でそうした懸念をもっているのだな、と思ったけどね。
なんかまた軍拡の時代がきそうで嫌な感じ。
(アイキャッチ画像はフォン・ディア・ライエンEU委員長とドイツ軍)
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