トランプ大統領が要請したベッセント財務長官の役割
- 2025.03.30
- 時事問題

トランプ政権の連邦債務対処や今の米国株式市場の状況を、俺自身と同じように考えている記事が出てきたので紹介する。そのなかで、ヘッジファンドマネージャーとしてのベッセント財務長官の見方や役割が詳しく論じられてるけれど、読んでみて「当たらずしも遠からず」という側面があるな、と思ったので掲載します。
ここには書かれてはいないものの、ベッセント財務長官が株式市場の下落に付いて「株式市場には調整がつきもので、今回は自然な調整なので、過度に懸念すべきではない」と楽観的と思われる発言をしていることも、ある意味では「長期金利を下げる手段としての株安」を裏付けているのでは?と思う。
記事のなかでトランプ大統領が次のように語ったとベッセント氏は言っている。
わたしがトランプ大統領に初めて会うためにマー・ア・ラーゴ(訳注:トランプ氏の別荘)に行った時、ドアから入ってきた大統領は「スコット、どうすれば景気後退を引き起こさずに負債と財政赤字を削減できる?」と言った。
トランプ大統領は、就任前から米国債の大量償還に対して大いに問題意識を持っていた。そして、大統領に就任したときに、半年後に控えている約1400兆円の国債償還をどう乗り切ればよいか、と最優先に考えていたという事だろう。
もちろん景気後退を引き起こすことをトランプ大統領は良しとはしていない。仮に景気が悪化してしまうとしても、可能な限り影響を与えないで、可能な限り低利でロールオーバーしたいというのが本音のはずで、それをベッセント氏に託したのだろう。
勿論、「可能な限り低利」という条件を満たすには、多少の手荒な手段に訴えざるを得ないことも、勿論トランプ大統領は容認するだろう。トランプ氏の問題意識は、株価下落よりも目前に迫っている大量国債償還問題の方が重要であるということであり、将来の米ドルの立場を考えるとその考えは決して間違っているとは言えないだろう。
そもそもそうなることが分かっていてなおも、短期国債を発行し続けたバイデン政権やイエレン財務長官に対する批判というか怒りにも似た感情を持っているのだろう。連邦の財務問題を考えるならば、他分野の財政削減をせずに新型コロナ対策とは言え、野放図に財政を拡大していた民主党政権への憤りもあるだろう。その付けの大部分は2025年6月に一度にやってくるのだから。
いずれにしても所謂、「財政の崖」という問題は、国債発行上限問題だけではなくて、発行上限を拡大して現在の状況で国債を増発して財政を維持するということが、大量国債償還問題を引き起こし、将来の財政を危機に陥れるタイミングのことだと思うけど・・・。
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