自動車業界が直面するトランプ大統領の理想と現実の壁
- 2025.04.04
- 時事問題

自動車関税は米国にとって完全に不利なものになる。GMやフォード、ステランティスの幹部がトランプ大統領から「値上げはするな!」と釘を刺されたということだけど、その席で彼らは「この人に何を言っても無理」みたいな雰囲気で言い訳せずに、黙って聞いていたと言われるけど・・・。
https://youtube.com/shorts/vmR7UT6_kIo?si=01tqEuzSqCw_GfSe
この動画を見ると、その理由がよく分かるというか、米国内自動車メーカーは高騰する人件費と部品価格で、青息吐息と言われてる上に、今度は25%もの関税で値上げするなはないだろうと苦虫を嚙み潰していたに違いない。
そもそもトランプは国際分業無くしては自動車産業は成り立たないということを理解していない。というよりも強引に推し進めれば、やがては国内で完結するように各メーカーが振舞うしかないと思っている節があるけれど、そんなことは一朝一夕で出来るものではない。
製造業の復活を図るということは、非製造業のようには行かないわけで30年かかって没落と淘汰を繰り返してきた業界が、1年や2年で元に戻るなどと言うのはまさに夢物語。移民ばかりの現場では、技術や練度はなかなか育たない。
それでも強引に米国をかつての繁栄に、などと言ってること自体ナンセンス極まるという事だろう。
それは米国ばかりでもなくて、日本も同じ事情を抱えている。もっとも深刻なのは国内のサプライチェーンがすでに維持するのが難しくなりつつあるということ。つまり、部品を供給する中小企業は経営者が「いつまでやってるの?」というくらい高齢で、おまけに後継者はほとんどいないといった状況がある。
しかも、コストダウンと在庫の圧縮、時間短縮と品質維持という名目で、カンバン、カイゼンを推し進めてきたトヨタ方式は、国内の部品サプライヤーあってこその生産システムなわけで、おいそれと海外から調達できるものでもない。
そのトヨタでさえ、米国生産にはメキシコやカナダのサプライヤー(多くは日本企業の現地法人)から供給されていて、結局は25%関税の影響を大いに受ける。ましてSUBARUなどは、最終組み立てラインはあってもトヨタに増して調達部品比率が高いわけで、そこに35%の日本生産車の輸出が25%関税となっても、米国生産車よりも大きな価格上昇はできないというジレンマを抱えてる。
「関税が嫌ならば米国で作れば関税はかからない!」とトランプ大統領は言うけれど、もはや米国には車製造を完結させられるほどの会社も、技術も工場さえもないですから。
まさに自動車業界はこれから地獄を見ることになるよね。
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