無茶苦茶なトランプ大統領は実は「善人」なのです。
- 2025.04.11
- 放言

現実問題としてトランプ大統領だって、米国内の製造業を再生できるとは思ってないさ。でもトランプは、米国内が荒れ果てていることは十分に分ってる。大都市に行けば必ず犯罪多発エリアがあって、そこにはフェンタニルでゾンビと化したおびただしい人々がいるということをトランプは熟知してる。
日本の水準でいえば、米国は終わってる、となるだろうし、富裕層の行動範囲ではそんな場面は見えないだろうけど、多くの米国民は、大都市であれ田舎であれ、嫌でもそんなシーンに触れないわけには行かない。
それでなくたって、自衛のためにみんな銃を持てる社会。男女問わず夜間の一人歩きは命取りになると警戒しながら生活しなければならない窮屈さ。学童の送迎は必須。危険地域に立ち入って犯罪に巻き込まれてもほぼほぼ自己責任に近い処理が行われる。
ファストフードやショッピングセンターの驚くほどの物価高、高価な上にチップまでインフレの外食産業、朝はシリアル、昼はバーガー、そして夜は・・・。支払いは常に限度額を気にしながらカードを使う。そうしたことがインフレの象徴のように報道もされるけど、本当の苦しさはそこにあるのではないよ。
何があっても職を失いたくないという状況が、理不尽な職場での扱いを耐え続けなければならないし、金利上昇で自動車ローンはあまりに高額すぎるし、住居費もべらぼうで堪ったものではないという中で、どうやって生活を維持し、子供を育てればいいのか!?っていう非常に厳しい状況に晒されている。
そんな時、病気になる、事故を起こす、犯罪に巻き込まれる、となると高額な保険料の民間保険を使わざるを得ない。そして一度使えば、保険料は上昇し、治ったとしてもさらなる苦境が待っている。だから、無保険だったり高額な保険料が払いきれなかったりするから、痛みがでたらフェンタニルを服用して我慢するしかないのだ。
そうなるとまともに仕事出来ないから職場は解雇され、生活の当てを無くしてしまい、家も売り、車も売り、フェンタニルを飲み続けて生きることになる。
そうした悪循環を、トランプ大統領は止めたいのだと思う。高額な医療費や薬価を何とかしたいから、ロバート・ケネディ・ジュニアを起用した。その原資となる財源を確保しようと関税をかけたりね。こうした社会の悪循環の要因は、米国財政の赤字体質にあると思ってる。金融資本主義をこれ以上続けると、格差拡大は手が付けられなくなり、一部の支配者層が社会を牛耳るという近未来のSF映画が米国ではもはや現実になりつつあるのを知っている。
金融資本主義は、借金が新たな信用を創出するシステム。なので企業も個人も借金こそが経済の発展であると考える。まず(借金して)投資をする。時間がたつと資産効果で借金は相対価値が減り、気にならなくなる。そしてまた借金を重ねてゆくという経済モデル。良し悪しではなくて、それが今の米国社会のシステムなのだ。
しかしそこには様々なトラップがあり、不幸にもそれに捕まるとアウトになってしまう。ローンの返済が維持できなくなると途端に社会のシステムからはみ出ることになる。
個人も企業も、自治体も連邦政府も全て、同じ行動原理の上に成り立っているのだが、違いは連邦政府だけ、自在に通貨を調達できること。でもいまはそれ自体が危機的状況に直面してる。税収が頭打ちになって、負債ばかりが独り歩きするという見過ごせない状況だ。
確かにトランプ大統領は無茶苦茶だ。けれども、米国社会の現実を知っているからこそ、そして米国社会が壊れてしまっていることを理解しているからこそ、それを何とかしたいと思ってる。だからMAGAなのだ。裏を返せば米国社会は堕ちてるということだよ。
その意味ではトランプ大統領は歴代の大統領の中でも突出して善人なんだよね。
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