日本国債長期金利急騰!米国の無謀な政策が波及!?これが始まりなのか?
- 2025.04.16
- 放言

米国債が幾分落ち着きを見せ始めたというのに、今度は日本国債が荒れ狂いだした!特に20年債、30年債がとんでもないことになってる!まだ影響は少ないけれど、もうじき10年国債金利も跳ね上がるかもしれない。
何という事だ!これはもう異常の域を超えてる。普段10年国債金利しか見ていないから、こんなことになってるとは気付かなかった。迂闊だった。
これ、ちょっと日本経済がヤバイことになるぞ!
日本国債20年物金利日足チャート
日本国債30年物金利日足チャート
上記のチャートは20年債金利、30年債金利の日足チャートだけど、この辺りの長期金利の需要は、例えば生保や損保などの長期間にわたる金融商品のカウンター的な運用がほとんどで、一般的な運用には10年債以下の国債が大部分を占める。
けれども、いきなり長期国債金利がこんなとんでもない動きをするという事は・・・。勿論国内大手機関投資家が売ってる可能性はかなり低く、あっても農林中金のリバランス売りくらいかもしれないと思てて、そのくらいではこんな値動きはしない。
で、ちょっと考えたのだけど、もしかしたらこれって、日本が大量の米国債を保有しているからなんじゃ?と思ったりしてる。
つまり、このところのトランプ政権の政策に対し、思うように米国長期金利が下がらないどころか、関税の影響で将来的なインフレが確実視されてしまってる。ということは、当然のこととして今年の約1400兆円の国債償還とロールオーバーに相当の懸念があると・・・。
このまま行けば、MAGAどころか、米国経済は大失速のスタフレに突入する可能性が高いし、当然そうなれば世界一の安全資産と思われてきた米国債も格付けを下げられることになるという恐怖ね。
で、その米国債を日本政府は2025年1月末時点で約160兆円、GPIFが約21兆円保有してる…。円高が進んで約1割程度減っている計算になると思うけど、それでも約150兆円くらいの計算になる。
これは米国債外国保有はもちろんトップで、したがって米国債の変動に世界一影響を受ける国であることは間違いなし。さらに円高が進めば対外純資産残高もどんどん減る計算で、現時点では500兆円を切っていると思われる。
米国の投資家としてみれば、リスク資産からの資金流出が止まらない状況と言われてる中で、米国債金利が乱高下となってまるでリスク資産のようになってきてることを考えると、とにかく売るしかない。
じゃ日本国債はどうか?というと、米国経済が急減速した場合、最も悪影響を受ける国は間違いなく日本だという認識から必ずしも安全資産とは言い切れない側面があるからね。日本国債は自国通貨建で90%が国内引き受けなのでデフォルトはしない、というのは正しいけれど、債券市場での金利の変動とは関係ないからね。
機関投資家も国債金利上昇には非常にナーバスで、金利急騰となれば、手持ちを売って高金利債券に買え替えないといけなくなる。
そうした状況の中では、海外投資家にとっては円高も進む中で日本国債も結構なリスク資産だろうし、利回りが低下した時点で一斉に売り出した結果、金利が跳ね上がったということだろうけど・・・。
日本で長期金利上昇で10年債金利に波及すると、ほとんど全てのローン金利が上昇することになる。そうなると、消費が減ってますます国内経済は疲弊するんじゃないか?と言う懸念が生まれるよ。
それに昨年8月の大暴落時の原因は円キャリーの巻き戻しだと言われてるけど、ここまで日米の金利の変化が大きくなってきて、乱高下を始めると、投資の縮小による円の買戻しが急激に起こるかも。
でね、昨今のドル円を見ていると、どうもそうした傾向があるからこそ、今¥143とかになってるんじゃないだろうか?ジワジワと円高が進んできてるんじゃないか?って思うわけだよ。
円キャリーは、アベノミクスの負の側面の代表であって、そこから現時点に至るまで日本と海外の金利差はほとんどワニの口状態。最近利上げ傾向と言ってもまだ1%にもなっていない。こんな状況で世界の景気後退が明確になってきたらどうなる?投資資金の急激な縮小で、円の買戻しが大量に発生することになるんじゃないか?まぁそうなったら・・・崩壊だけどね。
兎に角、世界の中で、日本は延々と低金利を続けて来てしまって、国内経済も成長性を失った中で、金融緩和資金は湯水のごとく海外へ流れた。そして海外の経済が右肩上がりの時は、メガバンクの業績も鰻登り、生損保も同様で、GPIFの運用も好調だった。個人でさえ、新NISAとともに、どんどん円売りドル買いを進めたわけで・・・。
こうした資金を調達した海外投資家は、ドル買いするだけで金利差を何もしなくても得られて、なおかつリスク資産や資源、はたまた米国債(短期債)での運用をハイレバレッジをかけて行っている。その結果、円キャリー資金の運用総額は「京」単位になってると言われてる。
その極一部が解消され、巻き戻されても、円高急進で株価は耐えられない急落となる。もしも、ドル円がコンスタントに¥140を切るようなことになれば・・・。
こうしたことは確実にトランプ政権の極端かつ無謀な経済政策、貿易戦争の波及事象であって、世界のマーケットに対してとんでもないサプライズ(ブラックスワン)となるだろう。こうしたサプライズが一番怖い。もしかしたら今度の震源地は日本になってしまうかも・・・。
いくらでも悲惨な状況は想像できるけど・・・朝になってしまうので・・・。
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