駆け込み消費で3月米小売売上高は堅調だが・・・

駆け込み消費で3月米小売売上高は堅調だが・・・
21:30

アメリカ・小売売上高 03月 [前月比]

+31.6pips 0.2% 1.4% 1.4%
21:30

アメリカ・小売売上高 03月 [自動車除くコア・前月比]

+31.6pips 0.3%(0.7%) 0.4% 0.5%
22:15

アメリカ・鉱工業生産指数 03月 [前月比]

+8.0pips 0.7%(0.8%) -0.3% -0.3%
22:15

アメリカ・鉱工業生産指数 03月 [設備稼働率]

+8.0pips 78.2% 78.0% 77.8%

日本でも米国でも、政策の大きな変更前には、駆け込み消費が発生する。今回の3月米小売売上高はまさに駆け込み消費が相当に上積みされたことが示され、特に自動車関税25%導入前と言うこともあって、従来価格で買える最後のチャンスということで、売れまくったというニュースはすでに伝わっていた。

もちろん、自動車以外の生活必需品なども販売数量が多少は増えている。けれども、現在の米国のインフレが2月現在で2.8%であることを考えると、販売数量は縮小傾向であることに変化はなく、ある意味駆け込み消費があっても明確に消費が拡大しているとは言えず、この反動は今月(4月)の消費に大きく表れることになる。

また鉱工業生産指数を見ると、米国の生産自体は低下していて減速傾向にあることを考えると、見方を変えるとインフレ期待は依然として強く、スタグフレーション懸念を示しているとも見える。

投資家の見方は分かれるところかもしれないけれど、FRBにとっては依然利下げ出来ない状況が継続していることになり、トランプ政権の政策目論見はますます苦境に立たされることになった。

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一方株価を支えているのは、16日から日米の関税協議が開始されるという事、そしてインパクトの大きかったのが、「中国が協議に応じる用意がある」というブルームバーグの記事だった。もとより米中の関税合戦は意味のない領域に突入していて、なおトランプ政権は関税のさらなる引き上げもあり得るとしたうえで、再三にわたって申し入れた協議開催の目途はいまのところ立っていない。

つまりは米国のドル切り下げの狙いの中で、人民元/ドルは重要なポジションであって、どうしても中国を為替交渉に応じさせたいという狙いがある。日本もドル円に関する要求を突き付けられることになると思われるけど、それと同等に人民元/ドルがどうなるかが重要だ。

なので、米中の関税を巡る交渉の行方は、結果として日本経済にとっては極めて重要だ。もっとも今後のドル円の動きを見ていると、だいたい状況が分かるだろうけどね。

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さてそうは言っても、ドル円¥142.500辺りで、日経レバは今のところ(午前0時)約△¥250と大き目の反発になっていて、またしても外した格好になってしまった。米国市場のインフレ(またはスタフレ)警戒感は続いていると思うけど、日経平均は何故か強い。

仮に日本企業の2024年度決算は好調であっても、慎重に今期為替レートを¥140とした場合には、業績横這いとなる可能性が高い。そうなれば日経平均¥35,000は簡単ではなくて¥36,000は、ある程度関税協議に目途が立った場合の瞬間風速かもしれない。

ただ将来的に円高が決定的となる可能性も大きく、今の株価の動きに違和感を感じるばかりだけど・・・。