決して理屈通りには動かなかった今年の相場

決して理屈通りには動かなかった今年の相場

日経CFDは¥843高かぁ・・・死んだな、こりゃ。

イベント通過で決算に向けて株高のドレッシングってこと!?そもそも、金利が上昇して株高になること自体、理屈じゃなくなってる。しかも日本国債10年金利は2.039pまであっての2.018pまで急上昇。幸いにして米国債10年金利も上昇したので、現時点での金利差は2.133pとなかなかの水準まで来てる。

同時にドル円が¥154台から一気に¥157台後半まで、という急騰っぷりで補正予算効果は台無しになろうかという水準。日銀がちまちまと0.250pずつ上昇させても、痛くもかゆくもないよ、みたいなね。ETF売りにしてもこれから100年以上かけてちまちまとやっていくと言ってるけど、そんなのは金融政策でも何でもないよ。

要するに日銀は、まったくやる気なしってところかも。海外勢はそういう日銀の萎えた姿勢をみて、完全に舐めてかかってるんだよ。あいつらには何もできないってね。

ならばこっちにはやりたい放題自由に稼がせてもらうとするか、みたいな態度。片山財務大臣が口先で牽制してるけど、全然効果なしって感じだけどね。でも、そういうことって誰がやっても同じなんだろうけど。一度介入して見せないと、口先介入も効果がないってね。

というわけで、買いに転じた日本市場は、日経平均¥49,500から一気に¥50,350処まで急伸して週末の取引を終了した。AIに関するネガティブなニュースも出ることのない、穏やかなクリスマス前、となった。

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さて、株式市場の動きというのは、いまはこうして価格形成がなされる。多くの投資家がAIに対する過剰極まりない投資に警戒感を持ってる一方で、大口の短期筋は強気で買い進むという構造。はっきり言ってどちらの見方が正しいかという判断はできないけれど、経済合理性を考えると、AI投資は理屈から完全に逸脱してるのは確か。

けれども、だから株を売るのか?買うのか?という行動は、今年の場合完全に乖離して推移してきたといってもいい。結局背景に過剰流動性資金があって、オークションでは資金量の大小が株価の形成を決めるわけだから・・・。

そうなってくると株価の理屈が通用しない相場というのが、当分続くとみてもいいのかもしれないし、こうした局面では運を天に任せて眠ってる投資家が勝ち組なのかもしれないね。

そういう意味でも2025年という年は、通常ならば売り方優勢相場となってもよかった年のはずなんだけど、結果は相変わらず買い方の優勢が年間を通じて目立った年だった。

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株はじっと握って待っていればそれでよし、という理屈がこうした経済情勢下でも通用してしまったことが、自分にとっては驚き以外の何物でもなかったけどね。

トランプ大統領になって丸一年が経ったけれどね。トランプがどんな荒業を出してこようと、平気、平気って感じで、市場は動揺することもなかったのは、最初の一年目と同じだった。過ぎてみるとトランプは一体何をやったんだ?ってことになる。実際何も今く行った政策はないに等しい。強面だったけど、全部といってもいいくらいに失敗続きだった。

金利は下がらない、物価は下がらない、政府負債は増え続けてる、政府機構の合理化は頓挫・・・。それどころか米国国内経済は疲弊する一方で、国民生活は非常に苦しい。加えて労働力不足が顕著で重労働部門が機能しなくなってるから社会が荒れてくる。

相変わらずゾンビは増え続けてるけど、あれはフェンタニルが悪いのではなくて、医療費の高騰が原因だと以前から言われてきた。慢性疾患を抱える人があまりに多い反面、適切な医療を受けると破産する。健康か破産かの選択肢を迫られた人が、とりあえず痛みを我慢するためにフェンタニルを使わざるを得ないってこと。

これだって、フェンタニルを止めれば解決するという問題じゃない。けれどもそれを解決する政策をトランプは持っていないわけだ。

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そんな状況のなかで俄然注目を集めたのがAIであって、もしもAIというネタがなかったら2025年はかなり悲惨な年になっていた可能性が高いと思う。だからこそ、米国投資家たちは、ニュースメディアはAIを思い切り盛り上げたわけだし、なんだかんだといってもAIが米国株式市場を支え切ってしまったという一年になった。

こういう流れを読める投資家は凄いと思う。でもそういう人は、負の部分はあまり見ないんだ。投資において暴落なんて恐れても意味がないって考えるし、それはある意味大半の局面で正解なのかもしれないけれどね。

でも、家族と高級リゾートで過ごしたり、毎日のように高級な食事をワインを堪能したり、おしゃれして高級車に乗ったり。そういう生活のすべては借金によって賄われているという現実がある。莫大な政府債務、法人や個人のファイナスによってもたらされたものであるという意識。

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そうした意識がいつしか忘れ去られたときが、市場が暴落するときなにかな?って思う。俺のような個人の素人投資家がヤバイ、ヤバイと連発している間は多分大丈夫なんだろうけどね。俺だけじゃなくて最近勝てないマイケルバーリもだけど。いやいや、引退した神様バフェットももう2年間もそうなことを言ってるけどね。

日本でレクサスが大人気で、中小企業の社長たちはみんな乗ってます。それどころか個人も残クレ使って多くの人が年収以上の高級車の乗ってます。はっきり言って異常なことでしょう。それを羨ましいと思うのは人情だけれども、冷静に見れば全部借り入れですから。借金ですから。

世の中が刹那的になってきたとき、危ないんですよ。1000万円の車には維持費が年間100万円かかります。そういうことは3年、4年と経てばしみじみとわかってくること。政権も同じでね、維持しようと思えば大きな維持費が必ずかかる。票を取ろうとすればもっとかかる。

そういう意味で米国の高金利がいかにとんでもないことか、また日本はこれから利上げサイクルというけれど、それがどういうことなのか、少しは冷静に考えないとね。