急激な円高と納得できない日経CFDの動き

急激な円高と納得できない日経CFDの動き

まさに異変というかポジションの大幅な巻き戻しが、ADP雇用統計ー労働省雇用統計という2つの米国雇用指標によって起こったというのがドル円相場。ちょっと目を疑うような¥144.19/$から¥142.08/$までの急激な変動・・・。そして日経平均CFDの不可解極まりない動きの結果、日経平均ドル建てでは昨日ザラ場の▲¥384を全消ししてなお1.07%上昇という引け値を付けた。

昨夜の雇用統計に関する記事でも書いた通り、ADPと労働省の雇用統計が大きな乖離を生んだのは、恐らく調査対象の差であって、製造業は窮地に陥っているものの、サービス業は依然として好調だったということに尽きる。そして昨夜の労働省雇用統計で雇用者数が減少したことを重視して、FRB利上げ観測が後退と捉え、ドル円は急激に巻き戻されたわけだが、米国債10年物金利は4.073%と上昇する中での動きだった。

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労働省雇用統計を見て、果たしてFRB利上げ懸念が遠のいたと言えるのか?と言えば、雇用者数は減少したものの平均時給は前月比、前年比とも上昇していてインフレ沈静化には程遠い中で、さらに失業率が3.6%という低水準を維持している中で、そう解釈するのは無理筋だろう。だからこそ10年物金利は上昇し、株価は下落したのだから。

(ブルームも同じ意見だ!)

必ずしも状況通りには動かないのが相場、と言われるけれど、ドル円がそう推移する中で日経平均CFDは昨日の▲¥384を打ち消すような上昇を見せた。その間に一貫して円高方向に動いているにもかかわらず、なのだ。結果としてドル円はほぼ一気に¥2-以上円高に振れた。その間日経平均CFDは米国株式市場の値動きと連動するように上昇し、大引けでは僅かに△¥10まで戻って終了している。往復¥300の行って来いになったわけだ。

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日経平均の値動きは4月以来米国市場との連動性が後退する傾向で、5月に入るといほぼ独自相場の色合いを濃くしてきた。この時になぜ日経平均(またはTOPIX)と米国市場の連動性が薄れたのかに言及するアナリスト、ストラテジストは居なかったし、6月の後半になってようやく欧州系の資金による日本株の上昇と後付けしたに過ぎない。

けれども約10兆円の資金流入が終了して、高値揉みあい相場に突入して以降徐々に米国市場との連動性が回復してきている。もちろん米系資金も多少とも日本株に投資されただろうから、そういう意味で為替レートはドル建て、ユーロ建てでの日本株に大きな影響がある。そして昨夜は米国株式市場と連動する形でCFDが動き、ドル円やユーロ円の動向は一切無視された。

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海外勢の、こんな日経平均CFDの弄り方をされたのでは、まともに勝てるはずもなし。昨夜は日経CFDの上昇する動きを見て「何を考えてるんだ!?」とイラついた。けれども反対方向の雇用統計の解釈が出るはずと言うことで、どの程度押すのかを楽しみに寝てしまった。

朝起きて米国3市場がマイナスに突っ込んでいたので、「やはり・・・」と思ったけれど、日経CFDはこれだけ円高が進んだのにもかかわらず△¥10とプラス圏を維持していたことに大きな違和感を感じたので、これを書いている。

これから決算シーズンに向かうという時期で、日本企業の好業績が分かっているからこういう動きになったと説明されると納得せざるを得ないけれど、それはまだ先の話。昨夜の状況では早すぎると思うが・・・。