天井伺いの週:日本株を読め!【1.14~1.17】
- 2020.01.11
- トレード予想
1月10日(金)日経平均引値 ¥23,850(前週予想なし) 日経平均CFD ¥23,696
日米市場現状
先ほど「ウクライナ機はイランが誤認して撃墜した」とイラン当局が発表し、これで米国とイランの衝突の危機は、ひとまず完全に解決したと言える。そして今日は、台湾総統選挙の投票が行われていて、蔡英文総統の再選が見込まれているが、中国がどの程度選挙介入しているのか不明なので、結果次第では日本の安全保障にとっては嫌なムードになる。
そして15日(水)は、いよいよ米中合意第一弾の調印が行われる予定。9日に中国側からも発表があったから、今回はドタキャンはなし。例によってトランプ大統領は「史上最大の合意」とか何とか、宣伝に余念がないね。月末にはブレグジットも確定しているわけで、そうなってくると、目先の株式市場の懸念は一気に晴れると言うことになる。
米・イラン問題
米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官をドローン攻撃により殺害して、緊張が走った米国・イラン問題。これに関しては米国は他の革命防衛隊幹部への攻撃も同時進行したが、それは失敗したという報道があった。実はこれがかなり大きな問題で、すでにソレイマニの後任がきっちり承認された形になっていて、その人物が米国が失敗した標的だったとするならば(イエメン・フーシ派を扇動している人物らしい)、革命防衛隊が暴走する可能性も大いにあると言うことになる。
自分が狙われたわけだから、米国に対する反感も半端ではないだろうし、そうした革命防衛隊の動きになったとしてもハメネイ師はNOとは言えないだろうから。
今回はイラン政府と米国との間に、ある程度の了解があったという見方もある。そうでなければ、事前にミサイル報復攻撃を米国にツーカーのイラク政府に通告するはずがないし、イラン政府にとってソレイマニは目の上のタンコブだったわけだからね。
しかし、今度革命防衛隊が何かをしでかせば、米国は革命防衛隊を徹底的に攻撃するかもしれない。特に米国人の犠牲者がでれば、躊躇う理由はないだろうからね。個人的には、イランにおけるイスラム教シーア派の政治的支配が終わる可能性もあると見てるけど。イランの国家としての生きる道は、経済が破綻状態(北朝鮮並み?)の今、それしかないような気がするけどね。
まだイラン情勢は油断できないね。
米中合意問題
15日に調印される米中合意の中身は90%が農産物の購入合意であって、知的財産の盗用問題や資本市場の開放問題は、ある程度合意はあるものの、中国の国内法の整備がされていない以上、有名無実化の公算。いま、資本規制を撤廃したら中国から多くのキャピタルフライトが起って、中国経済はますます窮地に立つ。
それが分かりきっているから、いつもの調子で合意はするものの、実行しないというのが中国のお決まりのパターンだ。なので、本来株式市場が冷静ならば、既にこの問題は材料にはならないはずなのだが・・・。
ところが、今の株式市場は「達成感からの材料出尽くし」にならないから不思議なんだ。本来の需給からすれば、当然利食いをしなければいけないような局面でも、なかなか売られない。今回のイラン問題でも、ほとんど売りらしい売りの局面にはなっていない。
こうした現象を、アナリストは「金融相場だから」の一言で片づけるけれど、QE相場には言及しない。個人的にはどうも別の要因もあるような気がするけれど・・・。
日米材料枯渇
さて、米中合意でご祝儀相場になった後、今の株式市場の水準を維持するような、材料はなかなか見当たらないのも事実。既にFRBは利下げも利上げも(当面は)なしと宣言しているわけで、そうなれば当然、決算相場になるだろう。となると、来週は日米ともに一旦は相場の天井となる可能性がある。
今回の決算は米国では本決算と今期見通しの発表になり、そこで(今期を)楽観するような見通しが出てくれば、相応の動きになるだろうけれど、日本の場合、3Qで好決算はなかなか望めないからね。通期下方修正も出始めると来週は天井に成る可能性が相当に高い。
米国ダウ日足チャート・テクニカル
米国ダウの日足チャートは、75日線との乖離とか、昨日の包み陰線とか部分的には嫌な面もあるかもしれないが、とにかく15日の米中合意を好感して再度、上値を追う可能性も相当に高く、$29,500位はあるかもしれない。
ただ、大台の$30,000は現状では難しいと言うことで、そのあたりが上値の目途(上限)に見える。
それにしてもイラン問題で揺れた最中のダウは異常なほど強かった。所詮、イランとの衝突は相手にならない、取るに足りない問題と横綱相撲をしてるように見えた。
日経平均日足チャート・テクニカル
さて一方の日本市場は、年始から大幅に下ぶれた分だけ、戻りも大幅だった。昨夜のCFDで25日線手前まで来ているけれど、恐らく月曜の米国市場は反発するだろうから、結局のところ終値近辺まで戻すような動きになって火曜の朝を迎えるはずだ。
そこから、米中合意に対する好感が先行する形になると考えるので、恐らく週末は¥24,091を上回るのでは、と予想している。そしてそこからもう一発上昇した¥24,200辺りが目先天井となって、あとは決算の織り込み相場へとなるはずだが・・・。
相場のことなので、あくまでも予想というレベルだけど。
1月17日(金)日経平均予想
今の相場が、金融相場であって、実質的にはQE相場であるということを考えると、「米中合意調印による材料出尽くし」はなく、またこれをトランプ大統領は大いに煽るだろうから、一旦は好感して上昇するような動きになるのではないか?
しかし少なくとも日本企業の主力決算は、恐らく通期では期待外れであって、今後の見通しもかなりシビアに考えているという部分も加味すると、目先天井となっても不思議ではないと思われる。
従って、上限を¥24,200と予想するものの17日(金)引け値では利食いに押され、¥24,000陥落となる?
日経平均株価 ¥23,950 ドル円 ¥109.60
を予想する。
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