株式投資に必要なのは、勝つ感覚、儲ける感覚、成功する感覚
- 2020.01.13
- トレード雑感
「株式投資で勝つ方法」やら「本当に勝ててるの?」といった疑いの質問やら、こんなブログをやってるといろいろ言われたりするし、身近な人にそういうことを質問されたり、そんな目で見られるのは、良い気持ちがしない。昨日も義理で出た新年会で、そうした類の質問をされて凄く困った。
恐らくこのブログの読者の方々も、そういう思いで読まれているのかな?と思うと、あまり誤解されるのも嫌なので、できるだけ分かり易く、かつ本質的な答えを用意しようと思った。
想像し得ぬ将来
これから先、世界経済はどうなる、どんな出来事がある、なんてことは絶対に、だれにも分からない。それってどんなに逆立ちしたところで過去に戻れないと、似てるよね。
ある学説では「時間という概念」は存在しないということで、注目を浴びているけれど、まさにいま、生きている人間にとって、現在のその瞬間だけしか認知できないわけで、未来や過去は想像でしかない。ちなみに過去は事実かもしれないけれど、今の現実とはまったく関係がない、という感覚でしかない。
よく「過去からの繋がりが現在をもたらし、現在が将来を決める」などと言う人がいるけれどね。「歴史を学ぶことは現在を知り、将来を予測すること」と「温故知新」のようい言われると、本当に真実味が出てくるけど、人間の思考というのは何かに関連付けないとなかなか成就できないものらしい。
なので、株式投資もチャートが非常に重要視されるしね。
けれども、たとえば歴史を学んで、歴史のある時点で将来を予測できたのか?という視点で考えてみると、恐らくそんなことはあり得ないものと分かる。人間には現実には何も分からないんだよね。
まして株価の将来なんか、まったく誰にも分からない。地震予知と同じで想像するのは勝手だけど。
「勘」と言うよりも「感覚」
成功した起業家は、企業の時「そんな事業は大丈夫なの?」とみんな疑われる。特に絶対に信じないのが銀行で、あいつらは信用して応援します、と言いながら担保を根こそぎ取る。要するに事業が成功しようがしまいが自分のビジネスさえ広がればよいという態度なんだ。
でも成功する起業家は、無謀と言われようが、笑われようが、自分の感覚を信じるんだ。というか、意地になってもそれしか信じられるものなどないからね。
そういうのはメチャメチャ孤独だけどね。
株式投資の場合も、まずは自分がどういう感覚で投資するのか?が非常に重要だと思う。
俺みたいに短期でちょこちょこ派は、常に今の地合いってどうなのか?って気にして、売りだ、とか買いだ、とか決めてる。様々な要素はあるにしても、それをすべて分析して、なんてことはできるはずがないし、つまりは情報をかき集めて、自分の中の感覚を醸成するしかないんだよ。
それは、基本的にどのようなレンジで投資を考える場合も、共通した感覚だと思う。短期であろうが、中期、長期でも、今後どうなるだろう?という感覚を自分の中でしっかり持って投資するしかない。
上がると思えば買う、下がると思えば売る
投資家それぞれの根拠はいろいろあるとしても、上がると思えば買うし、下がると思えば売る、という投資行動は不変だ。それは、個人でも、機関投資家でも、ヘッジファンドでもみな同じ。だからチャートのローソク足を見て、陽線のときは、多くの投資家が(将来)上がると思っていた証拠で、陰線の時はその逆ってことになり、それもほぼ間違いないことなのだ。
株式投資というのは「現時点の株価から将来上がるか下がるかを予測すること」なのだから、そうした投資判断を決定づける根拠を分析できたりすると、優秀なアナリストなんて評価もされる。
けれども現実には、どのような根拠があろうと、大半は予想は当たらないもの。ちょっとした要因で常に買いと売りの拮抗は崩れてしまうからだよね。
そういう波間で含み損になると損切りしてしまうのが、いちばんダメだ。もちろん損切りが必要な局面もあるけれど、損切りラインを決めて機械的に、なんてことをやってると損切り貧乏になる。よく評論家は損切りラインをなんて言うけれど、あいつら本当に株やってんのか?って言いたいよ。
損切りする時はいつ?というと、ヤバイと感じたとき、と答える。
理論では動かないのが相場
このところのトランプ相場は、本当にテクニカル泣かせだ。テクニカルが役に立たないと言う意味ではないにしても、日足チャートや移動平均で予想しても、かなりの確率で裏切られたりするから、改めて相場と言うのは理論では動かないものと認識させられる。
でも考えてみれば、世の中に将来予測を確実にできた例は皆無に等しいわけで、投資でなくても人生設計とか、仕事とか、アクシデントが容赦なく発生したり、他人の影響を受けたりして、予定がすっかり狂ってしまった、んどということは当たり前のように起きる。
だから、株式投資に「ここで買えば(売れば)絶対に儲かる」というポイントは存在しないと思っておいた方がいいのかもしれないね。
たとえば、株式投資を50年、100年のレンジで考えると、それこそ過去を見ればどこで投資しても確実に勝てた。ならば、ロングレンジなら勝てると思うのはある意味では正解なのかもしれないけれど、未来永劫資本主義システムが継続するのか?と考えると、それは結構怪しくなってくる。
資本主義は年々成長する物だから、と言うのは正しいことかもしれないけれど、資本主義はこの先どうなるかわからない、ということを完全に否定できる根拠でもない。
いろいろと考えてみると、将来を予想することは不可能だ、という結論になってしまうし、それは「理論では動かない」とほぼ同義なんだろうと思います。
勝つためのセオリーはない
「どうしたら株で儲かりますか?」と聞かれたら「株を買うしかないよね」と答えることにしてる。自分は売り(空売り)のほうが多いので、無責任な回答だな、とは思うけれど、実際株で儲けるためには「株式投資をするしかない」のは事実だからね。
では既に株式投資をしていて負けが混んでる人に「どうやったら勝てる?」と聞かれると、これは答えに窮するよね。なぜなら、そんなセオリーがあるなら、こっちが知りたいわけだから。セオリーに従って儲けられるならば、50年後に俺はバフェットになってる!(苦笑)もっともその時には生きてないけれどね。
世の中には勝ってる投資家も相当数存在するわけで、そういう人はどんな局面でもだいたい何とか乗り切ってゆく。けれど個人投資家の90%は負け組、と言われるほど多くの個人投資家は負けちゃってるという事実もある。
それをどう見るか?どう理解するか?の問題なのだと思う。
俺自身、その違いは「勝てる感覚を会得しているか否か」なんだと理解しています。でもあくまで「感覚論」だから実態はないし、確信もないものだけど、人間の思考や行動が、その時々の感覚によって決められるということを考えると、その感覚そのものが、勝つためのセオリーのようなものに成り得ると思ってます。
けれどセオリーという固定化した概念は危険で、その時々で柔軟に感覚で変えうるようなふわふわしたもの、と理解すべきだと思う。
勝ち組にまわった個人投資家B君
値動きのいい小型株を専門に取引しているB君は、何年も負け組だった。まさにギャンブル投資のような張りっぷりが鮮やかで、様々なブログの中でも最後まで読み続け、いまだに時々御邪魔して奮戦ぶりを楽しませてもらっている。
そのB君の資産経緯はすさまじく、決して多くない資金をあっという間に1000万にしてしまうかと思えば、半年後には資金ゼロ状態に陥るという激しいさ。小型株ばかり弄っていると、あの値動きならばそういうこともあると思う。勝つときは100万円が翌日にはもう150万円になり、1週間後には500万円になってるわけで、この人は一体どういう張り方をしてる?としばしば、不思議でさえある。
けれども、負ける時は本当に良く負けて、僅かな期間で1000万円がゼロになってしまうくらいだから、とにかく株式投資ジャンキーなんだな、と思わざるを得なかった。
それが去年の10月頃から連戦連勝で、200万円位の資金が年末には3000万円近くに化けていた。そのプロセスでB君は一旦資金を調整して1000万円位を口座から抜いて、投資を再開した。そういう投資姿勢をみて、彼は間もなく億トレーダーになるな、と確信した。
他人のブログなんか、参考にはならないだろうし、単なる投資の間の息抜き程度に思ってる人も多いだろうけど、やっちゃった投資家は、投資感覚がガラリと変わってることが分かる。
銘柄選びも何もかも、乗ってくるというか、プラスの回転で転がり始めるんだよ。けれど、その理由は投資家自身の株式投資に対する感覚、株式市場に対する感覚がガラっと変わっているんだね。そしてその感覚を身につけるともう、なかなか負けなくなると思うし、B君は何年もの悪戦苦闘の投資生活の果てに、遂にその感覚を身につけてしまったのだろう。
勝ちをもたらす感覚を掴む以外にない
株式投資の勝ち方、いやFXでも指数先物でも投資全般に共通の勝ち方などという都合のいいものがあるはずもないけれど、自分の体験からしても、人に教えられる勝ち方などというものは、存在しないと思っているけれど、でも確実に言えることがあるとすれば、「勝つための感覚」を手に入れるしかないということ。
相場やザラバにもある種のパターンが存在することは事実で、デイトレードで噴いて売る、押して買うは小掬いだろうけれど確実に勝てるセオリーだろうと思うけど、相場全体の感覚がなければ、その投資行動を取れるかどうかがわからないし、またどこで入っていいのかもわからない。
パターン化して入ると、上放れたり下抜けしたりしてやられることも多い。なので、ノウハウが通用しない局面が多すぎることも、相場の難しさなんだろう。
けれども、じゃ、何が必要か?と言われると、「投資行動を裏付ける感覚」とでも表現するしかないと思う。
これから相場がどうなるか・・・それを感覚に従って投資行動することが、唯一無二の投資法であって、その感覚が「勝てる感覚」であるならば、勝ち組にまわれるということだと思う。
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