リバウンドが余り期待できない週:日本株を読め!【3.2~3.6】

リバウンドが余り期待できない週:日本株を読め!【3.2~3.6】

2月28日(金)日経平均株価 ¥21,142(前週予想¥22,800) 日経平均CFD¥21,121

日米相場概況

米国投資家の新型コロナ蔓延に対する反応は、想像を絶するほど過敏だったと思う。この問題で、米国株がここまで暴落するというのは、誰も予想だにしていなかったことで、少なくとも200日線処では逆張りの買いも相当に入ったと思われる。世界経済を牽引していた米国経済だけに、また少なくとも1月までの経済指標に弱い部分もなく順調に推移しているということで、政権やFRBなどは、米国経済のファンダメンタルズの強さを強調していた。

しかし連日報道される新型コロナの恐怖に、投資家はポジティブな投資行動を取ることはなかった。結局、先週末のダウ$28,992から週末の最安値は$24,681と最大で$4,311もの暴落を演じる結果となり、そこでFRBパウエル議長の口先介入となって引け値は$25,409まで$800以上のリバウンドを大引け前僅か15分で演じた。

まさにハイボラ相場極まれり、という感じである。

一方日経平均は、先週引け値¥23,386から週末の最安値¥20,916まで、¥2,470の下落となり、大引けでショートカバーによって¥21,000をかろうじて突破し、¥21,142で引けた。しかし、同夜の日経平均CFDは米国ダウ連動で¥20,462までの厳しい展開となったものの、パウエル市長介入によって、¥21,121まで戻すと言う展開。

米国市場の暴落と比較すると、ドル円が円安に傾いていた影響もあり、かなりマイルドな暴落となった印象である。

米国ダウ日足チャート・テクニカル(MACD)

米国ダウは、FRBパウエル議長の3月利下げを示唆する口先介入によって、最後の15分間で大きくリバウンドし、恐ろしく長い下髭を伴った陽線の出現で、セリングクライマックスと言える日足が出現した。少なくともテクニカルでは、十分にセリクラの要件を満たしていて、来週はGUスタートとなれば、「長い下髭陽線+明けの明星」という古風な表現がぴたりと嵌りそうだ。

しかしこれからの局面は、テクニカルと同等のウエイトで、新型コロナや、それに伴う経済の腰折れ等のネガティブな要因を考慮しなければならない。だがこの場面は「目先のセリクラ」という捉え方をするしかないと思われる。米国ではワシントン州で遂に新型コロナによる死者が出た、と言う報道があり、感染者数もCDCがウイルス検査を増やすことで増加するのは必至だ。

しかし、それ以上に問題視しなければならないのは、窓空け急落を演じて200日線まで暴落した2日間の事情かもしれないと思う。これが発生した2月24日、25日には、それほどの悪材料はなかったと思われることから、何らかの情報をもとに大資本が先行してポジション解消に動いたのではないかと思っている。

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今回の新型コロナ蔓延に関しては、中国はもとより、米国、そして日本も実態を隠ぺいしようという当局の姿勢があると思っている。もっとも気になるのが、安倍首相のまったく理解できない姿勢で、通常ではあり得ない政策を曖昧でちぐはぐなまま発言し、行っていること。そして、米国は新型コロナの情報をこれもあり得ないほど出していないこと。

もしも、その理由が厳然と存在し、それが米国ダウの24日、25日の暴落の真の要因であるとするなら、とてもこの先先入観を持って史上予測などできないだろう。

米国債10年物金利

リスク資産の株式市場よりもはるかに市場規模が大きな債券市場いおいては、パウエル声明は極めて限定的でしかなかった。長期で見れば、1.400p台のレジストラインをブレイクし、史上最安値水準に突入した米国債10年物金利だが、日足で見てもその急落ぶりは異常としか思えない。これは急激に安全資産への資金シフトが起こったということで、金利低下に歯止めがかからない状況に成りつつある。

少なくともパウエル議長は3月に0.500pの利下げを行うと言われているが、そうなると2年物、3年物金利は限りなくゼロ金利に近付く可能性もある。基本的にその影響はまず為替に現れると思う。

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その後も株式市場のリバウンドが限定的で、下落が続くようであれば、FRBの政策は完全に行き詰まる。3月の利下げは、FRBにとってまさに諸刃の剣だ。従って今後の最大級の懸念として、利下げに対する反応如何では、FRB最大の失策となりかねない。

日経平均日足チャート・テクニカル(MACD)

米国ダウ同様に日経平均も200日線割れ後の厳しい下落に見舞われた。ただMACDでは米国ダウが短期移動平均が-850まで突っ込んだ事に対し、日経平均は-500に届かないレベルにある。なので、それをしてブログのタイトルに「下げ足りない」と付けたわけだが・・・。

日足を見る限りでは、まったく下げ止まった様子は感じられず、下値は¥20,000~¥20,500を予感させる形となっているが・・・

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CME日経先物日足チャート(MACD)

しかしながら、パウエル発言によって、CME日経平均先物は、ダウ同様に長い下髭を付けて、セリングクライマックスであることを示唆した。従って週明けの日経平均はGDスタートになる可能性が極めて高いし、¥22,000水準までの大幅な戻りも十分に考えられる。

仮にそうなれば、上値のレジストラインが200日線となるのだが、新型コロナの蔓延状況、そして企業業績懸念等々ファンダメンタルズの悪化と綱引きする形に成らざるを得ないだろう。

従って戻りを計算できるのは現時点では週初月曜のみ、というくらいで留めておいた方が無難なのかもしれない。

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ドル円日足チャート

日本市場は、為替連動である。そして仮にFRBの3月利下げ(0.500p)が、強まればドル円は急激な円高に見舞われる可能性が濃厚となる。そしてこのまま新型コロナの状況次第では円高に歯止めがかからず、¥104.00~¥100.00に突っ込む可能性は大いにあるだろう。

長期トレンドでは、¥104.00割れは必至という円高トレンドである。

それでもドル買いの流れが一向に止まらないとなったら、ドル円は踏ん張るかもしれないが、その場合日経平均は¥20,000割れが視野に入るのかもしれない。

3月6日(金)日経平均予想

今回の新型コロナ懸念による株式市場の暴落劇には、あまりにも疑問な点が多すぎる。上記したが、米国市場の24日、25日の大幅下落も納得できないのだが、米国債10年物金利の下落も、単純に「リスクオフだから」とするには、あまりに唐突過ぎる。まるで思いもよらない突然の、しかも大規模なネガティブサプライズが発生した時の反応のようだ。

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そして日本と韓国が、中国からの入国をシャットアウトしない事情も納得がいかないし、さらには日本政府の数々の曖昧な対応、そして突如として安倍首相が言いだした、幼稚園、小中高校の休校入り、各種イベントの中止要請等々、何か大きな理由が存在しなければ、理解できないことばかりが、今の日本社会で進行しつつある。

陰謀論ではないけれど、今回の新型コロナには、言うに言えない事情もあるだろうし、絶対に公表できない感染状況もあると思う。日本は最初から感染検査をする意思がなかったし、米国も同様なのだ。

中国の場合もそうだが、こうしたことは初期段階での隠蔽工作が、命取りになるのは明らか。

情報をひた隠しに隠しても、どこかにそれを基にした兆候が現れるものだ。それが今回の株式市場の大暴落だとしても何ら不思議ではない。だとすれば、株式市場はもちろん、今後の世界経済がどうなるのか・・・下手な予想は無意味であると言うことは明らかだ。

従って、とりあえず現時点での3月6日(金)の日経平均株価は、

日経平均株価 ¥21,000 ドル円¥106.00

と予想しておく。

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