金融緩和と景気悪化の綱引きの週:日本株を読め!【4.13~4.17】
- 2020.04.12
- トレード予想
4月10日(金)日経平均株価¥19,498(前週予想¥17,200)日経平均CFD¥19,331
日米相場概況
株式市場は新型コロナを3月の底値で織り込むことが出来たのか?というのが今週のテーマだったような展開になった。先週は日米市場ともに、米国で感染者がピークアウトしたという観測と相まって大型の経済支援によって、新型コロナ収束後の相場を見るという超楽観的な雰囲気が株式市場を覆っていたような気がする。
米国市場概況
FRBの再三に渡る大型の金融緩和策、そしてトランプ政権による大型の財政政策によって、投資家は3月の下げを底値とした投資行動をとるようになった一週間だった。新型コロナの感染状況を警戒するということは、その経済的影響を懸念するからである。
現状ではこの先どういう展開になるのか分からないが、それでもいくつかの仮定を立てやすくなった週でもあった。そして株式市場は新型コロナは収束に向かうとともに、経済活動は復旧しある水準までの戻りは早いのではないか?という仮定が主流になったわけだ。
しかし週末に近付くにつれて、その「ある水準」を想像する段階にきたと思われる。木曜のさらに悪化した新規失業保険申請件数と同時に発表されたFRBのさらなる金融緩和が綱引きをするような相場になって今週の取引を終えた。
日本市場概況
日本では週初に安部政権による緊急事態宣言と緊急経済対策が発表になった。これは米国と同じ手法をとったこともあり、また米国市場が上昇していたこと、ドル円が円高に振れなかったことも相まって、手堅く上昇したように見える。
しかし、安部政権の緊急経済対策は事業規模108兆円で過去最大と言いつつも、その内容はほぼすべての国民の失笑と失望を買う内容だったと思う。基本的に今回の新型コロナに影響は、予想外に厳しいものであって、政治家が考えていることは、あまりに現実離れしている。
社会全体を考える場合、新型コロナを人為的(政治的)淘汰の具に使ってはならないと思うし、淘汰は自然に行われるものでなくてはならない。となると、ほぼ大部分の国民を無視するような経済政策は、日本社会がどうなっても仕方がないという政治的なメッセージでもある。
したがっていくら日本市場がドル円次第、米国連動とはいえ、独自の評価が出て来ても不思議ではないし、むしろ改めて緊急経済対策の評価が来週はなされるべきだと思う。
米国ダウ日足チャート・テクニカル
一見非常に順調に戻りを試している日足チャートになっているダウだが、75日線と200日線がデッドクロスしている中で、どこまで戻れるかが今週の課題でもあった。木曜の状況、つまり新規失業保険申請者数が拡大する中、危機感を募らせたFRBの緊急金融緩和によって、GU幅を維持したものの、上を目指すことができなかったことを考えると、個人的には戻りの$24,000はいいところなのではないかと思った。
したがって来週の米国ダウは、上値は瞬間的な$24,500はあっても週の後半は下落が先行しそうであって、$23,000~$22,000でのもみ合いになると予想。そして月曜からGDスタートになる場合は、結局5日線を維持できずに下落モードに突入するパターンもあるかもしれない。
日経平均日足チャート・テクニカル
日経平均は基本的に米国連動という動きは変わらないのかもしれないが、国内経済のセンチメントは完全に悪化方向であり、政府の緊急対策への失望感が日本社会全体を覆っている。したがって¥19,500~¥20,000という価格帯、もっと言うと¥19,500は強固なレジストラインになる気がする。
日足チャートは明らかに、政府政策に対して上げ渋りの形となっていて、月曜はGDスタートになると思う。しかし、今週の読みからして、来週は落とされる予感が非常に強い。来週が弱く推移すれば、その後弱いままに決算相場へと突入する可能性も大いにある。
4月17日(金)日経平均予想
体調が思わしくなく、この週末はあまり調査もできなかったために、内容が希薄になってしまった。しかし、今回の新型コロナ相場は、従来の急落時のように比較的早く金融相場に復帰するという動きにはならないと思っていて、おそらく今後は様々な金融事故もあると思われる。
したがって、この戻り相場は短期相場で、(基本的には)買ってはいけない相場だということに変わりはないと思う。
新型コロナで、テレワークや営業自粛などにより証券口座を開く個人投資家が非常に多くなった。だが、ここでの買いは非常に危険であるし、待ちの姿勢は崩すべきではないと思っている。
したがって過去2週の予想は大きく外したが、今回の予想も変わらず下と見る。
日経平均株価 ¥18,500 ドル円¥108.00
を予想しておく。
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