突然バブルの狼煙が上がった夜
- 2020.08.27
- トレード雑感
今夜(22時10分)、FRBパウエル議長によって遂にバブルの狼煙が上がったと個人的には理解した。
【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は27日、ゼロ金利政策を長く続けるため、2%の物価上昇率を目指す政策指針を修正すると決定した。金融政策の目標として「当面の間は2%を上回るインフレ率を目指す」と明記。利上げは少なくとも2023年以降になる見通しだ。
金融政策を決定する米連邦公開市場委員会(FOMC)が27日発表した。FRBは「長期的なゴール」として2%の物価上昇率を政策目標に掲げているが、今回決めたのは「2%の平均物価目標」への変更だ。27日公表した声明文には「物価が2%を下回ったままなら、その後は当面2%超のインフレを目指す」と明記した。2%を到達点とするのではなく、一定期間の物価上昇率を平均で2%とする考え方だ。(日経より引用)
このFOMCの発表はまさに衝撃的だった。まさか、現状の金融政策をここまで引っ張るとは、さすがに誰もが寝耳に水だったと思う。これは2%の物価上昇を最低ラインとして突破するまで、あらゆる政策を駆使すると宣言したも同然だ。そしてなんと利上げを2023年以降とガイダンスしている。
歴史的なFRBの金融緩和政策とトランプ政権の(新型コロナ対策)財政政策によって、空前の金融緩和状態がもたらされた米国で、(空前の)不況下にもかかわらず株価はほぼビフォアコロナの水準を奪還したわけだが、このタイミングでFRBは「必要とあらばどんどんQEを続ける」と宣言したと同義である。
言ってみれば、これがバブル相場に火をつけるFRBパウエル宣言になると思う。
ジャクソンホールでのパウエル議長は「インフレ率の低下は極めて深刻なリスク」と発言した。背景には当然、非常に厳しい実体経済があることは明らかで、もはやFRBでさえ、有効な金融政策を追加する余地はさほど残っていないのも現実だ。
FRBではYCCやマイナス金利といった極端な金融政策に関しても十分に検討されてきた。しかし、いずれも副作用が強くさらに日本の実体を見ると有効に機能しているようには思えないという懐疑的な意見になった。しかるに、9月を待たずに当月中に強力なフォワードガイダンスを発表することで、金融緩和効果を最大限に引き出すという方針に傾いたのだと思う。
もちろん、その結果、株式市場はさらに高みを目指すだろう。株高効果でさえ国内消費を喚起する手段としては米国では十分に有効だということだろう。
これで、9月、10月に新型コロナワクチンに関する発表が相次ぐだろうし、そうなるといよいよ株式市場はバブルに突入することになると思う。
8月27日、遂に米国株式市場はバブルの扉をこじ開けたかもしれない。
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