株式市場は四面楚歌 個人投資家がターゲット?
- 2019.05.20
- トレード雑感
令和相場になって一気にセンチメントが悪化した。米中交渉が事実上決裂して、株式市場への影響を減らしたいという思惑で、トランプ政権は痛みを和らげるコメントを続発してるけれど、そうした状況下で米国は対中制裁を粛々と実行に移している。
米国は国防権限法や米国輸出管理改革法(ECRA)を根拠に中国の先端企業への禁輸措置を強化した。これで事実上ファーウェイは米国市場から排斥されただけでなく、製品の生産そのものに大きな障害が生じることになる。
そして遂に米国のハイテク企業が同調してファーウェイに対し販売を停止すると発表した。
こうした流れはますますセンチメントを悪化させるだろうね。そしてトランプのツイートも神通力を失うのも時間の問題のように見える。
株式市場のトレンドは変わった
5月6日のトランプ大統領の怒りのツイートで株式市場の世界的な戻りトレンドは転換したと思う。日経平均株価は、令和突入から手痛い6日続落を喰らって完全に投資家マインドは青菜に塩。誰もがご祝儀相場を期待した場面での6日続落は、個人投資家のセンチメントを完全にへし折ったね。
年初から上昇(戻り)相場に転換して、確かに主力銘柄の株価は上昇した。しかし、日足チャートを良く見ると年初から10連休前までの楽観相場で、個人投資家が「買い」で獲れたか?というと、ほとんど取れなかっただろうと思う。獲れないどころか、恐らくマイナスしただろう。
なぜならこの間、スイングトレードが出来るようなシーンが見当たらないからだ。
上昇相場であっても、ワンナイトのGU・GD(米国市場追従)があまりに激しすぎた。こういう日足で不連続なチャートに成るときは、個人投資家がもっともやられるとき。
ましてトレンドが変わったとなれば、日中の何処で買っても「買ったら負け」になる可能性が濃厚だ。
個人投資家を誘う日中足
海外短期筋(ヘッジファンド等)や国内証券ディーラーなどの投資手法は年初からの戻り相場であっても、ますます短期トレードに徹してきてる。以前なら持ち越すような地合いでも、持ち越せない。要するに儲からなくなってきてるのだ。
だから、令和になってからますますデイトレード(日計り)が増えてきてると感じる。
日中に上限のボイラティリティが結構でるから、個人投資家は買いたくなるんだよ。日中の底値狙いで買いついて、上がり始めるとすぐに売り物が沸いてくるという板が多いのも、まともに戦っても勝てないから、日中少しでも利幅を積み上げたい、と考えているに違いない。
そうした値動きを見ると、個人投資家は我慢できなくなって買いつく。上手く乗れたら結構なプラスで大引け。その時持ち越したくなるのは人情というものだが、一晩持ち越したらGDされて憤死みたいな、ことが延々続いてるんだよね。
そうなると、日中の値動きはまったく当てにならず、「買い」で乗せられた個人投資家が翌日のGDで売らされて、の繰り返しだ。
生き残るには空売りするしかない
いま正直に言えば、短期で勝てるとしたら、「空売りのワンナイト」しかないと思う。幸いにして令和になっても負けないで済んでるのは、そういう地合いだから。俺の投資が上手いとか、そういうことは全くなくて、ザラバではとにかく売りタイミングだけを測ってるのが、地合いにマッチしてるんだろう。
そうなった理由もおそらく、海外投資家のディーリングがどんどん短期になってるからだと思う。国内だってザラバに参加してる投資家のほとんどは、待てなくなってるからね。どんどん短期になってきてる。
個別銘柄も本当に上昇が3日と続かないしね。ジリジリ上昇してストンと落とされたら、儲かるはずがない。
なのでバカになって空売り勝負に行ってるもんな。
ワンナイト持ち越して踏まれてもこの弱気相場だから必ず日中のどこかで売りが来る。だから朝寄りでマイナスしてても、我慢すると何とかなってる、みたいな綱渡りも結構あるんだよね。
売りポジションは後場寄りと大引け前で建てる。地合いを見ながらだけど、中途半端な位置では建てても仕方ない。それを大きく負けるまで繰り返すしかない相場だろうと思ってます。
けれども、「何とかなる相場」なんだよ。そういう相場だから「弱い」と思ってるだけだけどね。
まだ空売りで勝てると思ってる
相場自体が金融相場で、なおかつファンダメンタルズよりもセンチメントに大きく振らされる地合い。こういうときには真剣に「買い」で狙っても、思うように上昇してくれないんだよね。
そうなったのは、ある意味トランプ大統領のツイートが原因なのよ。
ツイッターでコメントを書くことで相場が敏感に反応するわけだが、それってファンダメンタルズなんか関係ないものね。全部センチメントなのよ。
米国市場はもう2年半もそういうことに慣らされてしまったんだ。
だから、個人投資家だって、それに対応した考え方をしないと勝てるはずがない。
本当にトランプは罪つくりだよ。いまでは調子に乗って政権の幹部どももツイッターするようになってるし。まったく止めて欲しいよね。
だから、なんでもないことろでグイグイと上昇しちゃって、原因調べるとツイートだったとことになるんだが、だからいちいちそう言うのに乗っちゃって一晩考えてみたら売りだった、なんてことになったりするし、ネガティブな要因が出るとたちまちセンチメントが変化して大きく下がっちゃう。
「金融相場かつセンチメント優先の相場」だから、そうなっちまってる。
日本市場も先行きは悲観的
これから先日本市場もどうなるか、本当に分からない。分からないけど楽観なんか出来るはずがない。
消費税増税は延期しか選択の余地がない。
にもかかわらず、増税しようと言う売国奴がうようよいる。官僚なんか増税すると本当に楽しいらしい。そういう奴等が政治や行政の中枢にいるのよ。で、そういう国家を海外投資家はどう見るか?ってことなんだろう。
心の底では「クレイジーだ」なんてほくそ笑んでるに違いないね。
日本市場は四面楚歌
1-3月期GDP1次速報が年率換算で名目3.3%プラス。これで消費税増税延期が怪しくなってきた。中国依存の高い輸出企業の業績が悪化し、内需企業も消費税増税ならどうにもならない。
イラン情勢の緊迫で原油価格上昇の可能性が大。そうなるとますます、消費が落ち込む可能性が高くなる。
デフレになりそうで円高圧力も高まる。
今の日本市場は輸出ダメ、内需ダメ、金融ダメ、食品ダメのまさに四面楚歌。そんな状況でいつも外資のターゲットになるのは個人投資家なんだよね。
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