日本株は最悪の展開を覚悟すべきかも

日本株は最悪の展開を覚悟すべきかも

来週は本格的な決算シーズン突入の空白週になるわけだが・・・、どうも来週あたりからの日本市場の雲行きは俄然怪しくなってきてるよね。この週末は、日米首脳会談は成功だった、みたいな報道があの!?朝日を中心に結構出ていたけれど、どう考えても菅総理は冷遇されてたんじゃないのか?と思う。

冷遇というよりは、とにかく日本政府が事前交渉で共同声明の中に「台湾」という文言を入れることを頑なに拒んだことが、米政府の心証を悪化させたというのが実態のようだ。あの、日米共同声明の中には「台湾」はなくて、蓋を開ければ「台湾海峡の両岸の平和と安定」という特異の玉虫色の文言が入ってた。それを日本の馬鹿メディアは、80何年ぶりに共同声明に「台湾」が入った、とか言って騒いでいるのだから、本当に程度が低すぎる。

Advertisement

この件はバイデン大統領でさえ「中国と経済的な関係の深い日本の立場を尊重する」みたいなコメントをしていたけれど、馬鹿メディアが「ジョー・ヨシという間柄」と盛んに報じていたことが本当にどれほど的外れかが分かる。

菅総理(と外務省は)バイデンがどういう人物か分かってないよ。一番印象に残っているのはオバマ大統領に随行して来日した折に、拉致被害者家族との面談が予定されていた。オバマはそれが嫌だったらしく、随行のバイデン副大統領は面談の場で、高齢の拉致被害者家族の椅子を撤去させて、挙句に面談時間を5分、とか10分に短縮するよう頑強に要求したんだよ。つまり、日本の拉致被害なんていうのはバイデンにとっては関わりたくない問題なんだよな。そのバイデンに日米協力して拉致問題の解決を要請したわけだから、バイデンは気分がよろしくないんだよ。

Advertisement

この問題はトランプ前大統領が親身になってくれたので、余計に比較されたくないから、関わりたくないのよ。だいたい当初日程が7日間も延期されたことも、「台湾問題」が大きくかかわっていると言われていて、最初からしっくりこなかったのは事実。

ホワイトハウスを訪問したとき出迎えたのは副大統領のカマラハリスだったけど、普通の常識からしてその館の主が出迎えるんじゃないの?で、主と言えばバイデン大統領でしょ!その挙句に夕食会をキャンセルされて、たった20分間の粗末すぎるハンバーガーランチに変わってしまった。あんなでかいもの、20分は食えるわけないし、まして老人のガースーじゃ手がつかなくて当たり前だろ。

今回の訪米は属国扱いを受けていた時代に逆戻りだよ。少なくともトランプーアベ時代はこんな無様なことはなかったし。そして会談の翌日にはバイデンは仲間とスタスタゴルフに出かけてるし・・・。で、もしかしたら菅政権の次はないっていうのを米国は感じているのかもしれないしね。

Advertisement

さて、そうした日米首脳会談の直前には、ウイグル・ジェノサイド問題に関係して、なんとファストリ、アシックス、良品計画という日本企業がウイグル産の綿花を使用していたと告発された。そしてファストリの柳井会長は「政治的に中立」と言い放って今後も使い続ける姿勢を示したし、アシックスも良品計画も使わないとは言わなかった。挙句にファストリはフランスで告訴までされちゃってる。

この新疆・ウイグル問題に関してはもはや世界中でどういう対応をとるのか決まっているわけで、それを使う企業は恐らく欧米市場では今後商売すらできなくなる可能性がある。人権侵害問題は特にEUでは最重要課題でもあるし、米国だって民主党政権なのだから、そうした企業を笑顔で迎えてくれはしないよ。とにかく今は、世界中で環境問題と人権問題で問題のある企業は、融資や増資はもちろん、金融機関との取引でさえままならなくなると言われてる。

いま原油価格が高騰しているのは、世界中の大手バンクやファンドが石油・石炭の開発に対する融資を差し止めると宣言しているから。原油はほぼ無尽蔵に埋蔵されているけれど、新規投資がままならないから油田の新規開発が出来なくなっていて、その意味では原油は現行の油床が枯れると次がやばいという状況を人為的に作り出しているからだよ。

Advertisement

というわけでとにかく今は、パリ条約とウイグルジェノサイドには絶対に触れてはいけない状況なんだよね。にもかかわらず、今度はとんでもない報道がとうとう出てきてしまった。キヤノン・グローバル戦略研究所のレポートによれば、環境問題の目玉である太陽光パネルは、世界中の約半数がウイグルで生産されている原料を使っていると・・・。具体的には中国製の安価な製品に使われているシリコン鉱石を製錬して作られる「多結晶シリコン」は約50%はウイグルで生産されている・・・つまり、現在の主流である「多結晶シリコン」方式のパネルは、もしかしたら使用できなくなる可能性が出てきてしまうわけだよ。

綿花を槍玉にあげて、太陽光パネルはいい、というわけには行かないだろう?

なので明日からの相場は、1)中国関連銘柄の重石 2)ウイグル綿花問題の重石 3)ウイグル産多結晶シリコン関連の重石 と三重苦でスタートする可能性は高いと俺は見ている。しかも、加えて新型コロナ変異種感染急増と東京五輪開催が危機的状況であること、さらには来週の状況如何では緊急事態宣言再発令の可能性もある。

ただでさえ、綿花問題でファストリが嫌われたりすれば、日経平均は上がり様がなくなってくるしね。再生可能エネ銘柄もテーマになっていただけに唯では済まないかもしれないし・・・。

まさかね、この状況では、いかに金融バブルとは言え、決算前の好決算期待とは言え、はそうですかと上値は追えないだろうと思うけどね。

なかなか、厳しい状況いなってきたもんだね。

Advertisement