【株・勝ちパターン】金融相場はセンチメント+テクニカル
- 2019.05.29
- 投資手法
今の株式市場は一言で表現すると、「金融緩和による投資資金が溢れている状態」であると言えます。しかし、株価が一方的に過熱感を伴って上昇することがないのは、株式市場がセンチメント重視に変質しているから。
従来の株式市場にはない異質の相場になっていると思います。そこでは、勝ちパターンもおのずと変化しているわけです。従って投資をする上では、そのことを意識して参加する必要があります。
所謂、勝ちパターンの構築ですね。
短期投資の勝ちパターン
率直に言って、今の相場の動きはセンチメントの比重がより高まっています。特にトランプ大統領となってツイートすることで相場が動くように変質して以来、その傾向が強まりました。いまでは、トランプ氏だけでなく政権の閣僚達も率先してメディアに登場するようになっています。
つまり、政治が積極的に相場に対して口先介入を行うことによって、投資家のセンチメントが形成されるようになっているのです。
となると従来のようなファンダメンタルズ重視の業績相場型の値動きよりも、センチメントの変化を重視し値動きを獲るというのが、短期投資での勝ちパターンになりますね。
金融相場とは?
金融緩和やカネ余りを背景に上昇する相場のこと。
不景気で企業業績が悪化すると株価が下がりますが、景気対策として金融が緩和されると、いわゆるカネ余り状態となり、ダブついた資金が株式市場に流れ込み、不景気の株高現象が生じます。これを「金融相場」といいます。
(大和証券WEBページより引用)
一般的には金融相場は上記のように説明されますが、確かにリーマンショックからの立ち上がり期ではそうした解説でピタリときます。しかし今は、金融緩和によって不況を克服し、好調な経済を背景にカネ余りの状態が継続している状況と言えるのではないでしょうか。
特に米国経済は非常に好調で、景気回復によって緩和資金が増幅し、さらにトランプ大統領の減税策によって市中に資金が溢れている状況です。そうした余剰資金が余っているにも関わらず、米中対立によってキャッシュ化され虎視眈々と新たな投資先を物色している状況なのですね。
海外投資家比率の高い日本市場は、ここ数年米国市場に追従する値動きをしていますので、米国市場の状況の影響をモロに受ける市場となっていて、日銀の金融緩和の影響もあいまって金融相場の色合いが非常に濃くなっているわけです。
株価予想はセンチメント重視
こうした金融相場の背景や米国でのトランプ政権の頻繁な口先介入によって、センチメントは株価変動の大きな要素となりました。
センチメントとは「市場心理」と訳されます。投資家の株価に対する期待感は、市場を取り巻く雰囲気や条件の変化によって敏感に変動するものです。現在の株式市場での値動きは日米市場ともに、センチメントのウエイトが非常に高くなっています。
従って個人投資家のレベルでは、このセンチメントをどう解釈するかが勝負の分かれ目になるわけですが、公式があるわけでもないので、様々な情報から判断するしかありません。しかし、ヒントはいくらでも転がっています。
海外ニュースを敏感にキャッチ
経済指標や個別企業に関するニュース、政治や外交に関するもの等々。日々リアルタイムで配信されるニュースの中から相場に影響するのもをピックアップして、センチメントの変化を予想します。
海外市場の値動きを捉える
日本市場ー中国・アジア市場ー欧州市場ー米国市場と時間の経過のなかで、その流れる見ることで傾向を探ります。なぜなら世界中の大口投資家がそうした市場動向を注視しているからですね。
また配信されたニュースの影響が各市場にどの程度影響されるのかを見ることも重要です。
米国を重点的にウォッチする
米国市場との連動性が非常に高い日本市場なので、日本株に投資するということは米国市場を予想すること抜きにはできません。米国の経済指標や指数動向、金利や為替の変動等センチメントが現れやすい値動きは確実にウォッチする必要があります。
ライブ感覚を養う
センチメントを判断するために最も重要なことは、ライブ感覚です。日中の日本市場の動きは海外投資家のセンチメントをリアルタイムで表していると言う側面もあるわけですから、ポジションを建てる参考にすべきです。
テクニカルでポジション建て
センチメントを判断できたなら、日中のザラバでポジションを建てるわけですが、銘柄の選定やポジション建ての時間帯などはすべて日足チャートのテクニカルに準拠します。
実はセンチメントを重視した投資では、成否の決め手はテクニカルにあります。日中のどのタイミングでどれだけのポジションを建てるかで、逆目になったときのマイナスの度合いに大きな差が出てしまうからですね。
出来れば含み益を出した状態で持ち越したいわけですが、失敗して大きな含み損を抱えてしまうと心理的な弱気をかかえることになります。たとえ僅かでもプラスで持ち越せるよう努力が必要です。
デイトレ感覚でポジションを建てる
ポジションを建てる場合は、まさにデイトレ感覚が必要です。ともすれば「どうせ上がるのだから何処で買っても同じ」といった感覚は業績相場では通用しても、センチメント重視の金融相場ではそうはいきません。
また相場中に急激にセンチメントが変化する場合も想定しなくてはならない以上、日中のポジションの位置は非常に重要なのですね。
日中で大きく含みが出たら手仕舞いも
鉄板のセンチメントに上手く乗れた場合は持続でしょうが、想定以上の含みの場合は手仕舞いするのも常に視野に入れておきます。
持つ越す場合は、含みは全部溶けてもしかたないという覚悟を持てた時です。センチメントは材料次第で急変することがあるので、前提しておきます。
まとめ
センチメントがある程度判断出来るようになると、この手法の勝率はかなり高くなるはずです。また、テクニカルで慎重にポジションを建てることで、逆目に出たときのロスに大きな差が出ますので、結果として負け幅を大きく減らすことができます。
またセクター違いの数銘柄に分散することも、時として大いに救われることも。
当然裏目になればやられますが、それは株式投資のどの手法でも同じですからね。ただし慣れると勝率は驚くほど向上すると思っています。
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