ロバート・キヨサキの予言

ロバート・キヨサキの予言

金曜の米国市場は三市場ともに大幅な戻りとなり、日経平均CFDも¥29,000を回復して引けた。よって持ち越し玉は今度こそ全滅と言うことになりそう。月曜の朝までに神風が吹かなければ・・・と神頼み状態だ。

相場のことに関しては明日までに、今後の展開も含めて書けると思うけれど、ちょっと気になった記事があったので、そのことについて書きます。

読んだ人も多いと思うけれど、「金持ち父さん、貧乏父さん」という本を書いてベストセラーになったロバート・キヨサキが10月史上最大の金融危機説を唱えているという事なので、そのことについて俺自身の見方を書いてみます。

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ロバート・キヨサキ氏 10月に金融市場で最大の破綻を予測

「世界市場、最大の破綻になるだろう。これだけ大きな債務は(米国には)いまだかつてなかった。債務は最も大きな問題だ。この大きさはGDPとは比例していない。だから事が行き着くところまで行ってしまったら、すべてが瓦解する。まさにその時にゴールド、シルバー、ビットコインを多く買おうと思う」 Sputonik日本より引用

ある意味経済成長は信用創造によってもたらされる債務の増加そのものだ。GDPが拡大するということは所得の拡大であってそのための再投資によって債務は必ず拡大する。それが資本主義下での経済成長というものである。

ところが経済危機が起こると、このサイクルは逆回転を始めてしまう。不況になると期待投資効果が下がるから同じ額の投資でも効果は景気拡大期のようにはいかなくなり、下手をすればマイナスになることもあり得るわけで当然投資を手控える。すると銀行融資であれ、債券であれ、資金調達を従来通りにはしなくなってしまう。すると不況と言うことになる。

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金融緩和の日本モデル

日本がバブル崩壊後のリセッションを克服できず、遂には金融機関が危機的状況に追い込まれた時、日銀がゼロ金利で大量の資金をほぼ無尽蔵に金融機関に貸し付け、金融機関はその資金で大量の日本国債を買い込んだ。そしてそれを保有するだけで利回り分を利益計上し不良債権の償却に引き当てた。これによって邦銀はバブル崩壊から20年かかってようやく不良債権処理を終了したわけだが、この手法は実は竹中平蔵のアイディアではなくて、当時日本政府に対し米国側が要求した手法だった。

その指導で来日した経済学者の中に後のFRB議長であるベン・バーナンキがいて中心的役割を果たしたわけだが、バーナンキ自身、「多量の国債発行することによる悪影響は当時は想像できなかった。つまり壮大な経済実験を行ったも同然である」と後に告白しているけれども、日本経済においてはこうした金融緩和手法が予想よりはるかに上手く機能したという経験値があるからこそ、リーマンショック後の数度のQEによるジャブジャブ政策を断行できたと言える。

米国は未曾有の金融緩和により無理やりに株式投資や債券投資を促進し、事業投資がイージーな環境を作り出し、見事に世界経済はリーマンショックから立ち直ったし世界中がこれに続いた。日本モデルは米国においても、いや世界中において有効であることが証明された。さらに今回の新型コロナショックでは、さらなる大量の資金を短期間で市場に投入するとともに、中銀だけでなく財政もフル稼働で多額の資金をばらまいで、信用収縮に歯止めをかけた。それが今現在の世界経済の姿である。

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中銀が制御不能

しかし、そこには致命的な欠点がある。ここに至って気が付くと中銀は金融緩和により膨張しすぎてしまった株式市場、債券市場を制御できなくなっている。企業は極めて低金利で多額の資金調達が可能となって、おおよそあり得ないほどの債務を抱えている。

よって、金融政策の正常化を打ち出して、いまの異常なまでの資金供給に歯止めをかけようとしても、経済構造自体がすでに金融緩和体質になってしまったためにそれを受け入れられなくなっていることだ。

現時点での米国を例にとれば、FRBは現時点で毎月6兆円もの国債やCPを買い入れているわけだが、これを半年間で収束させるとアナウンスした。ひと月1兆円の減額と言うわけだが、インフレが年率5%の高水準になった今、それさえも出来ないどころかフォワードガイダンスでさえ明言を避けている。ましてテーパリング終了後、2022年中の利上げを匂わせているものの、出来る可能性は相当に低い。なぜなら前例がないからである。

バイデン政権や民主党は、金融引き締めが必要な時期に至っているのに、インフラ投資法案をぶち上げ、法人税増税とさらなる大量の国債発行を行おうとしている。

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ロバートキヨサキの10月暴落説の理解

ロバートキヨサキが断言した「米国連邦準備制度と米財務省の行為により10月にビットコイン、ゴールド、証券など、あらゆる資産の価値が暴落する」という意味は、最悪の状況であるスタフレが進行しつつあるなかで、重い腰を上げざるを得なくなったFRBと大型の財政支出によってさらなる米国債の発行により、10月中には米国債10年物金利が急騰する場面が来る、と個人的には理解した。

株式市場は非常に現状を楽観視しているが、その結果米国債10年物金利が1%上昇することの意味を軽んじている。膨大極まる金融緩和によってもはや天文学的な金融資産が形成され、各企業は莫大な負債を負っているなかで、1%、場合によっては2%の金利上昇となったらどういう結果になるか・・・。リーマンショックとは比較にならないほどの極めて高レベルでの異変が急激に襲ってくる・・・。中銀のFFレートが0%~0.500%という極めて低金利で形成され、固まってしまった経済に襲い掛かる津波のようだろう。

すでに三市場は、何かは分からないが嫌な予感がする、というチャートになっているが、リーマンショック前と同じなのは、これだけだ。