どんな場合でも常勝する海外勢の本質

どんな場合でも常勝する海外勢の本質

どうも解せない。一体なぜ、木曜日(21日)に急落になったのか?そしてその翌日GDスタートしたものの、ザラ場中半値戻ししたものの、そこから後場にかけては当日戻り分の半値を溶かした。そしてそのパターンは過去6カ月にはなかったものなのだ。ちなみにその前週の7日(木)8日(金)11日(月)の¥969戻した局面では、日中の空売り比率は46.0%、45.8%、44.6%と岸田暴落の水準を維持していたけれど、15日から20日までは41.8%、41.5%、41.7%、41.3%、41.1%と低調だった。なのに根拠の定かでない21日の▲¥546時は44.9%と急増、そして22日の△¥96時はさらに47.5%と最高水準まで空売りが広がった。

素直に考えると、確かに21日の▲¥546は目先の恒大リスクを材料とした先物叩きだったと・・・。けれども22日は前夜の米国市場はダウは▲$6.26、NASDAQは△94.02Pという地合いのなか、日経平均はGDスタートから落差¥443もの急騰を見せたわけだが・・・その上昇に海外勢の中に、大量に売り向かった筋があった。

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今の相場、自分はショート主体で考えていて、過去も圧倒的にショートポジションが多かったわけで、海外勢の空売り手口には常に興味があった。相場のことだから、これは、という確固とした根拠があるわけでもなく、また「相場は生き物」であって臨機応変に対応しなければならない場面も多々あるわけで、それは海外短期筋も個人投資家も同じだと思うが・・・。

個人投資家の空売りポジションは、ショートというがごとく早め早めの手仕舞いが大切と考える。所詮資金量に雲泥の差があるわけだから株式市場の戦いは個人にとっては常に勝ち目の薄い戦いであって、ましてAIアルゴ主流の今、不利を承知で挑まなければならない。けれどもAIアルゴを使おうが何をしようが所詮は人間の思考であって、欲望が行動の根源である以上、何か手掛かりが見つかるはず、という目で常に眺めてた。

そしてそういう相場の中に少しでも手掛かりみたいなものがあると、出来るだけしつこく限られた情報ではあるけれど調べる癖がついた。もちろん、調べても分からないことばかりだけれど、それでもザラ場の出る以上は出来るだけ頑張ってみる。そういう目で見るうちに、現物市場と先物やオプションとの関係とかいろいろ探っては見たけれども、やはり現場経験がないので分からないことばかり。そして最近では、やはり空売り比率、や裁定取引残を見るほうが現物市場との関連性が明確になるという気がしてきた。

年間を通せば個人投資家の9割近くが負け組と言われる。それに対して投資銀行やファンドは常に勝ち組であり続けるという事実。株式市場というのはプロなら勝てて素人の個人は負け捲るという図式。これは矛盾以外の何物でもない。個人が勝てるのは上昇相場の長期投資だけと言われているように、それが株式投資の本質かもしれないけれど、プロ側にしてみれば、短期的な運用でも常に勝たねばならないという十字架を背負っているわけだから、そこには何かあるだろうと、何かなければ常勝はあり得ず、実際企業や営利組織としては成り立たないと思う。それが昔からずっと成り立ってしまっているのだから。

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この2年くらい、プライベートでも病気がちで常に相場と一定の距離を保たねばならない時間があった。そしてその間に株式市場は新型コロナ禍相場の乱高下となった。入院中のベッドでもぼんやりと考える時間が結構あって、スマホで相場を負いながら客観的に考える時間が持てたと思う。そしてその中で、上昇するならば、経済状況や企業業績といった視点で予想しながらポジションを組んだのでは、上昇なんかできるはずがないと思った。

株式市場には、ネガティブな材料もゴロゴロと転がっていて、それがいつ破裂するかも分からない。そんなヤバイ現場で企業として成り立つというのは考えられない。自分が何百回と何百時間を費やして決算勝負に挑んでも、散々な成績であることからしても、予想などは出来はしない。そしてふと思ったことは、株式市場で常勝する大口主体は、予想なんかしないし、動きの読めない相場を適切に読んでいるわけでもないと。そうではなくて、まずポジションありき、なのではないかということ。

大まかなマクロ的動向が分かれば、先行してポジションを積んでゆく。それは売りも買いも同じであって、予定通りもポジションが積み上がったことろから、相場の方を動かしてしまえばいいのだと。そう考えると、プロが常勝することも理解できるし、個人投資家の勝率がわるいことも合点がゆく。個人投資家には相場がどう動くかは分からないからだ。

もしも、1京円の資金力のある個人投資家がいたならば、その彼はきっと常勝だろう。なぜならそれだけの資金が在ればポジションを建てて相場を動かすことが可能だから。そうだよ、株式市場というのはそういう大富豪や大口ファンド、金融機関や機関投資家が常勝できるようなメカニズムで構成されていると。それならば、リーマンショックや新型コロナショックのような大暴落が起きない限りは常勝できることになる。

そういう意味では、今回の新型コロナショックで暴落した相場が半年余りでもとに戻るというのは、極めて簡単なロジックで、暴落したらそこで買いポジションを思い切り建てる。資金がなければ中銀がジャブジャブ市場供給してくれる。そしてあとは通常通りポジティブに聞こえる材料を繰り出して、また中銀も回帰回復させたいわけだから、株価が戻れるようなアナウンスをする。そうすればあっという間に回復してしまうし、資金量が増えた分だけ焼け太りになることもある。

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さて話を戻せば、今の地合いは先行きネガティブな材料に事欠かない状況であるのだから、海外勢の内短期で利鞘を抜こうとする商品系の短期資金やら大勝利して富と名声を一気に手に入れようとするヘッジファンドは、どんな手段を使うのかは想像がつく。まずシコシコと売り建玉を大量に入れて、あとは時がくればネガティブな材料に従って力ずくで相場を動かしてしまう。新型コロナ禍の底でやったことと真逆な戦略を取ればいい。

多分、その戦略の影がちらっと見え隠れしたのが、21日、22日の空売り比率なんだろうな、と考えることにした。大幅上昇から半値を消した22日(金)の日本市場。案の定その晩にはGAFAMやINTELのネガティブな材料が出たり、スナップチャットの暴落を演出し、ことさらに強調した記事がでたりした。通常ならダウ追従の日経平均CFDは逆行安し、MASDAQを追いかけた。

そういう見方をすると、まだ海外勢は売ってくると思うし、やはり11月3日のテーパリングとかマクロ経済指標の悪化とか、衆院選の結果さえ材料にして日本株の下げにかかるんじゃないかと思う。まだまだインフレや原油高、恒大デフォルトも日本のGDP悪化も材料として生きている。とにかくポジションさえ建てておけばいいのだろうと思う。この週末の個人的な結論です。

(くれぐれも個人的な見方なので。投資は自己責任で行ってください。)