タカ派パウエル!?

タカ派パウエル!?

やはりFRBは「インフレは一過性」という姿勢を全面的に転換せざるを得ない立場に追い込まれていた。パウエル議長は上院議会証言の質疑応答で「インフレが一時的という文言を撤回する良い時期が来た」と発言し、ハト派の同氏がタカ派的な発言をせざるを得ない状況であると認めたという解釈。これで米国株式市場は急落したわけだが、あまりにも遅すぎると思うしFRBは完全に後手に回ったという印象は否めないだろう。

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いまだ米国国内でオミクロン株は検出されていないものの、同株の感染者発見は時間の問題であって、仮に米国内で感染者が広がりを見せるようならば、インフレは止まらなくなる可能性もある。感染爆発中のオランダではオミクロン株が25%という報道もあって、同ウイルスの蔓延が収まらなければ、当然のことながらサプライチェーンへの影響も出始めるだろうし、ボトルネックの解消はさらに遠のく。

従って新型コロナオミクロン株で相場が下落しているというよりは、やはり経済への影響、デフレの拡大懸念で株価が下落していると考えるべきだと思う。そういう意味でFRBは12月のテーパリング増額へ踏み切るのは決定的になったし、さらに来年の早い時期から利上げに踏み切る可能性もある。

しかし、これで株式市場は弱気相場入りが決定的になったと言える。米国市場は相変わらず強気と思われる値動きを見せていて、下落幅も▲1.3%程度で推移しているのだが、ショートカバー一巡後の株価に注目だ。

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しかし今年の年末相場は、大荒れになった。この11月、12月相場はすなわち「金融政策の転換が株式市場のトレンド転換」ということになりそうだ。そしてこの弱気相場はちょっとやそっとでは戻れない感じがする。逆張りが得意な投資家は、要注意なのではないかと思うけどね。

「株は安く買って高く売る」というのが基本だそうな・・・。では「安く」というのは「何処」を指すのだろう?

パウエル議長は「テーパリングの早期終了を示唆」したそうな。いよいよ金融ジャブジャブ相場のテーパリングが始まったということかもしれないね。でもそうなると、いろいろ不都合なことが次々に噴出しそうで怖いね。