週末の雑感彼是
- 2022.02.05
- トレード雑感
昨夜は流石にヤバイと思ったよ。もちろん米国の1月雇用統計のことだけど。一夜明けた今日になっても、そのヤバイという感覚は少しも変わっていないけれど、あのショック状態から三市場ともに切り返しているので、その辺が米国気質だなぁとつくづく感じるよね。
いやいや、ウォール街の作戦かな。売り坊としての見方をすれば、いまは売り玉をしこたま仕込みたい時期。日本市場ではどうだか分らないけれど、米国市場では必ずそういう動きを水面下でやっているよ。そのためには、こんなところで暴落されたら時期は早すぎるわ、玉は仕込めないわ、で踏んだり蹴ったりになるから、賃金上昇も、金利高も、原油価格上昇も織り込んでます!みたいな雰囲気を出して株価を持ち上げることが重要・・・って感じなんだろうね。
というわけで、一週間を振り返って自分なりの感想というか、見方を書いてみることに。それぞれちょっとおかしいかな?と思ったことを各論で書きます。単なる読み物程度で捉えてもらえるとありがたいです。
アマゾンってそんなにいいかな?
週末の米国市場(日本市場も)を救ったのは、アマゾンの米国市場引け後の決算発表だった。金曜の朝方、アマゾン警戒感から米国市場はもちろん大幅安してたし、日経CFDも下げていたから「今日は¥26,500もあるかもな」なんて思ってた。そこにアマゾンの決算がでて時間外で株価が暴騰!人件費や経費の高騰をもろともしない好決算とおまけに値上げの発表ときて、「これなら今年は大丈夫」みたいな安心感、もっと言うと「インフレはそんなに怖くないんじゃ?」みたいな強気が芽生えて、日経CFDは朝寄り前に急上昇!寄り付きはマイナスだったけれど、買いが先行する展開で始まった。
もちろん米国三市場が厳しい下落だったこともあって、前場には売りも来た!けれども米国三市場のCFDが大幅高していたので前場のうちにショートカバー!短期筋のチキンぶりは俺とたいして変わらんなぁ・・・と思って観てたよね。もしも前場の急落、急騰がなかったら後場に陸海空運株を買わなかったと思う。本来、前場の急落場面でどうしようか迷ってたけど、買戻しもあったしそれに手を出すと大変だから止めておいた。でも、戻ったから後場寄りで注文出来たということで、その時点で入国規制緩和方向みたいなニュースは出てなかったよ。けれども、前場で動き始めてたし、オミクロンの状況から買い場としては最後かな?みたいな感覚があったからね。
まぁ、そんな感じの金曜だったけど、改めてアマゾンの決算を考えてみると、物販はあまり良くなかったけどダウンロードが好調だったとか、値上げを決定とかいう以外に分らなかった。でも、アマゾンはインフレでも大丈夫、みたいな安心感が市場に影響するだろうとは思ったけれど、個人的にはそんなにアマゾン、いいかな?みたいなことを考えてた。
確かに今までは凄い成長を遂げて、ネット物販系では他社を押しのけて断トツになった。けれど俺にはどうしても中国のアリババとだぶるんだよなぁ・・・。ネットがあって、新型コロナが流行して、みんなが通販を使うようになって・・・同時に社会の閉塞感が膨らんで・・・。たしかにアマゾンは便利でデリバリーも速くて。日本ではアマゾンが大きくなればなるほど楽天とかダメになって、というか個人的にはどうもアマゾンって合わないというかしっくりこないんだよね。楽天との大きな差は統一感のあるなしという点かな。楽天はグチャグチャだからね。
でも、あのアリババでも政治的背景やビジネス環境の変化でダメになちゃうというのも現実で、アマゾンだって米国社会でガソリンや家賃が急騰して、インフレになって、モノの値段が急上昇して、という環境下で値上げをするということに、必ずしわ寄せが来ると思う。加えて今年の中間選挙で民主党が負けるだろうから、ビジネス環境も大きく変わる可能性もある。下手をすれば独禁法の問題だって出るだろう。
そして利上げや金融縮小の影響もあるだろうし、そう考えると決算は過去の実績で今後はそんなに甘くないように思うけどね。だいたいアマゾンのどこがそんなに受けてるのかいまだによく分からないし、ネット通販なんか煩わしくて嫌になるしね。宅配なんか冗談じゃない!みたいな感覚っておかしいかな?
フェイスブック(メタ)の暴落に関して
メタバーズへ大きく舵を切ったファイスブックって本当に革新的だったと思う。このSNSというビジネスモデルは、何だろう?って考えると、何も答えが返ってこないというところがミソでもあるし、摩訶不思議なことでもある。今は猫も杓子もSNSだけど、あれは個人の「もっと見られたい、注目されたい、語りたい」という欲求を引き出すことをビジネスにしたという、凄い視点なんだと思うけどね。
所詮そうしたプラットフォームって個人の虚構の世界だって言うことを一番よく知ってるのがファイスブック自身なんだろうね。世の中なんでも善悪があるけれど、SNSだって同じこと。半分は虚偽・虚構・嘘・見栄みたいな部分で成り立ってて、ならばいっそメタバースの世界でいいんじゃないか?って考えた。そもそもSNSこそが「動かないメタバース」なのであって、ならば現実性を錯覚させるような空間をつくれば、そしてそこで現実生活と同じ行為が出来ちゃったら・・・。もちろん技術的にそういうことが可能になってきたわけで、あとは仮想通貨を導入すれば完成!みたいな部分で、そうなるとこれはもう巨大なビジネス環境に大変貌すると考えても不思議じゃないし、そうなる可能性も濃厚だとは思う。
けどね、重要なのは、短距離走のトップランナーとマラソンのトップランナーは違うということ。メタバーズというのは善悪あわせ持つSNSの仮想空間化だとすると、悪の部分をますます制御できなくなってしまうってこともあり、反対派、現状肯定派、も多いということ。だから今はフェイスブックは短距離走のトップってことだよ。なので思い切り叩かれるし足も引っ張られるんだ。
メタバース+イーサリアムで壮大なビジネスが出来ると言われているけれど、なんか中国的な発想であると感じるんだよね。まずは結論ありきで、それにむかって犠牲をいとわず邁進するという感覚。それは非常に違和感がある。
後は現状SNSで垂れ流されている虚偽・虚構を、誹謗・中傷・悪意を無視してビジネスに突き進む危うさ、みたいな部分もあって、気になるんだよ。そしてみんな無意識のうちに気にしている部分でもあるからこそ、不安が一気に噴出して株価が暴落するみたいな心理的要因。そういうのが凄く気になるんだよね。
いくら分かってるとは言え・・・船株
9101 日本郵船 ¥9,800 PER1.78 PBR2.64 利回り12.24%
9104 商船三井 ¥8,960 PER1.70 PBR1.85 利回り11.71%
9107 川崎汽船 ¥6,820 PER1.22 PBR2.91 利回り4.39%
船株主要三社のファンダだけどね、とにかく今は日本市場の中心銘柄となって連日大きな商いを作ってる。三社共同出資のコンテナ船会社が爆発的な利益を叩きだした結果、三社ともに爆益決算を演じてるわけだけど・・・、まさに新型コロナ流行の焼け太り以外の何物でもない。会社にしてみても完全に棚ぼた状態で、労せずして高収益を謳歌しているという感じだ。
だから儲かれば儲かった分配当が増えて、この低金利時代に何と10%以上の配当を出すと・・・。配当性志向を確約しているわけだから、まだ増配する可能性も幾分残されているのかな?川船だけは確実に増配してくると思うけどね。
新型コロナで世界経済が急ブレーキとなり、荷量は一時激減したわけだが、昨年は経済回復局面となって生産が急激に立ち上がった。故に遅れた分を取り戻そうとするからコンテナには注文が殺到!コンテナ価格は急騰したという背景がある。けれども船の数には限りがあるから、運べるコンテナの数量自体が増えるわけでもなく、何とか積み込んで運んでも目的地の港が新型コロナの影響で労働力不足とくれば、コンテナが荷揚げできないという・・・。そうなるとますますコンテナ価格は上昇することになる。
いま同じようなことがタンカーでも起こってて、とにかく海路はタンカーで数珠繋ぎ状態っていうんだから恐れ入るよ。タンカー船もLNG船も脱炭素時代とは言え、原発が稼働しない分だけで予約満杯。結局化石燃料の需要は全く減っていないんだよね。なので原油価格が高騰しようが全然平気!ってこと。
去年からずっと何度も弄らせてもらったけれど、そのたびに感じていたことは、どうして海外筋が気合を入れて相場にしないのかな?ということ。金融バブルのこのご時世で、弄るには最適な株のような気がしてるんだけどね。郵船の例でいえば、PER1.78 PBR2.64 利回り12.24%だから、PERと利回りを理由にすればいくらでも弄れるはずなのに・・・。決算の度にPERが低下してくるんだから呆れる。
PBRが高すぎるという人もいるけれど船会社の性格上、年々船の償却があるからどうしてもPBRは高くなってしまう。この業界の商習慣とか複雑なので事情はよく分からんけどね。運賃にしても沖で停泊すればするほど儲かるというのだからね。いまは荷揚げに1か月待ち、なんて当たり前のようになってるらしいし。
俺も先週現物で買ったけれど、今後の業績を当てにして、という事でもなくて、理由とすればインフレの影響を最も受けなさそうだったし、市場が急落しても資金が集まってきて逆行するんじゃないか?と考えたから。そうなれば最後のひと華的な上昇があるかも、という妄想だよね。だから現物の意味は配当を取るつもりがないなら全くなし。だから来週でも買われたら売ってしまうと思う。
船株のファンダは、ネタにはなると思うけど・・・。値動き以外に魅力は感じないんだよね。
JRとJAL、ANAでOK!?
船株よりも数段魅力的なのはJRとJAL、ANA。というより鉄道全般はいい感じ。理由はもうじきオミクロンは下火になって、今度こそは客足が戻ると思うから。というか先進国でいまだに規制だ!マンボウだ!と躍起になってるのは日本くらいのもので、もうワクチンとオミクロンで集団免疫獲得したほうが早いと割り切ったから。実際に70%の人がワクチン接種して、多くの人がオミクロン感染ならば、もう新型コロナの拡大の余地はないよね。
だから、今の価格帯でJR、JAL、ANAは完全に狙い目だと思うよ。だから今買いで、と考えるならそういう銘柄を探すしかないかもしれないし、インフレに関係ないシステム系とかが良いかも。まぁ、いろいろ研究してるけど。
じゃ、商社とメガバンクはどうなんだ!?
インフレ恩恵銘柄と言われる商社とメガバンク。商社はバフェットが大量に買ったことで話題になったけれど、今の状況をバフェットは想像していたとは思えない。投資の神様と言うけれど、その手法というのは「絶対に潰れない割安株」を見つけることに尽きると思う。それが将来的に株価が上昇するか否かは「神に任せる」くらいの心境なんだと思うし、その意味では日本の商社株はぴったりと一致したんだろうね。だから買った。株価が上がれば「神様」と言われ、下がれば「下手」と言われる。それはバフェットも同じだね。
いっぽうメガバンクはどうなの?というと米国で債券運用を多くやってる生損保の方が金利には敏感かもしれないし、メガバンクは金利が上がれば同時に調達コストも騰がるから、言われているほど儲かるわけじゃないと思う。もはや日本のメガバンク株って株式というよりも、社債に近いのかもしれないと思う。
例えば俺も良く弄るUFJ株だけど、あれを¥450で投資していたらいまは¥300くらいになってるから、爆益だよ。けれど3年、4年かかってるわけだから、450万が750万になってそれで満足する投資家のための銘柄ってことだと思う。でも、そんな株でも状況が大きく変化すると下がるからね。国内の金融政策が転換しない限り、メガバンクの上昇は限定的と見ておいた方がいいと思う。でも先週は本当によく騰がった。
今年も売り目線
売り勝負ばかりやってると、買いのタイミングが掴めなくなる。もちろんその反対もあると思うけど。だから今年の課題は「買える投資家」になること、なんだよね。年初から買おう、買おうとしてたけれど、今年の相場ではなかなか買えないからなぁ・・・。
よく、もう売れない、ということを聞くけれど、売れるか否かはテクニカルの問題じゃないし、底値で売るのは理由があれば怖くない。今年の場合、はやり相場の様相が変わってくるのは3月の利上げ一発目からQTまで。正直どんなことが起こって、どの辺が底なのかは分からないけど、株式投資で儲けるには上も下も、値動きも大きくないとだめだから。
でも何だかんだと売り勝負の1年になりそうだけどね。
-
前の記事
1月雇用統計がビッグサプライズ!致命的! 2022.02.05
-
次の記事
行き過ぎの修正(株式市場急落に思う) 2022.02.06