ロシアの解せないウクライナ侵略

ロシアの解せないウクライナ侵略

株式市場はいよいよ底が見えなくなってきた感じがするね。誰だ!?戦争が始まったら「買い」なんて出鱈目こいていた奴は!?「買い」どころか、底なし沼じゃないか!

とにかく今回のウクライナ侵略戦争は、あまりにおかしなことが多すぎる!プーチンは国内向けには「ウクライナのネオナチ政権がロシアに脅威を与えている」と宣伝しまくった。これは過去のナチスとの史上最も凄惨な戦いと言われる独ソ戦のイメージで国内世論を納得させようという魂胆で、何ともプーチンらしい(KGBらしい)アジテーションだ。フェイク情報の連発というのも(独裁政権の)常套手段なわけで、中国だって似たようなものだ。

けれども、西側に対して侵略する理由というのを、上手く説明できていないから、みんなが「プーチンって精神異常をきたしてるんじゃ?」みたいなことを言っている。要するにウクライナを侵略する意図を測りかねてるんだよね。もちろん、プーチンが言うことは矛盾だらけだし、狂ったとしか思えないような軍事行動だし、挙句には「核」までちらつかせて、原発まで攻撃させているしね。

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それと、最も解せないことは、ロシア軍は本当に戦争してウクライナを侵略する気なら、少なくともキエフを落とすくらいは今みたいにグズグズになってないと思う。みたところ、ロシア軍って本気でやってるとは思えない部分も多い。だいたい今時歩兵と戦車で攻めていくなんてちょっと時代錯誤な部分が多いんじゃないか?正直イラク戦争だって、もっともっと緊迫していたと思うしね。取材する側の問題もあるのかもしれないけれど、緊迫感が全然伝わってこない。

今日、今の時点でロシア軍はキエフの東方から、総攻撃の準備も整えて、いざやるぞ!という体勢で、もしかしたらキエフは陥落寸前の状況なのかもしれないけれど、でも、米国のブリンケン国務長官あたりは、ウクライナは負けないとか言ってるしね。怪しいのは傭兵部隊16000人がキエフに到着という情報もあるけれど、もしかして傭兵に見せかけた本職(米軍人)なんじゃないか?と思ってる。傭兵だって手ぶらで行くわけないので、それなりの装備ともども行ってるはずだし・・・。

もし、今夜とか明日にキエフ陥落となれば、疑問は解けることになるけれど、それにしても全く解せない軍事行動なんだよね。

また欧米日が経済制裁に踏み切って、SWIFTから除外したからロシアは財政破綻してデフォルトする、ということも言われているけれど、経済的な制裁慣れしてるロシアはそれくらいは計算もしていただろう。しかもSWIFT除外は資源決算できる大手数行を除いての制裁だからね。

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そういうことをいろいろ考えてみると、どうも今回のロシアの行動には裏があるとしか思えないのよ。

プーチンは明らかに旧ソ連時代に匹敵する勢力、国際的なアイデンティティの復活を目指しているのだと思うけれど、今の時代でそれをするには、経済的に何とか優位に立たないといけないよね。中国が嫌われながらもこれだけ大国としての地位を獲得できているのは、経済発展でGDPが世界第二位となったから。そうなると、多少非道なことをやっても、ごり押しできてしまう、と証明しているようなものだから。というか、そもそも米国がそういう体質の国家だしね。

昨年英国でCOP26が開催されて、いよいよCO2削減スケジュールが加速してきた。世界中の自動車メーカーもこぞってEVに舵を切ってきた。環境問題が経済の中心となる日もそう遠くないと言った雰囲気にあって、石油、石炭、天然ガスといった資源大国は、ある意味蔑ろにされるような状況を欧米が作り出した。知っての通りロシアはエネルギー資源大国であって、その他の産業は軍事くらいしかない。そうしたロシアが、この状況をどう考えるか?ってことだよね。

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歴史を振り返っても、戦争になると莫大な利益を上げる国があった。かつてのイギリス、フランスもそうだったし、第一次大戦、第二次大戦での米国も今日の地位を築いたのは、軍事産業と金融のお陰だったしね。その意味では日本も戦後復興を果たせた最大の要因は、朝鮮戦争の特需だったわけ。

で、今の状況を見ると、原油は$115(北海ブレントは$120)、とかなってて、石炭も天然ガスもこれから再度の暴騰を演じるのは確実となってる。その上ウクライナ侵略で兵器の消耗戦ともなれば、潤うのは軍事産業だ。もっと言えば金も最高値になって、非鉄金属も暴騰し始めた。実際ロシアがいくら非道なことをしようが、欧州がロシアの天然ガスや原油を買わないわけには行かないし、そのためにSWIFT締め出しに大穴が開いてたりする。

ロシアの場合、買い集めた「金」は2600トンもあって、グラムに直すと26億グラム。1グラム¥8,000ならば、20.8兆円。原油は日量1000万バレルだから、これが$40騰がると120億円/日の増収になって30日で3600億円の増収になる。天然ガスは30日で60000億円の増収・・・。その他穀物もあるし、軍事産業もあるので、ある試算によれば、ウクライナ侵攻によって1ヵ月で約3兆円の増収になるんだそうな・・・。あくまでもこれは増収分だけだからねぇ・・・。年間予算が36兆円から40兆円と言われるロシアが年間予算と同じだけ純利益(増収)になるというとんでもないことが、いま起きようとしているわけだ。

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一方、米国もまた濡れ手に粟状態であることは言うまでもなく・・・お互いにいがみ合ってうはずなのに、ウクライナ侵略で濡れ手に粟を享受しているという、なんとも言えない裏側だよね。

だから、金融資本主義の恐ろしいところは、人の命よりもカネという部分。まさに今のウクライナ侵略はロシアにとって、領土は広がるは、資源価格は暴騰するわ、金価格も暴騰するわ、なんでもかんでも大暴騰するわ、というウハウハな状況だということだよ。国内のインフレなんかどうでもいいから、ドルやユーロで払ってもらいましょ、とプーチンは死の商人と化しているのかもしれないね。

 

さて、戦争になると株式市場も黙ってはいられない。ウォール街主流派はここぞとばかりに株価を暴落させる。まず、ショートで腹いっぱい儲けて、カバーして今度は買いで死ぬほど儲けて・・・。新型コロナと同じことをもう一回できちゃうという焼け太りっぷり。なので株価はまだまだ下がる。最終的にプーチンが小型戦略核を使ったりすると、まだまだ下がってセリングクライマックスとなったら、戻り相場に入る、みたいなね。号砲が鳴ったら買い、の号砲がいつもとは違うのかも、と思ったり。

というわけで、思い切りヤラレスタートが決定的な月曜日。こんなに下がってもまだ売り坊やる気満々です。