株式市場、只今暴騰中!これから起こる異変は?

株式市場、只今暴騰中!これから起こる異変は?

今夜、日米株式市場は案の定、暴騰モードに入ってます。この理由は「もうウクライナは結末はどうあれ材料としては終了」という意識が、買い中心のロング投資家ではなくて、空売りで売り崩してきた短期筋に出てるから。もっと言うと、株ではないけれどニッケル相場で起きた、2日間で約250%上昇という踏み上げ相場の影響が非常に大きいんじゃないか、と思う。

このニュースは売り坊やってる自分にとっても、本当にビビる要因で、流石に昨日は大きなショートポジは取れなかったし、原油を勝負したのは、相当に怖かった。なので、今夜も眠れないんだよね。

いま、世界中のヘッジファンドは、こうしたポジションの穴を虎視眈々と狙ってると思う。今回のニッケルは、中国のニッケル生産者のヘッジ売りを狙うという、かなりマニアックかつ狡猾な資金の仕掛けなわけだけど、市場規模の比較的小さな取引に関してはロシアのウクライナ侵攻にかこつけて狙われる可能性が高い。

小麦やコーンが暴騰したら、それを食う牛や豚が今度は高騰する、みたいなことが起きると思うし、ニッケル、銅、パラジウムが暴騰すれば、電池価格、EVモーター価格が上昇するみたいな、関連が様々な分野で起こりうるし、これが結局はインフレを助長することになると同時に、例えば価格上昇に歯止めがかからない自動車なんかは、そうした志向のメーカーほど苦戦を強いられると思うね。

だいたいインパネを電子化して、500万で売る2000cc級の自動車なんていらないのよ。ウクライナみてても分かるように、EVなんかいざという時には充電も出来ない。渋滞にも入れない。第一これから欧州で経験するけれど、2倍、3倍になった電気を使う気になれるのか?という問題もある。

そうしたことが、すべて今後の景気に跳ね返ってくるわけで、つまりは際限なくやらかした金融ジャブジャブの後遺症が長く世界経済を蝕んでいくことを覚悟しないといけないよね。ガソリンや灯油の価格がこれだけ上昇して大騒ぎなのに、もしも牛肉の価格が2倍、3倍になったら、それこそ世界は大騒ぎじゃすまないかもしれない。

というわけで、昨日も少し書いたけれど、これからの株式市場で起こる異変、事件というのは2種類でだいたい想像が出来る。1つはロシア経済の破綻に伴った金融市場への影響、そしてもう1つは様々な市場でのポジションの問題ってことだ。

Advertisement

ロシア経済の破綻の影響は小さくない!

ロシア経済のGDPは韓国よりも小さいから大丈夫、たいした影響はない、という意見を平気で口にする評論家やアナリストがいる。仮にも業界で飯を食ってる人が、単純にGDPを比較してものを言うというのは、いかがなものか、と思うよね。

確かにロシアのGDP規模は昨年で言えば、世界11位。人口が1億4千万人のロシアが5100万人の韓国よりも小さい(韓国は10位)というのは、生産性の低い証拠だけど裏を返すと資源で食っているということが分かる。問題は今回のウクライナ侵攻による経済制裁で、その資源にリーチできなくなりつつあるということ。ロシアの国家予算は原油と天然ガスの比重が6割も占めていて、そのほかに様々な鉱物、穀物、木材の世界シェアはいずれもトップクラスであって、そのほかに海産物なども日本には大いに影響があるだろう。

つまり、経済規模はめぼしい産業があまりなく、サムソンやLGのある韓国に負けてしまうけれど、資源大国であるという事実は絶対に無視できないんだよね。逆を言えば資源だけで、11位のGDPって他国ではあり得ないんですよ。米国を除く産油国ではサウジが19位、UAEが34位だからね。

プーチンの今回のウクライナごり押しの裏には、こうした資源大国であるという自信があったことは間違いない。世界が経済制裁をすればするほど、自分の首を絞めることになる、ということ。そして必ず米国は経済制裁と言いながら価格を吊り上げてインフレにして大儲けというおきまりの図式通りに動いてくるというのも、ある程度読んでいたと思う。

だから、出来るものなら、干せるものなら干してみろ!という強かさが見え隠れしているし、実際に欧州や日本はロシアの資源なしでは1日も暮らせないような状況だから、原油も天然ガスも他の資源も簡単に制裁なんかできるはずがないだが・・・。それでも脱ロシアを標榜しているわけだから当然、経済界、商品市況などは大騒ぎになって大波乱になる。

世論は「人の命を何だと思ってる!人命よりもカネかよ!領土かよ!」みたいな正論を大合唱するわけで、正論なだけに否定できないという苦しさ。でも、世界はその正論をいままで、正論とは思っていなかったし、常に「正論とはカネ」という本音を露骨に見せないようにしてきただけだけどね。

いずれにしても金融ジャブジャブ、ロシアも中国のようにしたかった世界は金融面では韓国などとは比較にならないほど密接につながっていた。中国に投資してナンボ、の時代に陰りが出て、今度は南米やアフリカと思たけど、広大な国土で資源が無尽蔵に眠ってるロシアが魅力的なのは当然で・・・。

そんなロシアが破綻となったら影響が小さいはずがないんだよね。

Advertisement

ロシア絡みの債権は大きな損失

今回、ある意味ロシアと米国は、本気で核戦争をしているような状況を経済や金融で作り出したと言える。プーチンはウクライナ侵攻に際し、核兵器の使用をほのめかしているけれど、使ったら自分もロシアもお仕舞ということは十分に分ってると思う。けれどもバイデンは、「金融の核兵器」と言える「中銀の資産凍結」を早々に繰り出してしまっている。

今の時代の経済で、中銀が資産凍結されたら、それこそ戦略核をぶち込まれたに等しいでしょ。個人投資家だって証券や銀行の口座を凍結されたら手も足もでなくなる(昔経験済み)。それは国家も同じだよ。で、これからいろいろとニュースや記事が出てくると思う。

まず手始めに「航空機リースに大穴が空く」というのがでた。ニュースが出る前にそれを事前に察知して、オリックスやFPGが売られたけれど、ロシアは500機近くの航空機リースを凍結するみたいで、そうなると約1兆2千億円くらいの穴が業界に空くらしいよね。ちなみにシェア1位はエアーキャップ(アブダビ系資本)2位はジーキャス(米国GEの子会社)、そして3位のアボロンは中国系でオリックスが30%出資してる。このトップ3でシェア32%となって、後は世界の金融系子会社が分け合う恰好。

ちなみにFPGは航空機やコンテナのオペレーションリースをやっていて、規模からして債券起債専門で、債券の内容にもよるけれど、影響は必ずでるだろうと思う。まぁ、ロシア破綻の前の俺の勝負銘柄なんだけどね(書いちゃった)。

そして暴騰してきた資源相場の急激な巻き戻しもあるかもしれない、ということで原油を売ったわけだけど・・・この記事を書いている間にも原油が暴落モードに入った!UAEがOPEC生産拡大を主張し始めたという記事が出たからね。OPECプラスでないところがミソだけど。

産油国にしてみると原油がタイトになればなるほど、消費国は原油に対する政策を変えざるを得なくなる。それはちょっと長い目で見ると必ず産油国にたいしてマイナスに作用しちゃうからね。でもきっと裏では米国あたりの圧力がバンバンかかってると思うけど。

椅子れにしても今夜、WTI原油は▲11%、北海ブレントは▲12%、灯油は▲20%と派手に下落してる(2時50分現在)。

Advertisement

株価や価格の暴騰は損失の暴騰!

世界のインフレ懸念が浮上してきた昨年あたりから、コモディティの価格が変動し始めたけれど、その時には日本の船株の推移からして、新型コロナ流行による輸送コストの上昇が原因だと、誰もが思っていた。けれども実際はインフレとともに上昇が止まらず、ついにはロシアのウクライナ侵攻で爆発してしまったということ。けれどもこうした大きな取引のあるものが暴騰すると、儲かって仕方ないとついつい想像してしまうけど、実態は儲かるばかりじゃないよね。

今回ロシアのとの様々な取引で、コモディティ価格がぶっ飛んだけれど、普通はこうした大きな取引は、取引高に応じた保険を掛ける。企業や商社なたCDSを掛けるだろうし、山っ気のある企業ならヘッジ売りをしてし損失に備える。そうした残高が相当な金額になってそれを今度は金融会社が証券化してヘッジする。言ってみると一つのネタで関連商品が続々を出回って、複雑怪奇になってくるともうよく分からなくなる。

分らなくなると不安になって、そうした債券が売られて、ますますロシアの破綻確率が上昇しちゃう、という変な回転が始る始末。また、相場でヘッジ売りをしたりしているのがバレると、ニッケルみたいに簡単の餌食にされるし、原油のようにCDSのヘッジをオプション取引でやってると、急騰しても急落しても厳しい取引を迫られるか証拠金を要求されるか・・・。

つまり怖いのは恐らく暴騰して利益が乗る分だけ損失も暴騰するというのが今の金融ジャブジャブ経済の特徴でもあるし、その構図はリーマンの時の数十倍、数百倍の資金規模で発生するということだ。

Advertisement

基本、景気は後退中

今回の相場は、株も商品も先物もオプションも、そして債券もウクライナで乱高下して荒れ狂っているけれど、結局いまの世界経済の基本はインフレによる景気後退という図式なんだという事。株式市場の場合、企業業績が遅行的な発表なので、急激な変化の影響はなかなか読みづらいから、(相対的な)動きは緩慢だし、目先のポジションで動こうとする。

けれども長い目で見ると、地合いの基本は、高水準のインフレだわ、利上げはあるは、金融がうまく行かなくなってるわ、散々な状況にある。

なので、急落後リバウンドしてある程度の水準まで戻したら、今度はそこから次のフェーズが始まるということになるし、とてもじゃないけれど楽観できる相場にはならないと思う。

いま、配当の権利取り前で、船株を狙ってる投資家も多いし、持ちなら権利取りまで我慢という人や、10%の配当を得られる商品はお宝、と考える人もいるだろう。けれども、船株はコンテナ価格次第ってことを忘れないようにしないといけないよね。このまま、コンテナ価格が高止まりするか、新型コロナと景気の後退とともに、適正水準に戻るか、という読みによって10%の配当への見方が変わってる。

そういう意味では、ロングが難しい局面に入ってるということは間違いないと思う。

Advertisement

ロシアの破綻に要注意

さて連日乱高下している相場で、今夜は日経平均CFDがなんと¥700近く上昇しているという大暴騰相場になってます(3時30分現在)。そしてその要因の一つに原油価格の急落があってこちらもなんと、今夜は▲$15という厳しい下げになっているわけで、これはもちろん株式市場にとってはポジティブだからね。

株が上昇すれば、マインド的にも米国10年物国債金利も上昇する。今現在1.927Pとなって2.000P目前まで来ている。ということは、当然明日の金融株は爆上げと言うことになるだろうし、とどのつまりショートポジが一斉に踏みあげられてのショート・スクイーズとなる。

そうなれば、日経平均だって△¥1,000なんてのが十分にあり得るわけだけど。

そこにCPIがきてFOMCがきて、MSQが来るというスケジュール観とウクライナ情勢の絡みでロシア破綻というのが現実味を帯びてくる。多分ロシア国債が破綻するとすれば4月の頭になるはず。そしてその間に大きな出来事の一つや二つはあるだろうと考えると、今の相場でポジションを固定するのが如何にハイリスクか分るよね。

あと2時間30分余りの米国市場・・・。俺はここから急落すると見てるんだけど、どうだろうねぇ・・・。現在ダウは△$700と暴騰だけどね。