あの辺のジャブジャブの資金がもしかしたら日本に！？

日米株式市場比較チャート

どうもそういう視点だけでは、今の日本株の強さを説明できないというか・・・。下げても米国市場の半分程度、という状態がGW後ずっと続いててこれがどうしてなのか、さっぱりわからない。そこで今日もう一度日米の株価比較を見てみよう、ということで草食系投資家のLOK氏のYOUTUBE動画からチャートを拝借してきた。

まずはチャートを2枚載せました。上段がコロナ禍急落のボトムからの円建ての日米比較チャートで、黒が日経平均、黄色NASDAQ、水色がダウです（オレンジはマザーズ指数）。そして下段はドル建ての比較チャート（オレンジがNASDAQ、水色がダウ）。円建てでは、明らかにコロナ禍からの株価の位置が現時点でほぼ同一になっていて、これがいま感じてる日経平均の（米国市場と比較したときの）強さってことなんだね。

けれども円安がバンバン進んできた結果、ドル建てでは2021年1月あたりからずっと下落トレンドで、その下げっぷりは米国市場なんか比較にならないほどの悲惨なものだよ。もちろん、このドル建てチャートを見る限り、米国市場が下げ止まらなければ、日経平均も今以上に下げるって考えるのは当然だと思うけどね。ところが見辛いけれど、4月～5月の急落場面では明らかに、下げ方が鈍くなってる。円安がバンバン進んだにもかかわらず、鈍くなると言うことは、日経平均は相当に強いというか、ドル建てで下げ渋ってるということだよね。

それは円建てで見れば明らかで日経平均ってほとんど下げてないのが分かる。まぁ、下げてないというより騰がらなかったと言った方が良いのかもしれないけれど、それでも円建てではダウ、NASDAQ、日経平均はほぼイーブンになったよね。

米国投資家は日本株を買ってない！？

円安は米国投資家にとっては鬼門なんだよね。輸出企業は円安歓迎ということで、相対的にに日本経済にとってはプラスのはずだけど、円安になればなるほど、ドル建ての価格は下がってしまうわけで、これでは米国投資家は、NASDAQやダウ、S&Pに投資するよりもはるかにパフォが落ちる。日本株を持ってるだけで、目減りして行ってしまって、挙句に米国は今、とんでもないインフレに襲われてるわけで、踏んだり蹴ったりのはずなんだよ。だから、こんな時に米国投資家が日本株を買ってるとは、到底考えられない、というのが俺の今までの基本だったわけで・・・。

日本市場を論じるとき、評論家やアナリストは、日本市場へ（米国格安を）ヘッジするために資金を入れていると言っている。けれど、そんなの出鱈目ないい加減な意見に決まってるし、それがドル建てチャートを見たら一目瞭然だしね。だから、いくら日本市場が独歩高する可能性があると言われても、俺がそんなことをブログで書いていても、鼻で笑われてたに違いない（苦笑）

しかもこれから先、FRBはタカ派姿勢を崩さないだろうし、ますます円安が進むと考えるのが当然で、一旦はガス抜きをする局面だろうけど、再度￥125くらいまで行ったら、ムクムクと鎌首をもたげるに違いない。そんなことが分かってて日本株を米国投資家が買うのか？短期の投機筋は弄るかもしれないけれど、ロングの資金は少なくとも今は入るはずがない！と思ってた・・・・。

ショッキングな4月投資主体別動向

そうした推論の唯一の障害！？はもちろん、4月の投資主体別動向だった。

2022-05-13　▲353,435
2022-05-06　△  51,458
2022-04-28　△151,451
2022-04-22　△238,090
2022-04-15　△  86,311
2022-04-08　△685,727
2022-04-01　△360,383
2022-03-25　▲164,974

これが配当権利取りの週からGWまでの海外勢の日本株の買い越状況だよね（単位百万円）。流石に13日の週は米国市場が厳しく下げたせいか売り越したけれど、でもこの円安進行の中で、4月に日本株を買い越すとは、これはショッキング以外の何物でもなかったよ。

いきなりこんなのを見せられちゃうと、そりゃ円安は日本株にとってプラスなのだから、それを当て込んでの買いが入ってもおかしくない、とか米系の大口は自国市場のヘッジのために日本市場に資金を入れる、なんて考えてもおかしくないかも。

でも、実際にプレーヤーとして市場に参加してる身としては、明らかに売り勝負しても獲れなくなってる！毎夜毎夜、米国市場を何年も首っ引きで眺めてる身としては、今の日経CFDの動きは全くおかしい！昼には思い直しても、夜になると「やはり日本株に資金が入ってるのか？」なんて考えちゃうんだよね。だって、事実としてCFD買われてるもの・・・。

欧米の資金が入るはずがない！が・・・

ドル円にしてもユーロ円にしても円安傾向はほとんど変わりなく推移してるんだよね。それぞれに危機的なインフレを抱えて、今後はリセッション入り確実という状況に陥っているわけで、そうなると日本経済の置かれた状況も厳しくないはずがない。欧米は景気が悪くなって、中国はゼロコロナで壊死寸前。そういうことが見えているにも関わらず、誰かが日本株を支えてるというか買っているというか・・・。

買い支えると言えば日銀だけど、今年になって2月14日701億円のETF買いオペをして以来、3月、4月はナシでようやく5月19日に701億円やっただけなのだから、日銀の可能性は皆無と言ってもいい。じゃ、何処の物好きがせっせと日本株を買ってる？この地合いの中で株を買うか！？普通。

今回の新型コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻というとんでもないことが現実に起こってしまって、金融緩和バブルに踊りまくっていた世界は、急転直下の危機に短期間で2度も晒されることになった。そりゃもう天国みたいな時代、お金はどんどん刷りさえすればいい、みたいな無茶苦茶な時代を謳歌していた（日本以外の）世界各国は、いま、ほとんど滅茶苦茶に近い状況に陥った。

ウクライナ問題もさることながらプーチン・ロシアなんか比較にならないほどのインフレという強敵の登場で、今までの享楽的な暮らしはもうできませんよ、と宣言されてしまったわけだよ。第一、ちょっとまともな車を買おうとして500万、ちょぴり見栄を張りたくて1000万、スポーツカー好きなら2000万、なんて、狭いマンションで我慢するとして6000万、ちょっと余裕が欲しくて1億、都会暮らしを満喫するなら2億、なんていうのは、イカレテルとしか言いようがない！あのバブルの時だってそんなに高額じゃなかったし・・・。

それが世界ではもっともっとバブルなんだから・・・。ニューヨークのワンルームが100万円、ちょっと気が利いていて200万。これマンションの家賃ですよ。どちらも家族では住める広さじゃないし・・・。

まぁ、いずれにしても今は金融引き締めで戦々恐々としてる・・・。実際今年に入って米国で失われた株式の時価総額は1900兆円・・・。これだけでももうボロボロで、日本株なんか買ってる場合じゃないってね。

けど、ある日突然、理由もなく任天堂の株価がぶっ飛んだ！半導体ないから増産できません、みたいなゲーム会社がいきなり6％も8％もブチ騰がる。決算は保守的過ぎるというのがその理由だったはずだけど、そんなことで株を買ってないよ。

最近、なぜかゲーム株が・・・スクエニとかコーエーとか調子いいのは、なぜ？っていうことで見てみると、サウジのムハンマド皇太子が大の日本のゲームファンだそうで・・・。あれっ！？こんな世界になってしまったけれど、あったあった、唯一儲かって笑いの止まらないエリア・・・産油国！中東！

あっ、あるある、可能性は十分にある。主に欧州系の投資銀行が扱ってると言われるオイルマネー。そういえばこんな状況でモルガンはやけに強気だし、バフェットはシティの株をガッツリ買うし・・・。

もし、ジャブジャブのオイルマネーが、その投資先を物色するとしたら・・・欧州も米国もヤバイに決まってるし、中国もロシアもダメダメ。八方塞じゃないの？じゃアジアの新興国投資？南米？アフリカ？新興国はドル高でデフォルト危機の真っ最中、南米とアフリカは食料不足にインフレ。

そんな時、我が日本の盆暗首相は、イギリスで「岸田に投資を！」などと寝とぼけた演説してるけど・・・。場所が違うでしょ！外務省も相変わらずダメダメで・・・・。

それでも消去法をしたなら、世界で唯一、なんとなく大丈夫そうな日本株に投資資金を振り向けちゃうってアリじゃないか！？

うん！？もしかしたら、今の日本株の強さは・・・オイルマネー！？