株式市場に蔓延する疑心暗鬼とリスク
- 2022.06.13
- トレード雑感
こういう相場と言うのは、どの銘柄がどうだ、と言うよりも相場全体の信用収縮が起こっていると、あるYOUTUBERの人が言っていたけれど、そこまで分かってて「私は予想をしません。値動きだけで投資します」はないでしょ!そういう話ではなくてなぜ?信用収縮が起こっているのか?と言うのが大事なはず。
また、早くもいろいろな人が、底当てゲームを始めてますけど、こういう相場で底を当てる(予想することに)何か意味があるのか?という感じですよ。例えば買うために底を予測すると言っても、短期のスタンスと長期のスタンスでは「買う」意味が全然違う。短期の人はリバウンドを短期で狙うため、となるし長期の人は、ロングレンジで経済や企業業績の回復を狙う、ということだから、例えばロングレンジを狙ってる人が底当てゲームしてもあまり意味がない。なぜなら底値と言えどかなり出鱈目な動きになる可能性が高いからですよ。
なので、底なんかどうでもいいので、まずは今後の経済がどのようになってゆくのか、投資家成りにしっかりと予想を建てないと投資行動そのものが出来ないはずだからね。そういう意味でも、俺は俺の見方を出来るだけブログに書こうと思っていて、それが正解か不正解かは、分らないけれど、でもそういう方針をもって臨まないと、負けたときに後悔を打ち消せないからね。負けたら自分の見方のどこが違ってたのかを懸命に検証する。そういう作業をしているうちに、気付き、みたなものがある。
その「気付き」というのはたいていの場合、海外勢の動き方なんだけどね。
と言うわけで御託を並べても仕方ないし、週末にいろいろ書いたので、興味があったら読んでみてください。
さて、大引け後のCFDも相当に弱く推移しているけれど、市場は大分疑心暗鬼になってるよね。株式投資なのだからもちろん株価の値動きが最大の関心事だと思うけれど、個人的にはこの下落相場の本筋はQTなんだと思ってて、FRBはこのQTには相当ビビってると見えて、かなり明確なフォワードガイダンスを出している。けれども、マーケットの状況が変われば、当然FOMCで変更を視野に入れた話し合いになると思うけどね。
その点で読者の方から俺の認識の間違いを指摘していただいたので、しっかりとチェックしました。現時点でのQTは「6月開始で8月までの3か月間は、475億ドル/月額、その後9月からは950億ドル/月額へ引き上げます。」と言う事らしいので、そう言われると7月8月と段階的に増やすのじゃないみたいだね。
そこでマーケットは今回の金融引き締めをどう見てるか?と言えば、かつてなかった規模でQTを開始してしっかりとフォワードガイダンスしてるのに、金利も0.500pという幅で上げているのに、インフレ高止まりと見てる。と言うことは、金融引き締めをしてもドルの購買力は急速に失われてしまうことを懸念しているということじゃないか?金融引き締めをしたら株価や債券価格は下落してしまうのに、その上インフレが高止まりでは、一体どうすればいいの?みたいなことだよね。
そこに正解が見いだせないから、いまのマーケットは混乱しているのだと思うんだよね。その混乱がアクシデントに繋がるのだと思ってて、とにかく今は注視しなくてはいけないのがHYGとSPACだと思っているんですよ。
HYGは株式市場に先行して底割れしたね(ETFだけど)。
これはまだまだ下がる。そしてFOMCのどこかで暴落するような気がするんだよね。そこが今回の利上げ+QTの恐ろしいところでね。ジャンク債のETFだから当然と言えば当然なんだろうけどね。
次に米国で多数上場しているSPAC(特別買収目的会社)が非常に危ないと思う。これがどうして危ないかと言えば、SPAC自体は事業があるわけではないので、内容がまったくわからない。けれども企業を買収することで、買収された側の企業が上場したことになるわけで・・・はっきりいってこんなスキームが高い株価を付けて、投資家が喜んでその株を買うというのは、まさに金融ジャブジャブのなせる業だったわけで、高いうのは内容がどうなってるのか素人には全く分からないだろうしね。
多分ほとんどのSPACが何らかの問題を抱えているだろうし、買収した企業も財務体質は弱いし、事業もどういうレベルなのか分らない。ってこれってサブプライム債券にメチャよく似てるんだよね。時価総額は多分2兆5千億程度だと思うけど、これが地雷になる可能性もかなりある。
HYGもSPACも金融ジャブジャブだから成り立っている金融商品だから、単純に引き締められたら梯子を外されるようなもの。QTからの連鎖がどういう形で現れるかはまったく想像できないけれど、まず絶対にヤバイと断言できるレベル。
後はアルケゴスじゃないけれど、ファミリーオフィスが跳ねるかもしれないしね。新型コロナの時にはあのブリッジウォーターのレイ・ダリオも危なかったと言われてるくらいだから。でもいまと決定的に違うのは、FRBはジャブジャブを2度とやれないというところだからね。
まだまだこれから、要注意ですよ。
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