週末だから今週の相場をおさらいしておく:6月18日(土)
- 2022.06.18
- トレード雑感
昨夜の米国市場だけど、まずはWTI原油が大きく下落した。これねぇ・・・俺はINPEXを売ったのが1日早かったという感じ。この辺のタイミングというか、その1日と言うのが曲者というか、どうして1日遅れたのかがね、よくわからないけれど・・・。いずれにしても売り坊としては、こういうのを掴み損ねるというのが本当に悔しいことなんだよね。昨日の後場はほんと迷ったというか、NASDAQ CFDが強かったんでそれを意識し過ぎてたってことなんだけど。
同じようなことがHYGなんかにも言えると思うんだよ。とりあえず直近の安値を割れたHYGだけどFOMC後は若干戻ったりしてて。それでもここから下値に向かて突っ込み始めるのは確実だと思うので。タイムラグが出るんだよなぁ・・・。
というわけで、米国株式市場はダウとS&Pが下値揉み合い。ハラミ線になってるので一旦は底値と見えなくもないけれど、まぁ戻ったとしても期待はそんなに出来ないんだろう。そういう意味では米国債10年物金利が下がったことが追い風になってNASDAQは1.43%戻したけど。
三市場ともに出来高が大きく増えているのは米国がMSQだったから。こういうのをみて底打ちサインなんて考えるのはちょっとどうかな。まぁ一旦は先物もオプションも清算されたわけだから、ある程度戻してから次のフェーズと言うのもあるかもしれないけれど。俺はそう読んだので買持したわけだが・・・。
米国三市場のチャートを見てみる
(ダウ日足)
(S&P500日足)
(NASDAQ日足)
動きが同じなのはリスクオフだから
三市場の日足チャートを並べてみたけれど、現状ではほとんど同じような動きになっている。と言うことは今の米国市場は、個別のファンダメンタルズとかバリュエーションとかで売られているのではなくて、とにかく目先リスクオフという動きでしかないことが分かる。で、なぜそうなるかと言えば、いまなら米国投資家にとっては、特に個人にとってはまだまだ売っても大きな利益が残る人が圧倒的に多いから。
米国人にとって株式投資というのは、毎年積み上げる投資法が定着しているので、20年も30年も続けてると本当に大きな資産になっているから。勿論新型コロナ以降のジャブジャブで株式投資に群がった人は遣られてるパターンも多いだろうけど、20%や30%下落してもビクともしない人はザラにいるからね。
ただそれでも、この下落は高止まりするインフレや今後リセッション入りするというリスクは無視できないから、キャッシュにする人が多いかも。
いずれにしてもかなり厳しいリスクオフ相場になったということだよね。
短期筋の手口
三市場の日足チャートに赤く楕円を入れておいたけれど、下げ相場では持ち合いが非常に危険であると言うことが今回は明確に分るので、印をつけてみたわけだけど。要するに下げ相場の持ち合いで短期筋はショートを思い切り仕掛けるってことだよ。
手口としてはほとんど同じで、SQの2週前の揉み合いはすべて下目線でのショートなんだよね。それでSQが終わると一旦は様子を見ながらショートカバーするから戻り相場になる。株価が戻り始めると提灯が点いちゃって買い方が群がるからそこそこ戻る。そしてそこで次の下げを意識した仕掛けが始まるという、毎度おなじみのパターンがこの下落相場でも繰り返されていると言うことだよね。
で、ポジションを建てたなら後は、雇用統計、CPI、FOMCとイベントに任せる。大きな勢力ならばイベントの内容を良くも悪くも解釈を変えながら、結局目標通りの値動きをさせてしまうという・・・はっきり言って大口同士の出来レースが公然と行われていると見てもいいと思う。
こうしてチャートを見ていると、下落トレンドで揉み合った時は思い切り強気になっても(ショートしても)大丈夫ということになるから、俺も馬鹿なポジションを建てるんだよ。それでもこの何年間か、ほとんど外したことがなく勝ててるしね。
なので揉み合いが始まったら、タイミングを測ることが大事になってくるんだよね。「下落トレンドでは揉み合ったら下」と言うのが俺の手の内の一つです(とうとう書いちゃった!)
日経平均のチャートを見てみる
(日経平均日足)
いかにも短期では底打ち反発しそうな下髭。実際、月曜は米国市場はジューンティーンス(テキサス奴隷制廃止日)という祝日で休場(よく分からんけど)。なので日本市場が上昇すると、これが結構火曜の米国市場に影響しそう。なので月・火と続伸してくれると最高なんだろうけどね。
そのカギを握るのはもちろんドル円だけど、要するに来週からの日本市場が円安と同調してくれるか否かの試金石になるということ。ただし気になるのは日経平均の為替を背景にした独自の動きが先週末で止まってて、特に金曜はダウと完全に連動していたし、木曜の米国市場の動きの中では日経CFDは今までみたいに強い動きではなくなってた。
なので仮に上昇するとしたら東京エレクトロンとファナックと、そしてファストリの吊り上げで行く可能性が強いと思う。とりあえず一旦は戻さなくては仕方ない位置に株価があることは確かだという感じ。
日本株の行方を考えるヒント?
(ハイテク株)
日本にハイテクという株って半導体関連以外にあるの?って感じがするけれど、その半導体関連がこの先も今までのペースを維持して業績が付いてくるのもあと1年位じゃないか?と思ってて、世界的なリセッションに来年は陥るわけで、その時に半導体不足っていう状況が変わらずあるかと言うと、たとえあっても業績は萎むんじゃないか?と思ってて、だとすれば去年の高値を奪還するのは多分無理じゃないかと言う気がする。
まぁ、ハイテクに入るか否かは別としてもソニーGの大相場も個人的には終わったと思ってて、リセッションでは結構躓くかもしれないと思ってる。
(船株)
船株の大相場も完全におわったな、と。不況になると在庫が膨らむから当然コンテナ需要も急激に落ち込む。コンテナ船一隻当たりの積載量が落ちると収益性が悪化すからね。株価は軟調傾向だけど、ここにきて米国で「海運運賃引き下げ法案」がバイデン大統領の署名で成立した。もちろんMOL(商船三井)K-LNE(川崎汽船)NYK-LINE(日本郵船)も値下げの対象となる。火曜は揃って軟調だろう。
(金融株)
メガバンクも地銀も、そして生損保も、QT前ならば債券運用が有利になるということで囃されたけれど、QTが本格化した今、保有債券の劣化がいよいよ注目されるだろうと思う。要するに機関投資家と言われる彼らは、株や債券の劣化がすすむわけで、これから先は厳しい状況に入るだろうと思う。
米国株の下落の中でも、米国金利上昇で強い動きをしていたけれど、いよいよ厳しい相場が始まると思う。
(自動車株)
業績で買うとすれば、自動車株になる、と言うのが今期から来期にかけての日本株なのかもしれないけれど、5月の米国販売は10%以上落ち込み、今月はもっと厳しくなると思われる。そんな中で円安が業績をリカバーしてしまうけれど、それで買われるかが来週以降の焦点にはなると思う。
個人的にはリセッションがほぼ確実な以上、思い切りEVにシフトすれば販売数量が落ちるか、価格競争になるのかのいずれか。そこで各社の首を絞めるのが、高価格シフトだよ。トヨタ辺りはドル箱のレクサス車を半導体不足の中、重点生産して売り上げを維持してるけれど、どうやらピークは過ぎたような、そんな感じがする。
日本だけが独歩高と言うことは無理?
世界の先進資本主義国のなかで日本だけが金融緩和継続なのだから、少なくとも国内生産の輸出企業の業績には有利になる。だが反対に内需企業は今後ますます厳しくなるのは目に見えている。と言うことは海外インフレの波をまともに被らないといけないわけだが、それでも円安は日本のGDPを押し上げ、それは確実に税収増に繋がるはずだ。
ところが海外がリセッション入りすると、輸出数量は減少せざるを得ないのだから、円安メリットが相殺されかねない。なので円安になればなるほど、海外がリセッション入りするまでは輸出企業の業績に寄与するだろうけど、それも長くは続きそうにない。
なので円安が下支えになって強い動きになるのは、かなり限定的になると考える。
そしていよいよ海外勢は真剣に円安でのドル建て日経平均の下落に嫌気するのではないかな?今後円安になればなるほどドル建て日経平均は悪化するからね。今の海外勢に悠長に日本株をキープする余裕などないはずだから。
まだ日本市場は問答無用の厳しい下げにはなっていないから、なおさら今後の株価には要注意なのだと思う。最近では俺は円安=独歩高はあり得ないことだと思っている。
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