資源を巡る重大な岐路が迫っている!?
- 2022.07.03
- 世界情勢
NATOはさらに大量の武器弾薬をウクライナに供与することを決めたらしい。さらに即応部隊を現状の7.5倍に増強する方針で合意したとか・・・。当然フィンランドとスウェーデンがNATO入りするのだからますます増強する必要はあると思うけど、いままでロシア(東側)の脅威から作られたNATOは、ここにきて完全にロシアを敵国とみなしたということ?日米のように仮想敵国を中国やロシアとするのではなくて、もはや仮想がとれて完全に敵国なんだろうね。
ウクライナとロシアの兵力が拮抗するようならますますウクライナ戦争は長引くだろうし、両国の消耗は続くし、NATO加盟国の財政状況も悪化する。こうなると損得ではなくて完全に感情論で物事を考えるようになるから、だから歴史的に欧州というのは戦争・紛争の多発地帯なんだろうねぇ・・・。
で、思うに兵力が拮抗して戦争が長引けば・・・やがては資源戦争になるだろう?自由主義経済、市場経済って地政学リスクで物価上昇するわけだし、それをまたプーチンも良く知ってる。世界がすでにエネ不足に陥っていることもよく分かってるよね。だからこそ、今回のNATOの決定を受けてプーチンは天然ガスを止めちゃう可能性だって出てきたし、原油だって本当に減産するかもしれないしね。何せ減産しても価格がぶっ飛べば増収になるって計算が成り立ってしまうからね。
その意味ではいくらNATOが軍事的に優位でも、ロシアには資源という強力な最終兵器がある。核は互いにつぶし合うだけで意味がない。となると、今回のNATOの軍備増強とウクライナへの軍事的支援の大幅増強で、ロシア軍が劣勢になってくるタイミングが非常にヤバイということになる?
すでに中国・インドという大口の顧客を確保したことも非常に大きいし、プーチンを強気にさせてるんだよね。けれども、不思議なのはロシアのOPEC+における位置だよ。ロシアは中国、インドに対し、市場価格の30~35%ディスカウントで供給しているけれど、そのことに対して内部批判が出ないはずがないんだが・・・。OPECの最大顧客はもちろん日本で、市場価格連動型契約みたいだから、なんとか原油価格を高止まりさせたいというのがOPECの本音に違いない。
そういう意味で、ロシアのディスカウント販売を黙認しているのは、ロシアがこの先表向きに減産する可能性があるからかな?サウジとロシアが蜜月なのは、その辺の合意みたいなものが出来てるからかもしれないよね。現にOPECは増産ペースを気持ちだけ(日産60万バレルを7、8月は100万バレル増産)拡大しているけれど、現実にはそれは表向きの数字であって、その通りには増産できていないと言われてる。増産しますよ、と言いつつ実需に対してタイトな状態を維持すれば、価格は下がらないからね。
だからサウジとしてはロシアをOPEC+の枠組みから外したくないんだろう。
そこに今度はまもなくバイデン大統領が乗り込んでサルマン皇太子と会談するらしいけどね。そして現時点での米国の要請は原油の増産以上にロシアをOPEC+から外すことらしい。そのために米国は本来喉から手が出るほどイラン産原油の供給量を増やしたいのを我慢してる。核合意の交渉再開をのびのびにして、サウジに恩を売ってるというわけだよ。なので、米国としてはイラン原油に対する制裁解除やシェールの大幅増産を匂合わせて、交渉するのだろうけどね。
この交渉で増産の確約を取れる確率は5分5分?ロシアのOPEC+からの排除は可能性ゼロかな。だからサウジとしては名目上ある程度の増産協力をする姿勢を見せつつ、実際は・・・みたいな落ちになるんじゃないかな。
さてそうなると、外交的にロシアに対する締め付けは失敗と言うことになるわけで、ロシアの「資源という武器」は温存されることになる。結局原油価格は下がらずに、インフレが思うように抑えられないということに成り、ロシアの動き次第では、原油と天然ガス価格の暴騰という可能性は残されたままになる。
正直、プーチンがそれをすれば、世界経済は奈落の底まで落ちるかも・・・。そうなると世界は中印露が・・・。そうなるとまさに悪夢だけどね。
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