日米株式相場、年内終了!?
- 2022.12.18
- 放言
12月相場は最後の最後まで気を抜かないようにしないと、どう動くか全く分からないね。特に来週からは米国市場は商いが薄くなるし、日本市場も恐らく主力銘柄はテーマ株以外には望み薄だと思うし、だったら小型株、ということでいろいろな銘柄が意味もなく上昇を始めてるけど、マネーゲームだね。
週末の米国市場が引き続き軟調で、日経平均CFDも¥27,319と嫌な引け方をした。この水準はEPSが2,188まで低下してるので、PER12.485。このまま寄り付けば金曜引け値で僅かに下回った75日線は明確に割り込み、5日、25日、75日はそれぞれ下向きが明確になってくる。もっとも、20日線、60日線を見る人にとっては見え方がちょっと違うけど。
個人的にはとにかく¥27,750から上の取り残され組がどの程度投げてくるのかな?と言うのが興味ある。8月高値を獲ってきた後の売られ方のイメージはあるけれどね。
さて今回のFRBのタカ派姿勢とそれを嫌気した米国市場の動向だけど、12月はまだしも、年明け1月、2月になると、まず個人消費が急減速するのは確実。それもかなり急激に減速すると思う。理由はクレジット・カードでファイナンスできなくなるし、デフォルトも増える。すでに個人消費は限界を迎えているわけで、ダウが戻ったことでの安心感がなんとか年内を支えてると思うけど、株価が下落するようならばもう限界だね。
それと住宅市場は新築物件に関してはほぼ崩壊中。中古物件も売れなくなってる。理由は7%台の固定金利を新たに払って買う人がいないから。そしてこの金利はさらに8%台へと進むだろうしね。それともちろん自動車も売れなくなる。欲しいけれど、あと1年、2年我慢しようという傾向は、利下げになるまでは続いてしまうだろう。その兆候はテスラ株に如実に表れているよ。
実はこの冬はEVにとっては正念場なんだよね。結構な寒波になってEVの本当の性能が試される。遠出して雪の中充電するのも、本当に馬鹿らしい。第一高速で大雪なんかに見舞われた時、閉じ込められてしまったりして暖房を使わないと命の危険なんてことになるとあっという間にバッテリーが・・・。そんな時誰が充電してくれる?日本ではJAF?でもね、米国でそんなロードサービスないよね。ただでさえ気温が低いと放電で持ちが悪いんだからね。
また失業率に関して相当信頼性の欠けるデータを使ってることも明らかになった。昨日アップした動画シリーズでも説明してるけど、正確な雇用状況を全く把握できてないことが明らかで、例えば現状(11月雇用統計)は失業率3.7%とすこぶる良好な数値を維持してるけれど、まず景気状況からしてもあり得ないだろうし、レイオフが進んでいる最中の調査は、正確性に欠ける。恐らく年内には実質4.0%を超えてくるだろう。
他の景気指数を見ても結構厳しい数字が連発してるけど、雇用と賃金上昇の一点でFRBがタカ派姿勢を崩さないとすれば、恐らくFRBは去年に引き続き、また政策を間違えてる可能性が濃厚だね。現実の米国景気は当局が把握している以上に、はるかに悪化してる、と見てる。
その根拠はやはり金利だよね。去年の今頃の米国企業は、ほぼゼロ金利政策下(市中金利2~3%)で事業計画を推進してた。それが、FFレートが4%になったこと、今後5%程度で高止まりする、と言うことを考えると、企業は8%~10%の金利負担をせねばならなくなる。今の経済状況でそれだけの金利下でまともに利益が出せるなんて、考えられないよ。たっぷりと余剰資金があって金利で収入で7%補填できる企業はOKだろうけど。普通は投資を先行させる米国企業は日本企業みたいに内部留保たっぷりじゃ株主に叱られるからね。なので投資比率は日本企業の比ではないよね。
で、そうした状況があるにもかかわらず、なかなかネガティブな状況は表面化し辛いんだよね。だからアクシデントは唐突にやってくるように見える。けれども確実に現在進行形だよね。
だから何考えてるんだか、ソフトランディングなんて夢のまた夢よ。もしもそれが望みなら、誘導金利を4%くらいにするしかないかも。慢性的な持続的なインフレ経済にするしかないかも。イエレンが「高圧経済」って言ってたけど、その辺で綱渡りするしかないんじゃないか?
と言うわけで、株式市場は日米ともに年内はもう終わってます。普通に考えて終わってるでしょ。
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