社運を賭ける文芸春秋社。決して日和るなよ!
- 2023.07.27
- 時事問題
いやいやいや、文春オンライン読んでて本当に凄いと思った。俺もガキじゃないんで組織の理屈はある程度は分ってるつもりでね、様々な意見を持った人間の集合体を管理・運営するには、統率してゆく手段があることも分かってる。例えば、だけど米国を見ても日本を見ても、民主主義・多数決・少数意見を無視しない、と理屈は分るけれど、現実に向き合ったらとてもそんなことは言ってられない、みたいな部分が山ほどある。実際、人間はロボットやクローンじゃないから考えてることは千差万別でね、それをあらゆる手段を使ってなんとかまとめ上げようとしないと、身動きが取れないのが組織というものなんだよね。
結局そのためには、法律や社則といった規則で縛ることも必要だろうし、強制力とかカネとか、地位を保証するとか、何某かのバーターするとか、とにかくあらゆる手段が現実には使われる。もちろん、民主主義なんてことよりも上の地位の者が自分に与えられたテリトリーを守り身分を守るために、ある程度強制力をを発揮して、それがピラミッド型になっているのが組織管理ですよ。
そういう構造を作ることで、オートマチックに管理でき、さらに上からの命令には服従するのが基本というのが、所謂軍隊方式です。
でも実はこの方式って組織管理が「楽」なんだよ。上からの命令が相対的に正しいものである限り、また組織の人間が妥協しつつその正しさをある程度認識できたなら、かなりスムーズに大組織が管理・運用できてしまう。その代わり上の人間が無能で、下された指針や命令が、部下が妥協しきれないほど酷いものだと感じると、そのことの重大さ如何によっては一気に組織を支える底辺が崩れる。
上の人間は正直楽してるから、底辺が崩れることが最も危険なことだって気付かないんだよね。ピラミッドの構造を思い浮かべれば土台が崩れることが如何に怖いか分かるはずだけど、人間楽しちゃうと意識が行かなくなるんだよ。家がメンテしないで放置すると知らないうちにシロアリが巣食って基礎がボロボロになるっていうことと同じだ。
そうなれば、頑強に見える組織だって一気に崩れることもある。経年劣化してくる上に、トップが阿呆だと救いようのない組織になって、それが暴走を始めるんだよ。よく中国やロシアの独裁体制を批判するけれど、はっきり言って中国で議院内閣制やったら何も決まらなくてとても国を統治なんか出来るはずがないからね。
基本、個人主義的な国には、それにふさわしい統治方法にだんだん変わって行っちゃうんだね。民主主義は大分不都合な点が目立つようになってきて、結局何をするかと言うと、見せかけの民主主義を演出しながら裏では情報統制とカネで、縛り付けないと過半数が維持できなくなる。アメリカはその典型的な国だと思うけど。
じゃ日本はどうなんだ?ってことになるけれど、意外かもしれないけれど政治ってそこそこ自浄作用があるんだよ。恐らく今の時代、これでも日本の政治って世界では断トツクリーンだと思う。特に田中角栄の頃から金権政治とか騒がれて、竹下も金丸もみんな小金に翻弄されたしね。お陰で世界一クリーンな政治資金規正法ができたりね。
そうやって何とかここまで来たけれど、結局政治が活性化しないのは、憲法改正さえできないというジレンマがあるから。突破力のある政治家がいなかったってことだし、政治家の質が低レベルで平均化してしまって国を率いてゆくリーダーが出てこないし、何よりも岸田総理をみていても分かる通り、アメリカの言う事を守れば何とかやっていけるという妄想が、政治家や官僚に蔓延ってるのが大問題だ。
今の政治家はいまだに「日米安保」なんか信じてるしね。最初から「核の傘」なんてあり得るはずがないのよ。政治家も官僚も国民の多くのもそれを妄信してるからある意味御花畑国家でしょ。けれども、だからこそ、この国の三権分立も相当に怪しくなってるってことを、ただの営利目的のゴシップ週刊誌に突かれて慌てる羽目になるんだよ。
今回の文春砲の木原問題に関する記事は、戦後の日本のメディア史上最もインパクトある記事の一つと言うか紛れもないスクープだった。そして今日発売の文春には、普段は恋愛や不倫、薬系や事件系といったおチャラけた取材しかしていないはずの週刊誌記者たちが、初めて緊張感たっぷりで取り組むことになったんじゃないかな。
けど、これまでの一連の記事は単純に政治家夫人のゴシップ記事と言うわけではなく、今の日本を確実に動かしている木原官房副長官という人物とその夫人を通して、岸田首相、総理官邸、警察機構、の病巣をえぐり、経年劣化した警察機構の在り方、政治と警察の関係、を世に問うことになるんじゃないかな。
そして一発目から今回の文春の木原記事は妙に何というか、小説っぽい書き方をしていたので、ちょっと気になっていたんだけど、その理由が今回の第4弾で十分に理解できたんだ。恐らく有力政治家関連のリークで始まった今回の木原事件は、第2弾、第3弾を読んだ限り、大丈夫かぁ?と思ったけれど、とにかく何から何まで計算されていて凄い!無理かと思われた重要人物の証言が・・・、まさに今回の件をすべて知り尽くしてる元警部補の実名証言がとれた!警察庁長官の定例会見での大嘘に腹を立てて地方公務員法違反にもかかわらず全部取材できるという幸運も味方につけてるしね。
とにかく今回、第4弾の内容は、証言内容といい証拠といい、そして展開といい、ほんとうに凄かった。これじゃ民法の刑事ドラマなんかバカバカしくて見てられないと思うよ。文春の一連の記事に自ら直木賞をやれよって感じ。
同時に、一介の週刊誌ネタで政権が倒れるとしたら立花隆の「田中角栄研究」以来じゃないか?
けれども岸田政権はもう御終いだろうし、木原氏も議員辞職だろうと思うけど、この件はもっともっと波及してゆく可能性がある。気になるのは木原氏の豪遊のスポンサー筋とか、もっと言えば今拘留されてるガーシー逮捕劇関連とか、あらゆることが出てくる可能性がある。それと個人的には岸田の次はガースー再登板だと思うけど、ピンチヒッターで清話会の小物と言う線があったり、引退を決めてる麻生だったり・・・。とにかくとんでもない政局になるかも。
問題はTVメディアと新聞だけど、何処が一番初めに文春を後追いするか・・・その根性があるのか否か、よく見ておこう。
-
前の記事
主力企業の決算不安、文春砲で政局か!?:7月26日(水)後場 2023.07.26
-
次の記事
米国は年内利下げナシ!事故は起きないのか!?:7月27日(木)前場 2023.07.27