劣勢に立つイスラエル・米国
- 2023.10.17
- 時事問題
イスラエル軍はなかなかガザ地区に侵攻できないでいる。これは、他でもないイスラエル軍が、ガザに侵入したら、返り討ちに会うことを十分に分っているからではないかな。正直、イスラエルが陸上部隊で戦争できるとは思えないし、やったらハマスの思う壺なんじゃないか?
軍事に詳しい人の解説だと、まずイスラエル地上軍がガザに侵攻してハマスを壊滅できる可能性は万に一つもないらしい。理由は、ハマスは容易周到に何年もかけて、ガザ地区に地下施設を建設して、そこに大量の弾薬、水、食料を確保しているから、こうした戦闘では圧倒的にゲリラ戦が強いということ。ベトナム戦争やアフガニスタンの例を見れば、それは明らかだというんだね。
いま、イスラエル軍がガザに攻め込めば、圧倒的に兵士が死ぬ。これはまるでウクライナと同じだね。そうなると、近代的な先進国では何が起きるか?と言えば、反戦ムードが国内で高まってくるわけで、これもまたベトナム戦争の時の米国と同じ。
またイスラエル軍は空爆をしまくったけれど、これによってガザは瓦礫の山と化した。すると、この状況もまたゲリラ戦にはもってこいで、イスラエルの地上軍は前に進むこともままならない上に、陰に隠れたハマスに狙い撃ちされてしまう。まるで見えない敵が撃って来て兵士が死ぬというのは、これはとんでもなく恐怖なんだよね。
その上、地上には一般市民のパレスチナ人が少なからず残っているし、地下には人質も確保しているとなると、はっきり言ってイスラエルの地上部隊はなす術がない。
もしもイスラエル地上軍に勝機があるとすれば、地下道の複数の入り口から水攻めにするしかないんじゃないか?毒ガスという手段もあるけれど、ガスマスクを使われると万全とは言えない。強力なサリンのような毒ガスと言う手もあるけれど、一般人や人質の犠牲は避けられないし、世界中から人道上の厳しい非難に晒されるだろうし。
と言うことは、普通に考えてイスラエル軍は、爆弾やミサイル、銃弾といった兵器では勝てないということになる。
さて、とりあえずイスラエル軍はガザに侵攻してみるだろうけど、無理だということを十分に味わうことになると思うけど、その時にどう判断するか?が今回の中東不安の鍵を握っていると思うんだよ。バイデン大統領にしても、全面支援とは言ったものの、勝てないことは知らされているだろう。けれど、国内のユダヤ勢力の機嫌も取らないわけにはいかなくて、イスラエルへ行ったりしてポーズは取らないといけない。
でも下院議長が空白で予算もままならないわけだから、出来れば人道問題として処理したいというのが本音。でもそれでは、イスラエルと米国の面子が立たないわけで、何処に落としどころを持ってくるか・・・。それに厄介なビクトリア・ヌーランドの存在も気になるし・・・。
窮鼠猫を噛む、と言うけれど、窮鼠はイスラエルだったんだ!?ってことにならなければいいけれどね。その辺をじっくり織り込んだら、地政学リスクは終了かな。
個人的に今回のイスラエルーハマスの戦闘がエスカレートすれば、イスラエルがハマスを支援するイラン、クエートに一矢報いるというシナリオを想定していたけれど、どうやらそこまでには至らないみたいだ。
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