国も地方も裏金なんて当たり前の世界!?
- 2023.12.09
- 時事問題
雇用統計はサプライズだったなぁ・・・。ということでポジションは全部担がれて終了。この際、PCIまで持ってみたりしてね。それもありかなぁ。来週の市場に関しては後で書きますけど。
さて、週末のTVもYOUTUBEも自民党の政治資金パーティの問題ばかりやってる。けど、どれもピントが外れ捲ってる気がするよ。なんか意図的にピントをずらしてるという気さえするだけどね。
だいたい、議員の平均収入は4000万、平均支出は4600万で赤字なんです!っていう元議員の発言もあるけれど、それじゃ誰も議員にならんよ。次の選挙、例えば衆議院なんか2年半くらいでやらなければいけない。任期満了なんてめったにないし。だから何としても、次の選挙までに蓄財しないといけないわけだよ。
じゃ、どうやって?と言うのが国民がみんな不思議に思ってるところだし、メディアも夢中であれこれ詮索して頓珍漢な議論をしてる。でもね、例えば派閥に所属する個人がパー券をノルマ以上に売って超過分を派閥からキックバックを受けてる、といったことを東京地検特捜部が真剣にやるかね?
聞けば特捜は全力で今回の問題を捜査してるらしい。そんな議員一人ひとりの政治資金報告書未記載を追って行っても埒が明かないわけで、もちろん狙いはそんなところじゃないと思うけど。各派閥の政治資金報告書を精査するとこんな図であることが分かる。
でね、この図で注目すべきは森山派の4016万ってところ。8人しかいないのにこの金額と言うことは、平均すると一人500万ってことだよね。落選した「茶坊主」石原伸晃が会長を辞めた後、森山裕が会長に就任してる派閥(近未来政治研究会)なんだけど、所属議員はこんな感じ。
森山裕 | 衆議院 | 会長 | 7回・参院1回、鹿児島4区 |
坂本哲志 | 衆議院 | 事務総長 | 7回、熊本3区 |
城内実 | 衆議院 | 6回、静岡7区 | |
上野賢一郎 | 衆議院 | 5回、滋賀2区 | |
田野瀬太道 | 衆議院 | 4回、奈良2区 | |
鬼木誠 | 衆議院 | 4回、福岡2区 | |
宮路拓馬 | 衆議院 | 3回、鹿児島1区 | |
山田俊男 | 参議院 | 3回・比例区 |
みんな当選回数はそこそこだけど、ネームバリューと言う点では・・・。この人たちが、一人500万のパー券を裁いてるわけで、このメンバーではこれ以上は無理だよね。それを基準とすると、麻生派は2億8000、茂木派は2億6500、岸田派は2億3000、二階派は2億500、そして安倍派は4億9500となってもいいはず・・・。
ところが、安倍派4億20、麻生派4669、茂木派8358、岸田派4672、二階派1655、と言う差額が出ちゃうことになる。いま、安倍派が集中攻撃を受けているのは、少なくとも4億円もの政治資金報告書未記載が、派閥の収入、キックバックの収入、に関して消えちゃっているのかも、という基本的な疑惑があるってことだよね。
でも、これって今回の捜査の本質じゃない気がするんだよ。ある若手議員(初当選)のインタビューを見たけれど、議員活動にはどれだけ費用が掛かりますか?という女子アナの問いに対し、「年間で最低1億円」と答えてた。最低でもそれくらいと議員は続けられないと知ってビックリしたと。でもその議員は議員生活のために1億円かけているわけだよね。
「現在国会議員一人当たり、月百三十万一千円の歳費が支給される。 他に、月百万円の文書通信交通滞在費や六十五万円の立法事務費、年間約六百三十五万円の賞与やJR、航空券の無料クーポン券、更には公設秘書の給与を含めると、国会議員一人当たり、月約五百七十三万円、年約七千五百万円の経費がかかっている計算になる」
GOOGLEで検索してもこんな回答が出てるし、6000万円と回答した議員も嘘は言ってないと思う。けれどいずれにしても1億円には届かない。本来この差額を埋めるのが政党助成金なんだろうけど、その大半は選挙資金に使われる。
なので何処のどの数字を見ても、国会議員は表面化していない資金(裏金)が最低でも年間3000万円は必要ということになってくるという事情だよね。安倍派の場合、安倍氏が派閥の領袖を務めたのは総理退任後の半年間で、それまでに派閥の会長を務めたのは先日亡くなった細田氏であり、実際の資金の差配はいま槍玉に上がってる面々って事みたい。はっきり言って無茶苦茶やってたんだろうね。
でも、他派閥でも同じようなことになっていたのは明らかだと思うし、特に自民党の幹事長ポストを長く占めた二階氏、そして今の茂木氏にはまた別の疑いもある。つまりこの問題は、パーティー券の発行枚数が報告されていないということに尽きる。
普通、パーティー券みたいなものは、発行枚数に対してどれだけ売れたのかは収入で計算されるよね。例えばある議員のノルマが200万円とすれば、100枚のパー券を捌かないといけないわけだけど、最初に200万円を派閥に支払って、パー券を200枚貰うとどうなるのか?
100枚のパー券は売らないと資金回収できないけれど、あとの100枚を売れば売るほど裏金が作れちゃうってこと。なので、それをどう捌こうと表面には出ない。だから政治資金規正法の20万円以上の一括販売は政治資金報告書に記載義務が生じるなんて規定は、全く意味をなさない。だって本人は100枚しか売っていないことになってるからね。購入する側も、法人なら別の名目を付けて、個人ならばいざと言う時には購入者を分散すればよいわけで、その代わりに企業や個人の便宜をはかるという・・・。実質的な贈収賄が行われてしまうんだ。
また、これが地方にも広がって、ある意味地方議員なんかにとってはパー券は金券扱いされる例もあるらしい。ここにも様々な換金手段があるみたいなんだ。というか国も地方も裏金なんて当たり前の世界になってるね。
それで、現時点での攻防は・・・
ます安倍派幹部だった松野、高木、世耕、萩生田、西村、辺りは根こそぎアウト。もちろん他派閥も捜査されることになると思うけど、出てくる金額によってどうなるか?ってことなんだろう。自民党として岸田首相が内閣総辞職を絶体にしてくれるな、という圧力がビシビシかかってる。そんなことをされたら、幹事長である茂木は最もヤバイだろうしね。
けど特捜の気合の入れ方で、全派閥にメスが入るようならば、当然岸田は年内総辞職になるんだろうけど。すると次期総理は茂木と言う線も怪しくなってくるし、米国の思惑通り上川陽子ってこともあるかもなぁ・・・。
でもいずれにしても、仮に上川になっても秋まで。最終的には高市早苗だね。だって米国民主党は大統領選挙で負けるからね。
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