株・師匠の教訓 1:出来高のない小型株に手を出したらいけません

株・師匠の教訓 1:出来高のない小型株に手を出したらいけません

私がかれこれ10年ほど前、師匠と呼べる方に弟子(自称)として株式投資指南を受け始めた最初の頃、こんなことを言われました。

当時の私は、こんな基本的な事さえ分からないで株式投資を再開しようとしていました。それまでの16年間におおよそ数千万の損失をだしていたのですから、無知も甚だしかったわけですね。

それから約2年の間、師匠宅に150日ほど通いつめて、株式投資のイロハを教えていただきました。その経緯は未完の拙文ですが小説にしてブログに掲載しています。

師匠の略歴

有坂弥平(仮名)氏。訳あって早稲田大学を中退した後、野村証券に入社し、あの国際興業社主の小佐野賢治氏の担当だったこともある人物。その後麻布自動車社主の渡辺喜太郎氏の担当として小糸製作所の仕手戦に参加したことも。

その後中堅証券の部長職を経て約40年間、証券業界を生き抜いた人物です。渡辺氏の縁で30年近くの空白を経て氏がオーナーであった栃木県の喜連川カントリークラブで知り合ったのがきっかけで、株を教えていただくことになりました。

詳しい経緯は小説に書きましたのでこれ以上は言及しませんが、弟子入りしたのは「縁」があったのだ、と思っています。

 

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過去の投資履歴を告白

もちろん、弟子入りしたからには、それまでの投資履歴をすべて告白しました。そして最後はライブドア株で虎の子の投資資金を失ってしまったことや、仕事も崖っぷちであることもすべて話しました。

当時の私は、株で儲けて生活費や事業資金を捻出するつもりでした。それだけに師匠に「銘柄を選んで来てください」と言われて10銘柄ほど選んだのがすべて値動きのいい小型株だったわけです。

「それでは話になりません。お止めになったら?」と開口一番窘められてしまいました。

「止めるわけには行かないので、どうしてダメなのか教えてください」と食い下がると「流動性って分かりますか?」と聞かれました。

「なんとなく」と答えると、「平たく言うと出来高がある、と言う意味です」と。

師匠曰く、小型株は危なくてとても投資とは言えない、手掛ける銘柄はせめて買える株数の100倍の出来高があるものでないといけません、と。

当時は小型株が全盛で、私自身かつて村上ファンドが手掛けたクレイフィッシュという銘柄で10日程で倍増した経験が忘れられませんでした。そういうことが、株式投資だと思い込んでいたのです。

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小型株で成功した投資家はいない

確かに小型株の値動きは魅力的です。地合いさえ良ければIPO銘柄でも2倍、3倍になるものもあります。そうした値動きを評論家は「相場になった」と言って煽ります。

所詮小型株は、将来どうなるかわからい、未知数の企業。商売や事業を経験した人であれば、その成功率がいかに低いかわかるはずです。幸運にも株式上場を果たすまでになったわけですが、大半の企業はその後鳴かず飛ばずなのです。

「最初は取り組みが易しいから大口が弄るだけ」と言うのが師匠の見解でした。「大きく儲かるけれども、大きく損しますよ。株は儲けるよりも損する方が簡単なのです。だからそう申し上げたんですよ」

いまではその意味がよくわかります。まだ4年前に株を再開した時以来一度も出来高のない銘柄には手を出してはいません。

私自身の経験でも、出来るなら小型株はあまり手を出さないほうがいいと思います。出すなら「遊び」と割り切れる程度で。

師匠に教えていただいた教訓を書いて行きます

師匠の印象に残る言葉は、私にとってはどれも教訓なので、株式投資で少しでも役に立つと思うことを徐々に書いて行きますので、ご参考になれば幸いです。

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