バブル相場の中にも危機(リスク)はあるもの

バブル相場の中にも危機(リスク)はあるもの

日本株を弄り倒して、2月SQで、しかも僅か1日でオプション・コール10倍益を達成した外資はひと段落、のはずなのに、日本市場の引け後にまだ日経CFDを買い上がるという・・・。これは、ドル円を背景にしたほとんど意味のない買い上がりということで、売りポジを建てた身としては、まだ今夜と月曜で、下げると高を括ってる。

まぁ、こういう悪さばかりしての日経平均¥37,000だから、とりあえずは利食いしないと仕方ない、にしてもエレクが上方修正したことが余程、インパクトがあるのかな?という感じ。アームの値動きを意識し過ぎじゃないの?ってね。エレクは上方修正したけれど、あれだって普通に考えると割高からの材料出尽くしなんだと思うけどなぁ。

いずれにしても、今の状況で¥37,100はちと遣り過ぎでしょ。個別銘柄がついてこれなくなっちゃうから。

米国不動産リスク

さてそろそろ米国市場も本腰をいれて、今後起こるリスクを織り込まないとね。まずは、言うまでもなく米国商業用不動産に対する融資懸念。けれどこれはニューヨークのいち地銀の問題じゃなくて、債券化されてるわけだから、例によって債券市場に波及する可能性が結構高い。もちろんニューヨーク・コミュニティ・バンコープだけの問題じゃなくて、大都市圏の地銀は皆同じような状況になってるわけで・・・。始まれば、連鎖するだろうと考えるべき。もちろんそれがどこにどんな形で波及するのかは未知数と言うところがいやらしい。

そしてイエレンの指摘する個人向け住宅ローンを多く抱えることになった、米国には個人向け住宅ローン専門会社が多数存在していて、所謂審査が比較的厳格なファニー・メイやフレディ・マックよりも引き受け残高は多く、ローン全体の6割以上に上ってる。これが米国住宅市場が堅調と言われる裏側で、たとえ延滞してもデフォルトしても個人の信用にあまり影響が出ないような仕組みになってるから厄介だ。元来、ノンリコースローンなので、デフォルトすれば現物弁済で終了という気楽さが米国中古住宅市場を支えてたるするんだけど。

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さて、そこで問題なのは、FRBパウエル議長が「多少の損失は・・・」と言った地銀問題と、イエレン財務長官が発言したノンバンク破綻危機とは、根っこは同じところにあるってこと。つまり、銀行は商業用不動産に対する貸し付けや債券の流動化をしていて苦しくなってるわけだけど、片方では住宅ローン・ノンバンクへの貸付も行ってるんだけど、銀行の体力が限界にきていて、ノンバンク融資が止まろうとしてること。

と言うことは地銀の連鎖破綻と言うことになると、商業用不動産だけでは済まないってことになる。個人向けノンバンクは、高金利で延滞が多発し、それでも現物弁済のデフォルトは嫌だから、半年延滞でもデフォルトさせたくないというのが本音だけど、だからと言って資金回収が滞ってる現状では、ますます敷居の高くなった追加融資は受けられない。銀行は銀行で、それどころではない、という感じになっていて、その状態でFRBの融資は3月で完全に終了してしまう・・・。

と言うことはFRBは地銀破綻を覚悟しているという事なんだろうね。

こういう事情があるからこそ、株式市場は3月利下げ!と大合唱して年6回お願いしますときた。それがソフトランディングの最低条件です、とばかりにね。けれどもあまりに雇用統計や景気指標が良い数字をだすものだから、インフレ再燃懸念から利下げできなくなっちゃって、株式市場は大きな矛盾を抱え込むことになった。

一方で半導体が好調だったり、メガテックが良かったりするものだから、株価は下がらない。さてさてこの矛盾を株式市場はどうやって織り込もうというのだろう?

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中国経済完全崩壊

さて、もう一つの「今そこにある危機」とは中国経済のことに決まってる。少しブログでも書いたけれど、今中国経済はすでに日本のバブル崩壊以上の状況にあって、これはまだ入り口に過ぎないということ。何度も書いたことだけど、中国経済を救う道はただ一点しかなくて、それは対ドル管理相場制を放棄することだよ。それ以外に道はないもの。

けれどもそんなことをすれば、中国全土たたちまちハイパーインフレになって、可能な限り輸入を制限して国内で自給自足を考えるしかない。とにかくいま、半導体でもロボットでも、対中取引で何とかやれてるのも管理相場制のお陰、と言うのはある。けれどもとにかく中国経済は不良債権が大きすぎるので、有効な経済政策なんか何もないと言った状況・・・。日本だってバブル崩壊後は不良債権処理が終わるまでは、どうにもならなかったんだよ。それに比べても中国の不良債権は桁が3つ上だからね。

おそらく中国の当局者は、思い切った判断など出来るはずもなく、当然習近平も全くできないうちに日に日にズルズルと経済は泥沼に嵌って身動きが取れなくなるんだろう。

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中国にデフォルトはない!と言うけれど、不良債権はしっかりとあるのよ。鬼城と言われる高層マンション群も年々劣化し不動産価値は消えてゆく。そういう事を考えると、ほぼ、そうした不動産価値はすでにないと考えるべき。なので先進資本主義国ならば、本来は莫大な減損をしなきゃいけなくて、GDPなんか半分くらいになっちゃうんじゃないの?

ただね、おめでたいのはいまだにそんな中国を妄信してる日本の経営者が多いこと。いま、中国ビジネスを何とかしようともがいているのかもしれないけれど、本当にきついのは、中国企業があらゆるものをこれから国際市場でバッタ売りするということ。これで完全に市況が暴落してしまって・・・。多分、鉄鋼、非鉄とかこれから大変な事態が待ってると思うんだよね。

それと、一連の中国のバッタ売りが収まるまで、日本企業はかなり苦戦すると思うよ。中国の製品水準は結構上昇してきてるから、世界のバイヤーはどうしたって安価な方を選んでしまうからね。だからすでにその兆候は表れていて、化学セクタなんかは相当苦戦してる。

でもそいうことは日本企業だけでなく、米国企業もドイツ企業もみんな同じ、というか米国なんか投資資金込みなのだから、日本以上に大変かもしれない。そうなってくると立ち回り方を失敗しなければ、日本企業は上手くやれば中国企業の失うシェアをいただきになるかもしれないけれど。中国と言う売り先を失った企業はダメで、その意味では、経済同様に企業間格差がどんどん開いて行くのかもしれない。

今回の3Q決算は、そんなこと予感させる内容だと思わないか?

日本経済、此の先は・・・

俺には日本経済の先行きなんてとても読めないし分からない。後になって結果として日経平均は10万円になりました、と言うのであればその時には「バブルだ!」とただ叫んでいるだけだと思う。そうなれば、毎日から売って毎日担がれてるかもね。今の俺は日経平均¥38,000だって無理だと思ってるくらいなのでね。

何処まで行っても未来を信じられないジジイなんですよ。